ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。同人・出版活動の報告を含みます。

復刊する『黒猫館』『続 黒猫館』に解説を寄稿しました

ご縁があって、星海社が復刊する『黒猫館』『続 黒猫館』の解説を寄稿しました。メイドブームで必ず言及される作品の解説ということと、私が選ばれたというところで、メイド的観点と英国的観点での解説を行いました。

解説での広がり

散歩をしている最中に思考が発展することがあり、今日、ぽんと言語化できたのでメモしておきます。限られた分量で書くというところで省いたものと、手元にあった素材が時間を経てぽんと発酵した感じです。

アニメと小説のエピソードの違い

1. 時間軸:過去、現在、未来
2. あやをめぐる環境:富本氏は『表面張力』の前日譚で純粋なSM的展開を描く
3. 正樹を助ける理由:好意の対象の違い

「信頼できない語り手」問題はあるのか?

『黒猫館』を含むレーベル全体を包括する話

ライトノベル史の研究者で、『黒猫館』を発行した富士見書房を開設した"ライトノベル史入門  『ドラゴンマガジン』創刊物語―狼煙を上げた先駆者たち"の著者である山中氏が、論文を公開されました。

こちらもぜひ。

エアコミティア 2020/05/17参加予定

2020/05/17(日)開催予定のコミティア132Extraにサークル参加予定でしたが、コミケ同様、新型コロナウイルスによる影響を受け、同イベントが開催中止となりました。



その代わりに、エアコミケ同様に、エアコミティア開催とのことで、参加予定です。


新刊はなし/絶版同人誌の通販

コミケ同様、新刊はないです。ただ、印刷所を応援したいと思い、絶版にした同人誌『英国執事の流儀』『英国メイドがいた時代』『ヴィクトリア朝の暮らし 終わりの始まり』の3種類の委託もあります。


委託先

spqr.booth.pm
ec.toranoana.jp
www.melonbooks.co.jp

とらのあなが最も取り扱い種類が多く、続いてメロンブックスです。

(エア)コミケ98(2020/05/04、3日目)西3-P40aで参加

2020/05/04(月)のコミケ98・3日目にサークル参加できる予定でしたが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響を受け、同イベントが開催中止となりました。



その代わりに、エアコミケとして、Twitterハッシュタグやネットのサービス、そして同人誌通販を活用した「エア即売会」となる「エアコミケ」が行われており、そちらに参加します。「エア即売会」的なものは、コミケよりも前に開催中止になった即売会の参加予定者の方達が行なっていたもので、それをコミケが取り入れた形になります。



一応、5/4が参加予定日だったので、5/4にTwitter上でのサークル参加を予定しています。



なお、サークルスペースは西3ホールのP40aで、冬コミと全く同じという初めての出来事でした。


新刊はなし/同人版『英国メイドの世界』や絶版同人誌の通販

2月末に自主的サバティカルとして会社を辞めて時間はあったのですが、体調回復と諸々の優先事項があったこと、そして間に合いそうなテーマも情報が集めきれなかったので、新刊はありません。noteあたりで、何かテキストを公開できればと思っています。



代わりに12年前に絶版になった同人版『英国メイドの世界 ヴィクトリア朝の暮らし総集編』3部が見つかったので、5/4(月)10時の開催時からBOOTHで委託します。



また、新刊は出せなかったのですが、印刷所を応援したいと思い、絶版にした同人誌『英国執事の流儀』『英国メイドがいた時代』『ヴィクトリア朝の暮らし 終わりの始まり』の3種類の委託も始めています。


委託先

spqr.booth.pm
ec.toranoana.jp
www.melonbooks.co.jp

とらのあなが最も取り扱い種類が多く、続いてメロンブックスです。

同人活動19年で作ってきた本28冊(2001-2019年)

2010年に同人活動で作ってきた本を更新してから、その後の刊行物をまとめていなかったので、10年ぶりに更新します。



No.刊行年月タイトル
012001年12月1巻:『貴族とその屋敷』:絶版
022002年12月2巻:『貴族と使用人(一)』:絶版
032003年08月外伝1巻:『Victorian Life Style Vol.1』:絶版
042003年12月3巻:『貴族と使用人(二)』:絶版
052004年08月外伝2巻:『Victorian Life Style Vol.2』:絶版
062004年12月4巻:『貴族と使用人(三)』:絶版
072005年08月5巻:『使用人の生活風景』:絶版
082005年12月6巻:『使用人として、生きて』:絶版
092006年08月7巻:『忠実な使用人』:絶版
102006年12月8巻:『この倫敦の、空の下で』:絶版
112007年08月『ヴィクトリア朝の暮らし』ガイドブック:絶版
122007年12月『MAID HACKS』:絶版
132008年08月『英国メイドの世界 ヴィクトリア朝の暮らし総集編』:絶版(講談社から商業出版)
142008年12月9巻:『ヴィクトリア朝の暮らし 終わりの始まり』:絶版
152009年08月『英国執事の流儀』:絶版・電子書籍へ移行
162009年12月『英国メイドの世界』ができるまで
172010年08月『英国メイドにまつわる7つの話と展望』
182010年12月『英国メイドがいた時代』:絶版・電子書籍へ移行
192011年12月『誰かの始まりは、他の誰かの始まり ヴィクトリア朝の暮らし短編集・総集編』
202012年08月『メイドイメージの大国ニッポン 漫画・ラノベ編』:絶版(『日本のメイドカルチャー史』へ)
212013年08月『メイドイメージの大国ニッポン 新聞メディア編』:絶版(『日本のメイドカルチャー史』へ)
222014年08月『メイド表現の語り手たち 「私」の好きなメイドさん
232014年12月『屋根裏の少女たち』
242015年08月『メイドイメージの大国ニッポン世界名作劇場・少女漫画から宮崎駿作品まで』(『日本のメイドカルチャー史』へ)
252016年08月『ある英国メイドの職場遍歴』電子書籍へ移行
262017年12月『名探偵ポワロ』が出会った「働く人たち」ガイド 上巻
272018年12月『名探偵ポワロ』が出会った「働く人たち」ガイド 下巻
282019年12月『第二次大戦下の英国カントリーハウス 準備号』


というところで、通算刊行数は28冊です。


振り返り

同人活動

・当初はコミケに落選。最初の参加は友人のサークルへの委託で、2001年12月冬コミから。
コミケへのサークル初参加は2002年12月。
・19年連続でコミケに参加し、参加する際は必ず新刊を持っていっている。
・2010年以降は仕事が忙しく、出版もあったので、年1回だけのコミケ参加の年が増えていく。
・短いページ数の冊子を出したのは3回。
・フルカラー同人誌は2回。
・500ページ超は『英国メイドの世界』で1回。

商業出版

商業出版はこれまでに4冊行なっています。

基本的には同人誌をベースにしていますが、大幅な改訂・新規書き下ろしが常に行われています。『日本の執事イメージ史 物語の主役になった執事と執事喫茶』のみ、完全に新規の内容です。



2010年11月 『英国メイドの世界』(講談社)
2017年10月 『日本のメイドカルチャー史 上巻』(星海社)
2017年11月 『日本のメイドカルチャー史 下巻』(星海社)出版
2018年08月 『日本の執事イメージ史 物語の主役になった執事と執事喫茶』(星海社)

冬コミ97新刊 『第二次大戦下の英国カントリーハウス 準備号』

何気なく、通算28冊目の同人誌ということにて。



今回の同人誌『第二次大戦下の英国カントリーハウス 準備号』は、第二次世界大戦の6年間に英国の屋敷が国に接収され、様々な目的で利用されたことを解説します。軍の駐屯地・演習地にもなるのでその利用方法は戦況によって大きく左右され、たとえば米軍が来た場合には接収先が増えますし、また制空権を握ってドイツへの空爆に転じた際には空爆に適したエリアが接収されて空軍基地となる、という流れもあります。



そして、この利用の結果、修復不能なダメージを受ける屋敷が数多く生まれました。



本来的には屋敷の話だけではなく、そこに住んでいた主人や家事使用人の話も盛り込みたかったのですが、準備時間が不足していたので相当に割愛した「準備号」となりました。完成版・続きは来年のコミケですかね?


仕様

タイトル:『第二次大戦下の英国カントリーハウス 準備号』

値段  :100円

サイズ :A5判

ページ数:16ページ(オフセット印刷

頒布開始:2019/12/30(月) 西P40b



※言及した英国内のカントリーハウスの場所を、Google Mapでリスト化・共有しましたのでご参照ください。



goo.gl



前書きに詳しく書いたので、以下引用します。


まえがき

 私は、広大な領地に囲まれている英国の屋敷「カントリーハウス」が大好きです。元々、英国家事使用人の世界に興味を持ったきっかけは、ドラマ『名探偵ポワロ』で見た英国のカントリーハウスでした。様々なドラマの撮影地として、あるいは物語のモデルとして登場する屋敷を学んでいくと、屋敷に興味を持つだけで多様な領域に関心が広がっていきます。
 英国にあるこれらの屋敷は、第二次大戦下のわずか6年間で大きなダメージを直接的・間接的に受けました。きっかけは「requisitioned」と呼ばれる「国による徴発・接収」でした。数多くの屋敷は、戦争に勝ち抜くため、様々な目的に利用されました。

■戦時下での利用「接収」と物語

 「接収」は、第二次大戦下を描く英国の物語に反映されています。私が屋敷に興味を持ってから読んだ写真集『図説 英国貴族の城館』(田中亮三、増田彰久河出書房新社)に登場する屋敷Castle Howardは、英国のドラマ『Brideshead Revisited』(1981年、イーヴリン・ウォー原作。2008年に『情愛と友情』という新作も登場)の撮影地となりました。
 第二次大戦下、新しい駐屯地に滞在することになった英軍将校チャールズ・ライダーは、兵舎が立ち並ぶ駐屯地を散歩する中で、そこに建つ屋敷に見覚えがあることに気づきます。その屋敷Bridesheadは、チャールズがオックスフォード大学在学中に出会った友人セバスチャン・フライト(侯爵家)の実家で、若き日に滞在した馴染みの場所だったのです。
 英国ドラマの中で最も「建物が接収された英国の日常」を描いたのは『刑事フォイル』(2002-2015年、アンソニーホロヴィッツ脚本)になるでしょう。第二次大戦下の英国で起こる犯罪を捜査する刑事の訪問先となる軍事拠点は、その多くが接収された場所でした。
 第4話「レーダー基地」では接収された屋敷が空軍兵舎として登場しました。第5話「50隻の軍艦」でも陸軍の情報部は屋敷にありました。接収そのものが主題となるのが第10話「癒えない傷」で、屋敷を病院として接収するシーンから始まりました。第13話「侵略」も米軍工兵隊が農地を飛行場にするためにやってきました。他にも多くの接収された屋敷が作品には登場します(後日、コラムをネット公開しますので、Twitterでチェックください)。

■第二次大戦の「接収」に至るまでの社会環境の変化

 「接収」は屋敷に物理的損害を与え、第二次大戦後の時代に屋敷へ住むことを困難にし、放棄するきっかけを作る出来事でした。
 とはいえ、全ての「放棄」が接収によって引き起こされたものではありません。屋敷に住み続ける暮らしが難しい時代がやってきており、財政的に維持できないことによる放棄も多くあったからです(同人誌『英国メイドがいた時代』参照)。
 20世紀に入り、屋敷所有者への課税は強化される一方でした(相続の累進課税化、所得税強化)。特に相続税累進課税は強力で、第一次大戦の頃に顕在化しました。従軍した若い後継者が死ぬと年老いた当主が相続し、さらに数年後にその老いた後継者が亡くなり、短期間で相続が行われることで二度の税負担を受けることが起こりました。
 次に、家事使用人不足です。賃金が上がる傾向が続いた上、使用人のなり手不足が社会問題化しました。1)他の職種への就業機会の増加、2)労働環境が悪い・社会的地位が低いために就業への忌避などが強まったためです。屋敷の生活を維持するお金も人も不足しました。
 そして、『英国メイドがいた時代』で触れていなかったことが、この「接収」の影響です。屋敷を維持できなくなっている社会構造と同時進行で、「物理的に屋敷が傷つけられ、修復不可能な状況に追い込まれる事態」も起こっていたのです。
 本書では、その屋敷に起こった「6年間」とその後の出来事を中心に解説します。準備号なので、本格的なものは次の機会に書く予定です。

こんな感じです。

コミケ97(2019/12/ 30、3日目)西3-P40aで参加/新刊あり

2019/12/30(月)のコミケ97・3日目に、サークル参加する予定です。



コミックマーケット公式



サークルスペースは、西3ホールのP40aで、西3でのコミケ参加は初めてです。



新刊は『第二次大戦下の英国カントリーハウス 準備号』(A5/16ページ/オフセット印刷のペラ本/100円)です。



第二次大戦(1939-1945)の6年間に、英国のカントリーハウスが国による接収を受け、軍や学校用や情報機関、美術品の保管など、様々な用途で利用されたことと、そのことが引き起こしたダメージなどをまとめています。



「準備号」というところでお察しいただけていると思いますが、想定よりも時間がかかりすぎたために、今回は出来上がった分や書き上げられる範囲の情報になっています。



この本を読むと、第二次大戦下の日常で生じる犯罪を捜査するドラマ『刑事フォイル』の作品内で、英国の屋敷とこの「接収」が描かれているのかを知ることができます。



そういう意味では、既刊の同人誌『英国メイドがいた時代』と異なる角度で、屋敷を中心にした解説になります。



同人誌『英国メイドがいた時代』:1900-2000年ぐらいの英国におけるメイド雇用の衰退と貴族の財政基盤の崩壊など、社会環境の観点。

同人誌『『名探偵ポワロ』が出会った「働く人たち」ガイド 』:主にドラマが舞台とする1930年代(第一次大戦後)の情勢を反映。


コミケ97・頒布予定物

第二次大戦下の英国カントリーハウス 準備号』(接収された屋敷から見る第二次世界大戦100円
『名探偵ポワロ』が出会った「働く人たち」ガイド 下巻(ドラマに登場する執事、メイドに特化した解説本)1,500円
『名探偵ポワロ』が出会った「働く人たち」ガイド 上巻(ドラマに登場する執事、メイドに特化した解説本)1,000円
メイド表現の語り手たち 「私」の好きなメイドさん(メイド表現をする方達をゲストに迎え、メイドについて語っていただく企画)1,000円
『英国執事の流儀』(7人の英国執事のキャリアと、執事のマネジメント本)1,000円
『誰かの始まりは他の誰かの始まり』(メイド創作短編集の総集編)1,000円

コミケの徹夜組対応は、「時間差入場証の導入」で解消できるか?

コミケの徹夜組対応と、猛暑時の対応のための列解消をどう行うか?

コミケでは、同人誌や欲しい限定販売アイテムを購入するために、徹夜で並んで列を形成する「徹夜組」の存在が知られています。準備会は公式に徹夜は認めていませんが、数千人規模であるためにコントロールが難しいとも言われており、実質的に排除できず、先着順で入場する現在の運用体制で存在しています。

以下、公式が公開している徹夜・深夜来場禁止のメッセージです。

こうした徹夜組に加えて、一日に17〜20万人が来場するコミケでは、一度に入場できる人に限界があり、周辺に大規模な入場待機列が形成されます。2019年8月11日(日)にはこの列形成の運用でミスがあり、1) 熱中症で倒れる方達が出る、2) 後から並んだ人の方が先に入場するといった事態が生じ、コミケの準備会が経緯説明とお詫びを行いました。

これも、1) 今回の会場の構成が初めてであり(オリンピックの影響で東が使えなくなり、新環境で行う)、さらに2) 入場に必要な有償リストバンドの導入といった2つの新しいオペレーションが生じていたことも影響していると考えられます。

こうした中、徹夜組の問題と、大勢が外に並ぶ問題を解決する方策は長年検討されてきたものと思います。今回、この「有償のリストバンド」を進化させることで、待機列形成を減らせるのではないかというのが、今回のテキストの内容です。

※内部の運営の詳細情報を知らないので、あくまでも思考実験として捉えてください。

事例:美術館やイベントで行われる時間差入場の概念

英国やイタリアを旅行していた時の体験として、人気がある美術館や美術展では「観光客の総入場数」を制限するため、入場時間を決めたチケットを使ってネットで予約受付や、現地での販売を行なっています。入場者が快適に回れるように10〜30分単位で入場時間を決めて、予定数を超えれば、次の時間帯のチケットを買うことになります。

運用は、次のようなものになります。

1) チケット入手:ネットで予約または現地で直接購入
2) QRコード記載のチケットを受け取る(メールやアプリで配信・印刷も可能。または現地で紙で受け取る)
3) スマホタブレットなどに入れたアプリでQRコードを読み、入場チケットのチェックを行う。

ネットでは、これを支援する次のようなイベント管理ツールがあります。

peatix.com
www.eventbrite.com

私がこのようなサービスを活用した、QRコードでのイベント入場を体験したのは、英国で行われたOpen House Londonです。
openhouselondon.org.uk

普段は公開していない場所(政府施設や個人・法人管理の屋敷やクラブなど)を1年に2日間だけ一般公開するイベントで、そのうちの建物のいくつかは、上記のhttps://www.eventbrite.com/のサイトで予約受付を行いました。そこで日付・時間帯を指定して予約し、QRコードを受け取り、当日は受付の人が持つiPadスマホに出したQRコードを読み込んでもらい、入場しました。

リストバンドからQRコード・時間帯チケットへの切り替えは可能か?

コミケでもこの概念を導入できないかと、以下具体的に考えます。

そもそも、このような概念を導入する検討ができるようになったのも、「リストバンドによる有償化」が初めて実施されればこそ、です。これまでのコミケはカタログを買わなくても入場できました。しかし、今回からは1) コミケカタログ(紙)に付属、2)日付別でアニメイトメロンブックスなどショップで販売、3) 当日現地で準備会が販売するリストバンドが、入場に必要になりました。

www.comiket.co.jp

ただ、リストバンドの事前購入分が売り切れたり、現地でも列を作っての購入や売り切れが出るなど、実際の「リストバンド」であることで在庫管理が必要で的整数の流通にも課題があったと考えられます。

このリストバンドを、QRコード・時間帯チケットのデジタルデータ化(印刷化)に切り替えることで在庫問題を解消し、さらには徹夜組や列の総数を削減できるのではないか、と考えてみました。

※2019/08/14追記 ブクマでご指摘を受け、私の提案内容を「徹夜組に相当する1万人規模の先着入場パス」と、「リストバンドに相当するフリーでの入場パス」に切り替えます。最初の以下の提案を残し、ページ最下部に修正案を記載しました。

時間を決めたデジタル入場証について

1) 会場に入場できる数も上限があるので、時間単位での入場時間上限を定めて入場証を事前発行する。
2) 徹夜しても始発で行っても、その時間帯から入れる入場証がなければ、入れない。
3) 何時に入れるかがある程度まで保証されれば、列に並ぶ必要性は低く、暑さ・寒さ対策の余地も減る。

入場証の入手手段

1) 入場証予約は先着予約販売/抽選などの組み合わせで公平性を高める。ネット決済できない人向けに、個々の店舗用の販売枠も用意。
2) 設営協力者が買いやすい枠なども準備。
3) 高い入場料金枠(優先パス)も一部設定。寄付などに使う。
4) 10〜20%の当日フリー入場枠を設ける。時間帯ごとの空きが出た都度、入場。受付は8時からなど。

列形成

1) 入場時間毎の列を形成する。10:00入場(5000人)、10:15入場(5000人)など、それぞれの最大人数が並べる場を確保する。
2) 列形成の受付は入場の1〜2時間前などから受付開始し、先着順で実施。
3) スタッフがアプリでチェックし、またあわせて手荷物検査を事前に行う。QRチェックは自動ゲートでもできる?
4) 混雑度合いで時間帯枠も細分化する。1) 混雑枠(企業や壁外周)、2) 島(壁にも行けるけど)など。
5) 上記のフリー枠は今まで通りの運用にして、先着順で時間帯入場者を優先しつつ、一定感覚で入場してもらうかは要検討。
6) 自分が持つ入場時間帯に遅刻した人は、フリー枠に並ぶ。時間帯あたりの入場者数を明示しておく。

徹夜して早く入場したい人は早期の入場証争奪戦を行い、負ければ当日枠の確保を狙う。これで当日の総量は減ると考えられます。

混雑が嫌で12時入場できれば良い、13時入場でも良いという方も、上記運用がうまくいけば、入場時間を見越して入れます。

要検討事項

1) コミケ会場への収容能力は想定通りに行くのか?

・現実的に、時間帯別に列形成を行なって会場へスムーズに入場させることは可能なのか?
・チケットチェックや手荷物検査で、余計にスタッフのリソースがかかるのでは?
・フリー枠を用意しているが、必要なのか? 徹夜組を生むのでは?

2) 導入コストは?

・現在例に挙げたサービスは、コミケなどよりも圧倒的に少人数のイベント運用を想定。可能か?
・この規模の在庫管理大変ではないのか?
・店舗発行を行う端末の確保はどう行うのか? 費用は?

まとめ

今のところ、「徹夜組をどう規制するか」に議論が向かっているように思いますが、前提条件を変えることで解決策を広げられないかというのが、今回のテキストの趣旨です。並ぶこともイベントの醍醐味ですが、流石にこの暑さで行列に並ぶのは危険であり、ならば行列を作らない運用を可能とするにはどうすれば良いのか、というところで上記のように考えました。

あと、会場が増えることでスタッフの絶対数が不足しており、会場外担当部署の積極募集が行われています。
www.comiket.co.jp


特に来てほしい部署!
なお、2019年からは、2020年の東京オリンピックパラリンピック開催に伴い、ビッグサイトの東展示棟が使用できないことや、新しくできる青海展示棟・南展示棟を使用する等、会場利用方法が大きく変わります。このため、引き続きコミックマーケット97でも、特に会場外を担当する部署では積極的にスタッフを募集しております。詳しくは下記の応募方法よりお問い合わせください。

今回の提案の根幹には、店員不足でスーパーやコンビニで導入が進む「セルフレジ」と似たものもあります。出来るだけ当日の列形成を少なくして、少ないスタッフで回せるようにする方法としても、検討の余地があると思います。

そもそも「時間帯別チケットの発行」という考え方自体がコミケの理念と乖離する運用方法かもしれませんし、現実的なのかとの話もあります。1時間ぐらいでひとりで考えたことなので、その辺りはご容赦を。

様々な具体的なアイデアが出てくることを願っています。

追記:10-11時の先着入場を保証するファストパス方式はどうか?

ブクマでご指摘をいただき、ありがとうございます。

コミケの徹夜組対応は、「時間差入場証の導入」で解消できるか? - ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

無理。入場者数の桁が違いすぎる(というか、この程度で対策できるなら既に実施している。ワンフェスでは導入されてた気がするし)

2019/08/13 21:12
b.hatena.ne.jp
コミケの徹夜組対応は、「時間差入場証の導入」で解消できるか? - ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

コミケに並ぶ目的は「サークルの頒布物」でそれは時間帯が早ければ早いほど手に入れやすいので、早い時間帯にプレミアついてダフ屋か転売家が横行しそうな気がする。あと15分5000人では全然足りないよなあ

2019/08/13 21:34
b.hatena.ne.jp]

要点と、それを踏まえての考え方を変えてみます。

1. 規模が違いすぎる

→その通りですね。自分でも10万単位の人を、10-15分刻みの入場管理でできるように思えなくなりました。

なので、「徹夜組の規模」に対応だけした「10-11時に入場が見込める先着入場枠(1万人ぐらいの規模)」だけを切り離すことを再提案します。徹夜しても、この先着入場枠より先に入れません。

1) 1万人分のチケットの発行(1万人はあくまでも例です)
2) 1万人の中で先着争いの徹夜が生じないよう、50〜100ブロックに分けて発番。5001-5100の人は、そのブロック内にしか並べない。100人の中での先着順はたかが知れているので、その中で早い番号になる誘引は低い。

2. というか、この程度で対策できるなら既に実施している。

→有償化・リストバンドの導入という「チケット発券」に属するものが今回のコミケから導入されたから発案できるものだと思います。

3. ワンフェスでは導入されてた気がするし

→ご指摘ありがとうございます。確認しました。上記に書き直した修正案と重なりますね。これの規模を変えて、導入すれば良いのではないかと思います。以下部分引用します。ワンフェスで導入し、コミケで導入していなかったのは、前述したように「入場者に課金するかどうか」の考え方の差だと思います。

ワンダーフェスティバル|Wonder Festival


【ダイレクトパスとは】ダイレクトパスは、開催日の8:00〜8:30のあいだに会場にお越しいただければ優先的に館内に入場することができる「特別整理券」です。

【価格】3,000円(税込)+システム使用料216円+発券手数料108円※入場には、別途入場チケット兼公式ガイドブック(2,500円)の購入が必要です

【開催当日の入場方法】
ダイレクトパスには「企業/一般」のチケット区分ごとに始番0001番より整理番号がランダムに印刷されています。開催当日、パスに印字された地図の場所に、8:00〜8:30のあいだに到着するようにお越しください

【ダイレクトパスのご購入をご検討の方へ】
ダイレクトパスは、整理列入場時に本人確認書類をご提示いただきます。対象となる本人確認書類は以下のものとさせていただきます。

4. コミケに並ぶ目的は「サークルの頒布物」でそれは時間帯が早ければ早いほど手に入れやすいので、早い時間帯にプレミアついてダフ屋か転売家が横行しそうな気がする。

→早い時間帯を、「徹夜組の管理リソースに使うのか」「転売込みで、購入者に寄せるのか」の考え方と思います。いずれにせよフリーライドする徹夜組にコストを支払わせることを目的としています。

ただご指摘のように、それ以外の時間でも転売が生じることは否めないと思いますので、「10-11時または1万人の先着入場のチケット予約」と、「フリー入場(今まで通りのリストバンド)」の運用に分けても良いと思います。

転売対応は、ご指摘いただいたワンフェスのダイレクトパス方式で使っている基準の個人確認で良いと思います。1万人分できるのか、については、徹夜対応されているスタッフの声も見聞きしますので、徹夜対応リソースをそこに回す考え方になります。「スタッフを徹夜させないことを優先し、それ以外のことは優先度を下げる」と。


5. あと15分5000人では全然足りないよなあ

→こちらはすみません、正確な数字は知らないので、適当に書いています。

待機列を減らすには、1) 並ぶ人を減らすか、2) 入場処理能力を上げる(入り口を増やしていく、既に中にいるサークルチケットでの会場前行列を減らす、手荷物検査時間を減らす 、チケット確認などの時間を減らす)になると思います。

メモ

全時間帯にダイレクトパスに相当するのがあっても良いかもですね。

十万人以上を時間帯でコントロールするのは難しいので、数千人や全体の一部に「お金を追加して払うと快適な環境が得られる」枠を用意する、という考え方です。

過去に、ヴェネツィアサン・マルコ寺院を訪問した際、事前に追加料金を払って早期入場券を買っておくと、現地で並んでいる人と別の入り口から並ばずに入れました。バチカンの美術館でも、予約しておくとほぼ並ばずに入れました。
www.venetoinside.com

お金を取るのかというところがありつつ、スタッフを含めて全体が快適になるところへ再投資されれば、特に文句もありません。

以上、また何か補足があれば追記していきます。ご指摘、ありがとうございました。

さらに補足「前提が違いすぎるし、先行議論を踏まえてない」

あさくらさんから、Twitter上でご指摘を受けました。



先行議論をきちんと見ていなかったことはその通りです。また挙げていただいた前提情報も大きく異なるため、私の書き込みはここまでとします。きちんと情報を集めて議論に加わることは、自分にとっては優先度が高くないためです。不勉強な領域での議論に参加するのはよろしくないと、自戒の意味で、メモしておきます。