ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

2005-03-19から1日間の記事一覧

『エマ ヴィクトリアンガイド』

注:この文章は2003/11/26の日記を再編集したものです。 『エマ』3巻と、『ヴィクトリアン・ガイド』を読みました。ガイドはコミックスと同じ大きさだったので、少し意外でしたが、書店売りのスペースを考えると、妥当ですね。 一部の構成は、以前日記で予…

ドキュメンタリー『MANOR HOUSE』

久我がメイドジャンルに存在したことに意味があるならば、この『MANOR HOUSE』を紹介したことで、その役割を全うしたと言えるかも知れません。 空前絶後、これ以上に面白い映像資料が存在するのかと言えるほど、メイドや屋敷に関心を持つ人ならば、随喜の涙…

英書『NOT IN FRONT OF SERVANTS』(ASIN:0853402876)

『RISE AND FALL OF THE VICROAIN SERVANT』という名著がありますが、その双璧として位置づけられるのが、同書です。珍しいことに、この手の本としては参考資料が少ないです。逆にこの本を参考にした本は数多いです。それだけ、この本にしかない情報を数多く…

音楽『メサイア』(ASIN:B00005FL2C)

隠しネタ、多分本邦初です。 音楽にはそれほど詳しくありませんが、イギリスの有名な音楽家の一人といえば、ヘンデルがいます。ヘンデルその人は1759年に逝去しており、ヴィクトリア朝には関係ありませんが、彼が作曲した『メサイア』に、メイドさんにまつわ…

絵画『ヴィクトリア朝万華鏡』

折角ヴィクトリア朝の生活に関心を持ったのですから、当時の人たちがどんな絵を見ていたのか、どんな画家たちがいたのかを学ぶことで、趣味は広がります。絵画にそれほど興味の無かった久我ですが、この本で当時の絵画、描かれた人々に深い関心を抱きました…

映画『ゴスフォード・パーク』

1930年代のイギリス貴族の屋敷で生じた殺人事件を物語の中心としていますが、本質は人物描写にあります。屋敷の主人である『階段の上』と、彼らに仕える『階段の下』を巧みに描いた、異色作です。 華やかでいわくありげな上流階級の人々が主役になりがちです…

英文学『我が子ゆえに』 トマス・ハーディ

イギリスの大作家トマス・ハーディの小説として有名なのは、『エマ ヴィクトリアンガイド』でも取り上げられている『テス』ですが、至高のメイドさん小説ならば、この『我が子ゆえに』(原題:The Son's Veto)を推薦します。 主人公はメイドのソフィ。彼女…

『アガサ・クリスティ自伝』

アガサ・クリスティは世界的な大作家として知られていますが、彼女がヴィクトリア朝末期の時代に生まれ、その雰囲気を味わっていることは日本ではあまり有名ではありません。 『名探偵ポワロ』や『ミス・マープル』には数多く、メイドさんや執事といった使用…

小説『荊の城』

2004年に『このミステリーがすごい!』「海外作家」で1位を受賞した作品です。筆者のサラ・ウォーターズは前作『半身』でも、2003年の同賞1位を受賞しました。今、日本で最も注目を集める作家のひとりです。 『半身』も『荊の城』も、ヴィクトリア朝を舞台…

コミックス『アンダーザローズ』

『エマ』はヴィクトリア朝のメイドと上流階級の子弟を主役としましたが、こちらは広壮な邸宅カントリーハウスを舞台とした、貴族と愛人、その子供たちの愛憎渦巻く世界を描いた力作です。 公爵令嬢を母に持つ少年ライナス。彼女の母は伯爵家の女家庭教師とな…

コミックス『エマ』

言わずと知れた、正統派メイドさんコミックスです。舞台は19世紀イギリス、ヴィクトリア朝。産業革命により飛躍的な経済発展を遂げた時代を背景に、当時の暮らしを丁寧に描いた作品です。 主人公エマは引退したガヴァネス(女家庭教師)ケリーの家で、メイド…

英国メイドさんガイドブック・ガイド(『エマ』アニメ化記念)

『エマ』アニメ化を記念して、イギリスに実在したメイドさんや、彼女たちのいた生活を愉しみたい方に向けて、簡単なガイドブックのガイドを作りました。 メイドさんを通じてその向こう側にある、ひとつの生活風景を愉しんでいただけたら、と思います。 コミ…

英国メイドさんガイドブック・ガイド

『コミケットスペシャル4』に向けてコピー本でも作ろうと思ったのですが、編集やクオリティを上げる努力をする時間が無いので(今日も明日も仕事……)、ネットで公開しておきます。コピー冊子用に作っていたので、一部、日記や既存コンテンツと重複する箇所…