ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

表現者向け支援プラットフォーム元年となるか?

表現を行うには時間が必要で、限られた「プロ」以外は、その表現に従事するだけでは生活できません。表現の代価を得るには作品をアウトプットし、「販売」することが最も近道ですが、最近は「活動そのもの」を支援するためのプラットフォームとして、多くのファンと繋がっていくサービス提供の動きがみられています。



[jp] 日本の「ソーシャル資金調達」レース開始ーーGrow!、READY FOR?、CAMPFIREの3社がデモ(2011/02/11)と記事になっていますが、READY FOR?とCAMPFIREがある種の「プロジェクト」(これをするから、パトロンになって欲しい)というものであるのに対して、Grow!はボタンを押して気軽にクリエーターを支援できる“ソーシャル・パトロン・プラットフォーム”の『Grow!』がサービス開始との記事にあるように、「作者その人」へポイントを送る方式です。



個人的に前者は賛同が得られやすく、成果も見えやすい点でかなり大きな金額が動かせるような感じがします。『READY FOR?』に至っては一定の成果物を「支援者が買う」形になっており、ここで商品だけではなく、賛同者にどのような想いを返すかでの工夫が問われています。



一方、『Grow!』は投げ銭はてなポイントや、pixivに有料会員制度 ポイント貯めて“投げ銭”可能にというところに似ている印象で、プラットフォームを問わない点や繋がりを可視化する点で、既存のサービスと異なるのかもしれません。



しかし、個人的にはこの「少額決済」「プロジェクト単位」は長期的に表現者を支援する安定性があるように思えません。過去とはソーシャルメディアを巡る環境の相違や利用者の変化もあるかもしれませんが、電子書籍を単品で売るのとあまり変わらない感じがします。



この点、個人的には有料メールマガジンといった定期購読による座布団型のプラットフォーム、いわば「ファンクラブ」的な方式が登場して欲しいと思います。この形態を突き詰めたのが月額1万円を支払うオタキングexですが、一瞬の繋がりよりも、継続的な繋がりが生まれていく方が、安定していくのではないかと思う次第です。



プロジェクト単位を継続的に続ければ同じことかもしれませんが、あるいは私の発想が違っていて、「創作に専念したいわけではなく、ただこのプロジェクトを世に送り出したい」との機会が増えること自体の価値が大きいのかもしれません。



たとえば、私が「メイドに関する資料を収集し、会員に閲覧可能とする図書館を作りたい」として家賃代や管理費、そして私の研究成果をウェブで公開していくのを前提に1000万円を仮に募集したとして、というような発想は今まではやりにくかったと思います。



何よりも、こうしたプラットフォームができると、「まず、プラットフォームを訪問し、支援するプロジェクトを探す」という人々が生まれ、本来出会えなかった人々と結びつく可能性が出てきます。



いずれにせよ、「自分が支持する誰かを、応援する」システムが今後も多様性を増していくことを願いますし、逆にプロジェクトを行う誰かを「募集する」というようなことも実現していくと面白そうです。そのコンテンツを束ねて、メディアも生まれそうですから。


『348人の女工さんに仕事の話を聞いてみました』が描き出す「個人の言葉」と英国メイドとの共通性

ふらっとTwitterを見ていたら、嘘を嘘と見抜く方法というエントリがあり、興味があって読んでみたところ、そのブログ主の方が出版する本に興味を持ち、予約しました。本の売り方自体も非常に面白く実験的で、今後も注目します。(売り方の説明は難しいので、是非、ブログを)



348人の女工さんに仕事の話を聞いてみました

348人の女工さんに仕事の話を聞いてみました




女工の生の言葉から「実際の姿」を知る

本は大正時代の「女工」(女性の工場労働者)への聞き取り調査を刊行するもので、AMAZONで予約が始まっています。女工というと「女工哀史」の言葉が強くありますが、こちらの本では警察による聞き取り調査で、女工の人たちの「哀史」という一言では伝えきれない、「生の声」を伝えるものです。一部の専門研究者や詳しい人には届いている情報かもしれませんが、このような形で光が当たるのは興味深いことです。




1.100年以上発掘されなかった題材です

2.女工さんの素直な意見が楽しめます

3.現在の社会通念がいかに曖昧か理解できます



おまけとして配布する電子書籍は、栃木と福井の警察が、大正10年前後に女工さんへ実施したインタビューをまとめたものです。



女工さんは明るく素直、おしゃれもお金も大好きです。

女工さんたちの発言を、ぜひともお楽しみください。



公式サイトより引用


Amazon.co.jp で日本語電子書籍をおまけとして配布しますというページの半ばあたりに、内容紹介がありますし、今時点では連続して内容の紹介が出ています。まだ本そのものを読んでいないので何とも言えませんが、この光の当て方は私が共感しえるものです。


強いイメージへのカウンターとしての照らし方

女工の労働条件にも千差万別ありました。『大正期の職業婦人』では当時の雑誌『主婦之友』『婦人之友』の職業紹介の中で、「製糸・紡績・織物」の女工を取り上げていません(女中もこの雑誌では取り上げられていません)。女工が省かれた理由を、「近代的職業の条件」が欠如しているからだと、同書の著者・村上信彦氏は指摘します。




少くとも働く者がその職業を近代的職業と認めるためには必要な条件は三つある。その一つは、当事者が自己の意志でその職業についているということである。第二は、自由意志をもち、転業も廃業も自由であることである。第三は、公私の別がはっきりしていること。即ち勤めている時間は束縛されているが、それ以外の時間は私生活を享楽できること。
(中略)
ところが、このわかりきった常識が、日本の最大企業であり最も多くの辞書労働者を雇傭する製糸・紡績・織物の世界では通用しない。このことは意外と見落とされやすく、今日まであまり問題にされたことがないが、はたして近代的職業に該当するか否かを考える場合には決定的に重要な意味をもっているのである。

『大正期の職業婦人』(1983年・ドメス出版・村上信彦)P.43より引用



大正期の職業婦人 (1983年)

大正期の職業婦人 (1983年)





こうした3つの条件を崩すのが、「前借金」という制度でした。この制度では親と会社が雇用契約を交わし、その時に得られる一時金は親のものとなりました。さらに地方から工場のある地域の宿舎での居住を余儀なくされ(低賃金で自活もできない)、年季奉公のように「転職を許さない」拘束力を持ちました。逃亡にも罰則が与えられました。寮生活故に、個人の自由な時間も限定され、少なくとも公私の区別は存在しません。



このようなシステムは、工場の24時間稼働の労働力を必要とした際に進展した(明治16年に設立された大阪紡績会社の深夜業)と、同書では指摘しています。深夜業は好まれない仕事で、通勤の女工ならば逃げ道(出社拒否・安全な自宅)がありました。そこで逃げ道がないように遠方から連れてきて、寮に隔離して作業に従事させた、というのが「女工哀史」の歴史の始まりだと。(『大正期の職業婦人』(1983年・ドメス出版・村上信彦P.50-51を典拠)



こうした点で「職業婦人としての資格を奪われている」と、同書では『大正期の職業婦人』にて女工を扱っていません。



これが、今回の本の前提となる「女工哀史」で描かれる世界の一端ですが、「こうしたイメージだけがすべてではない」「労働条件が良い職場や雇用契約の異なる場所も存在し、転職を行う女工もいた」と、今回紹介している書籍では聞き取り調査の実情から描き出している、と理解しています。



強すぎる全体のイメージ(『女工哀史』)に対して、「それがすべてではない」と多様性を示すのは大事なことだと私は思います。


イギリスの「メイド」との共通項

国も職種も異なりますが、私もメイドを研究する立場として、当時の「普通の人々」の生の声を重視しています。イギリスの家事使用人の場合は、時代ごとに関心の持ち方が変わっているようですが、ある程度、メイドや執事、コックといった人々の自伝が刊行されています。今回、女工に行ったようなメイドへの聞き取り調査もイギリスでは行われています。行った背景は「使用人問題」(職の不人気による供給不足)解決のためで、第一次世界大戦中に政府が行った資料も残っています。



これら「生の声」に接すると、違った世界が見えてくるのは確かです。もちろん、メイドの場合は労働条件が本当に悪かったり、仲間と働く環境にないメイドが多数いたりと、政府による聞き取りでは明るい材料が多いわけではありませんが(「友人にこの仕事を勧めるか」との問いかけに、「労働条件が改善されるまでNO」が多い)、誇りを持って働いた人や、日々を仲間と楽しく過ごした人々も一定数いました。



私も働く人のエピソードを聞くのは好きですし、今回の本を読むのを楽しみにしています。



ところで、同じ日本の女性労働者として女工に次ぐ労働人口を占めたのは、「女中」です。数十万人レベルでいたのをご存知でしょうか? この当時、労働環境の悪化(商工業施設などと比べて)から待遇改善を求める流れが生じましたが、これも同時期のイギリスと比較すると面白いです。一応、上記「近代的職業の三条件」を、大正時代の女中はある程度、満たしていましたので、『大正期の職業婦人』にて解説もされています。



日本の女中事情は下記の本が最もよくまとまって参考になります。



“女中”イメージの家庭文化史

“女中”イメージの家庭文化史




余談:英語圏での個人史への関心は極めて高い

こういう「市井の人々」に光が当たるのは、トレンドにも感じます。英語圏では今「家族史」がブームになっていて、「先祖としての家事使用人」にまつわるデータも増えています。「メイド」が最も多い職業だった時代があるからです。メイドを扱った英国の小説『リヴァトン館』にも、そうしたトーンが感じられます。



具体的な盛り上がりの例では、メイドではないですが、同じ家事使用人の中で、私が好きなAstor子爵家で子爵付きの従者(ヴァレット)を勤めたArthur Bushellで検索をすると、Descendants of Michael Hogbenと題した、一族の系譜を扱う中に、彼の名前を見つけることができます。




ARTHUR BUSHELL, b. 1894.

Notes for ARTHUR BUSHELL:



Arthur was for some time in the Service of the Astor family of Buckinghamshire. He rose to be the personal Valet of Lord Waldorf Astor, and from time to time served as an Under Butler to Mr Edwin Lee whowas probably the foremost Butler of his day.

(中略)

More About ARTHUR BUSHELL:

Christening: 2 September 1894, Minster in Thanet Parish Church

Occupation: Butler/Valet to Lord Astor



Descendants of Michael Hogbenより引用


データはAncestry.co.ukでも見つけられます。最近では英国図書館(BL)等が家族史関係資料500万ページをデジタル化へと、政府の資料公開も後押ししています。面白いところでは、海外渡航者リストでしょうか。Arthurの仕えたAstor家の女主人Nancy Astorで検索すると、確かにアメリカ行きの船の乗船者名に登場します。



アクセスできるデータの増大で、これからの研究者は大変だなぁと感じますし、「いるはずのない人が、搭乗していたら?」といった想像力をよりかき立てられるなぁと。


終わりに

『348人の女工さんに仕事の話を聞いてみました』にはいろいろと刺激を受けましたし、私が書いた『英国メイドの世界』の方向性が時代に沿っているようにも感じられ、勇気づけられました。「本の魅力の伝え方・個人出版での売り方」でも参考になりました。これまでのウェブでの活動や面白いテキストを含めて、筆者の方の強い個性が非常に大きく、私に真似できる部分は少ないのですが、それでも学べるところはあります。



特に、この本の内容を最も読みたいであろう一人の私がこの時期まで気づかず、なおかつ、「全く違う興味の持ち方」でようやく知るに至った例は、情報の伝え方や伝わり方を知る上でも示唆に富んでいます。



私事ですが、今でも「私の同人誌を知っていつつも、私の本が出版されているのを知らない方がいる」のを知ることがあり、情報を出し続けること、そして手を変え、品を変えて、「相手に合った伝え方・興味を持ってもらう情報の描き方」が大切なのだと思います。



私個人では「何度も書いている・伝えている」つもりですが、常に同じ人が見ているわけではありません。メイドに興味を持っていながらもこれまで縁がなく、このエントリで初めて『英国メイドの世界』を知る方もいるでしょう。



ということもあって、このようなエントリを書きましたし、ついでに、学んだことを受けつつ、親和性の高い「意外性」を伝える面を増やす意味で、下記テキストも書きました。興味がある方は是非。



英国の「メイド」は待遇を改善する転職をするし、キャリアアップも行う(2011/03/08)



過去、こういう伝え方も試みていますが、硬すぎますね……。



英国貴族の屋敷の分業・専門化した業務フローを可視化する、という伝え方(2010/11/19)



なかなか軽妙洒脱にはいかないものです。


Jコミを自分なりに整理してみる

昨年から電子書籍について考察をしてきました。私は同人をメインの場としており、どちらかというと「今のプロ作家が、電子書籍の時代にどう対応するか」というより、「アマチュア個人が表現の機会と代価を得ることで、より創作に時間を割ける環境をつくること」に興味があります。



とはいえ、出版社と作家の関わり方には関心があり、出版から完全に電子書籍に切り替わった場合に最も大きく変わる要素、「著者はいつ、対価を受け取れるか」という点の解消を行うビジネスモデルがいつ出るのか、注目していました。


電子出版だけになると著者は出版の代価をいつ受け取れるのか?

昨年出版した私の本の場合、「印刷した部数」から印税を受け取り(契約書に基づく期間内で支払われます)、仮に印刷部数の10%しか売れなかったとしても、私の取り分は保証されています。(契約形態によって成果報酬となったり、入金タイミングも出版社との契約内容によりますが、正確な比率は分かりません)



電子書籍の場合、刷り部数が存在しません。絶版が無くならないとしても、「売上部数」に報酬が比例する場合、作家が最初に受け取る報酬は保証されません。毎月一定数売ることができる作家ならば、増刷のタイムラグも絶版もないので支払間隔も短くなってメリットが生じるでしょうが、最初にまとまった金額が受け取れない形態は、作家にとって不安定化を意味します。



(出版社を介さないで)事前に一定の金額を得る形のビジネスモデルは、私が見る限り、すべてのクリエイターへ贈る、ファン獲得と創作活動支援のための、マイクロ・パトロン・プラットフォーム "CAMPFIRE"の「ファンによる支援」か、作家自らがファンと繋がって活動資金を得る枠組みを作り上げている岡田斗司夫さんのオタキングexを知っているぐらいです。


Jコミの可能性

去年11月ぐらいからアクションが見え、最近話題が盛り上がっているJコミについて書こうと思っていましたが、自分のことで手いっぱいで今更になりました。



Jコミはクリック数を保証した広告掲載を行うことで、先にある程度の金額を確保して、「事前に代価を得る」ポイントをクリアしています。現在、先に原稿料や印税を支払えるのは出版社やメディアなどで限られていますが、そうした企業では社員や設備コストを負担する分、必ずしもコンテンツ製作者が大きな代価を得られるわけではない構造があります。



Jコミのモデルは、この社員や設備コストといった要素、さらには今時点では絶版書籍に絞ることによって「編集者」の存在も不要としてコストを抑え、コンテンツを提供した作家になるべく多くを配分する構造だと考えます。



今時点でインフラ周りの費用負担はJコミのTOPに出ている広告枠の収益に依存するとのことで、収益で賄い切れない場合は、Jコミ社長の赤松健さんの負担となりますが、自分が好きなことを出来る環境、プロデュースの機会を得る部分と、事業としての継続性はどうなのか、というところが今後見えてくる部分なのかと思います。



私の結論としては、赤松健さんの「作品に光が当たり、著者が活動を続ける機会を生み出していくプラットフォーム作り」という着想が大好きなので、応援しています。ある種、出版社・雑誌の創刊、というところに似たスポンサー集め、ビジネス作りですので。



今回、勉強を兼ねて、Jコミを自分なりに整理してみます。



※注:Jコミへの言及は時期的に出遅れているので、他の方がブログで既に指摘されている点とかなり重複があります。なので、これまで積極的にチェックされている方は、読む必要がないかもしれません。「自分が理解する」ために整理している点(書きながら調べて、調べることで考察する)、ご了承ください。


外部から見たお金の流れ=Jコミとウェブメディアの類似

Jコミは絶版書籍を電子書籍化するモデルです。お金の流れはコンテンツ無料のネットメディアに類似して、広告掲載(純広・PDFに掲載)、広告ネットワーク(Google連動広告)、そしてアフィリエイトAMAZON)の3つを軸にしています。ネットメディアとの違いは、コンテンツがニュースなのか漫画なのか、という点です。



他に収益モデルがあるとすれば会員課金(ニコニコ動画)、コンテンツ販売(AMAZONなどECサイト、携帯電話コンテンツ販売)、プラットフォーム提供(楽天市場AMAZONapple)、ウェブ以外に換金手段を持つメディア(新聞購読者、雑誌など)、ニュース配信提供などが挙げられます。(今回は携帯電話での電子書籍を扱いませんが、電子書籍の(なかなか)明けない夜明け第1回 携帯電話で成長できた日本の電子書籍市場などを参照)


広告営業

一番大きいのは、「会社化する窓口」が出来ることで、「企業からの純広告を受注できる」点だと思います。企業の純広告は金額が大きいものの、作家個人が直接受注するのは、難しいことです。ネットメディアでも純広告を売るには営業や運用者が必要となり、コストがかかっています。



Jコミは「大きな金額の広告を受注できる」窓口として機能します。



そして、Jコミでは最も換金効率がいい広告掲載を、広告代理店を利用して行い、コストを下げています。広告掲載基準のチェックや入稿管理なども任せているとすれば、Jコミで必要な人件費はより抑えられます。PDF掲載の場合は一度きりですし、ウェブの枠では入稿者が設定を変えられるとのことで、自分たちの負担はありません。



ネットメディアのいくつかは、基本的に営業社員が不在で、手間もかからない広告ネットワークの配信に依存し(GoogleやOvertureなど)、ページビューを上げる=収益化という構造をしています。その点でJコミもページビューを上げていくことが、収益向上に繋がるとは思いますが、現時点ではTOPだけの配信なので、この部分が機能しているかは分かりません。


インフラコスト

巨大なファイルを扱う点で、ネットメディアよりもコンテンツによるトラフィック増大があり、Webサービスの利用コストが増します。動的に対応して一過性のトラフィック集中もさばける低コストなWebサーバーサービス(AWSなど)に出すことで対応は行えても、コストはかかります。



Jコミがはじまる前から成功している理由にコストの推計値が出ているのを見ると、120万ダウンロードで30万円という試算で、この金額は、それほど高額ではないようです。


人件費はある程度かかっている様子

人件費的なものは、次のインタビューに出ています。




── Jコミには、何名の方が携わっておられるんでしょうか。

赤松 実際にプログラムを作ってる会社とWebデザインの会社を除くと、わたしを入れて5人です。Google グループでディスカッションして、サーバもAmazon EC2ですし、全部クラウドで。部屋とかサーバとか、いわゆる設備はまったく持っていません。いかにも現代的ですよね。社員の中に1人だけ、一度も会ったことがない人がいます(笑)。

Jコミで扉を開けた男“漫画屋”赤松健――その現在、過去、未来(前編)より引用



アウトソーシングをしつつ、フルタイムで5人、というわけではないと思いますが、インフラ以外にも一定のコストがかかっているようです。



また、Jコミの衝撃と期待と課題や、「Jコミ」について(勝手に)語ってみよう。にあるように、権利者交渉(コンテンツを増やす意味での営業)や校正のコストなどをどう解決していくのか、気になります。


余談

上記エントリのasakura-tさんとGiGirさんをJコミ周りではチェックしていると、分かりやすく状況を把握できると思います。恥ずかしながら、エントリを書いてから「あ、他の方が書いているかも」とチェックして、気づきました。



■asakura-tさん
「Jコミ」の成功条件(2010/12/11)

そろそろJコミについて語っておくか(2011/01/10)



■GiGirさん
Jコミは零細漫画家を救うか(2010/11/30)

Jコミβ2についてあれこれ(2011/01/26)


他のウェブ漫画無償モデルとの比較

ネットに無償の漫画や小説を置くモデルは、ガンガンONLINEスクウェア・エニックス)や最前線(星海社)などがあります。これらメディアは雑誌の役割をウェブに置き換えつつ、今時点のメイン収益は紙コンテンツ(漫画・文庫)です。若干、アフィリエイトがありますが、他企業の広告は入れていません。収益の根幹は、既存の流通経路での「コンテンツ販売」です。(星海社はイベントも収益の柱の一つに。朗読→ライブ→映像の商品化など)



ページビューが上がることは望ましく、コンテンツと読者の接点を作る上でも利用者増加は好ましいことですが、極端に上がりすぎるとトラフィックの分でコストが増加しますし、すぐに換金に繋がるわけではありません。



一方、Jコミの場合、掲載コンテンツは既存の流通経路での販売が行われない絶版を軸にしています。絶版書籍の場合、中古で入手したとしても、著者にお金が入る形はまずなく、違法コンテンツとしてアップされてしまうこともあります。電子書籍化してダウンロードコンテンツとして販売する道もありますが、電子書籍を「売る」方法は、新刊や著名な作家でも現時点で難しい印象があり、配信プラットフォーム利用料もかかるので、作家の取り分は減ります。



PR・宣伝できる人であれば、同人コンテンツメインのDLSiteや、パブーで、ある程度、利益を得られるでしょう。著者取り分が70%なので、10%の印税に比べれば1/7の部数で済みます。しかし、会員登録による決済や入稿の煩雑さ(パブーの場合、私の見た範囲ではページごと入稿であまりにも面倒くさい。DLSiteはPDF入稿可能も、コピー防止的な処置をするとユーザーの使い勝手が下がる)、そして違法コピーの発生についての解決策になりません。


著者が公開時に利益を得る大きな意義

Jコミは絶版書籍をコンテンツとして換金化し、著者にお金を流すフローを作り上げ、また無償化することで違法コンテンツを選ばずとも、閲覧する道を築き上げていったといえます。



特筆すべきは、冒頭で取り上げたように、PDFへの広告掲載モデルを持つことで、公開時に著者が報酬を得られる点です。売れた分しかお金が入らない成果連動方式に比べると、これは大きなメリットです。個人レベルでJコミに掲載された新條まゆさんの読み切りに52万5千円の「純利益」を得ました。



50ページの読み切りの場合は通常、単行本化もされません。100円でダウンロード販売して70%の利益(70円)を得るとしても、7500ダウンロード必要です。有料になって、それだけダウンロードが期待できるかは作家によりますが、ハードルは相当高いと思います。これを先に得られるのは、大きいです。



7500以上の代価を得られなくなりますが、出来る人は自分でやっていると思いますし、広告クリックの保証数を満たせば掲載を取りやめられるとのことです。




Q.このサイトでは、作者が一旦自作品の掲載許諾を出したら、もう一生解除はできないのですか?

A.コンビニ版や文庫版が出るなどの理由で、作者が削除を要請してきた場合、Jコミでは即刻削除となります。広告の規定クリック数を達成していれば、広告料金の返金も必要ありません。ただし、すでにネットに出回ってしまった分の回収は不可能です。

【 FAQ (よくある質問) 】より引用





ウェブメディアとしてJコミを捉えると、中間が少ないです。通常のメディア企業では「コンテンツを作った人」(ライター)の報酬は抑えられ、「広告報酬」は企業維持に使われてバランスが悪くなりがちですが、企業維持のコストは極力下げているので、コンテンツを作る作家の取り分が高額になります。




Q.取り分が0%ということですが、会社維持の方法はどうなさるのでしょうか?



A.TOPページの広告で凌ぎたいと思います。



【 FAQ (よくある質問) 】より引用

広告モデルのリスク

競合は「あらゆるメディア」

とはいえ、他の広告メディア同様、競合や広告掲載の陳腐化が生じると、広告の値引き競争になる可能性があります。個人的にはJコミでこのモデルを独占した方が、広告の価格競争が起こりにくく、作家の取り分は維持されるのではないかと考えますが、赤松さん自身は「特許」で防衛する意思を見せられています。




深水 『Jコミ』さんがやっていることって、本来なら出版社さんがやるのが自然だと思うんです。もしかするとこの『Jコミ』のモデルを丸ごとパクって誰かに持って行かれる可能性ってあるんじゃないですか? 例えば出版社さんが「やっぱりうちがやりますよ」とか。

赤松 30%くらいの手数料を取ってですか? それがですね、『Jコミ』は特許を申請してるんですよ。通るかどうかは分かりませんけど。通るまで何年もかかりますし。

深水 どういう特許を申請しているんですか?

赤松 それはノーコメントです。とりあえず、他が「手数料をとってJコミと同じビジネスをやる」という場合、漫画家の利益がその分減っている。だったらうちが”0%”で全部請け負います。これに勝つのは、事実上無理ですよね。

300万ダウンロード突破『Jコミ』が目指すもの - 赤松健インタビュー(後編)より引用



仮に同一のビジネスモデルで漫画領域に参入する企業がないとしても、ビジネスモデル的にネットメディアと変わらない点で、今後、広告効果をどう評価するかで、広告主から他メディアと比較されるのは避けられず、広告の値段が下がる可能性はあります。今のところ、「クリック保証」となっていますし、保証した数字以上を出しても追加料金はかからないといいますが、ウェブ広告ではクリック保証から収益に繋がるクリック後の購買・成約率の方が問われているので、費用対効果を高める部分で、今後の数字が気になるところです。



とはいえ、必ずしもすべての広告主が購買・制約を目的とした広告を出すわけではなく、認知を目的としたクリックでいい広告ならば話は違ってきます。どのような商材が合うのかも試行錯誤の途上でしょう。


掲載広告

今のところ、『放課後ウェディング』の広告は、オーネット(楽天:結婚相談:結婚チャンステスト=アンケートの回答)、ポイントタウン(GMO:ゲームの新規登録)、ラテールゲームポット:ゲームの新規登録)と、成果指標が追いやすいものになっています。結婚を題材にしているマンガなので結婚相談所の広告というのは分かりやすく、誘導先がアンケートなので、敷居を下げているようです。



『交通事故鑑定人 環倫一郎』では、ドル箱(オズビジョン:ゲームの新規登録)、保険スクエアBang!(ウェブクルー:自動車保険見積り)、ウィルスバスター(トレンドマイクロ:ウィルスソフト:購入か体験版ダウンロード)、ぽすれんぽすれん:レンタル事業の会員登録)となっています。



最近公開の『ベルモンド』は、じゃらんリクルートiアプリ購入)、パブー(paperboy&co:電子書籍プラットフォーム)、ウィルスバスター、ドル箱、オーネットとなっていました。



広告主の傾向を見るとマッチングできそうなテーマのモノはその広告を入れていますが、初回ということで「マンガと広告」の相性を見ているところでしょう。他は認知目的というか、ネットユーザが気軽に始めやすいサービスが主です。個人的には電子書籍と相性がいいはずなので、アプリ販売とブクログのパブーのCMが適切に思えます。



他にAMAZONアフィリエイトがあり、こちらは作者ごとにIDが決まっており、AMAZONオススメや作者の本などをアフィリエイトする方式です。今のところ、ここが変動分でしょうか。『ベルモンド』の場合、参考書籍・関連書籍っぽい本の紹介もしているので、ある種、漫画を書籍のプロモーションとしてあえて使っていくビジネスモデルも出来るかもしれません。



私も自分の本の広告を出したら効果どれぐらい出るのかなぁと興味がある方です。広告費は自腹での負担になりますが。


その他気になること

仮にこれからJコミが規模を拡大した場合、人件費を抑えて業務が回るのか、というところが問われます。先述したFAQにあるように、まずJコミサイトTopの広告枠だけで運用するのは難しいように見えます。事業を広げる意味で社員を増加させるか、社員を雇用してより事業を拡大できるのか、というところでいえば、まだ作品を集める段階か、収益バランスが悪くても赤松さんの意思で継続していくところかもしれません。



"新條まゆさんの読み切りに52万5千円の「純利益」"との記述は目立ちますが、これほどの額が1つの作品で入るのは1回限りです。漫画家にとってメインの収益源にならないものの、「ファンは絶版作品が読める」「漫画家は絶版漫画をもう一度発表する機会&お金を得られる」というところで、メリットは大きいはずです。他にも、額としては事前の広告掲載よりも少ないはずですが、AMAZONアフィリエイトでの継続的な収入も生じます。


今後の展開の想定

今後、収益化の窓口を増やす意味で、会員制度を導入して購買を可能にするかどうかですが、これは今よりも遥かに管理コストがかかりますし、個人情報管理やサポート対応なども求められて人件費がより高くなるので、行いにくいです。前述したブログでのエントリに同感で、Jコミは中間のコストを極力抑えています。



現在の収益モデルを見ていくと、他のネットメディアと同じくページビュー(ダウンロード含む)を上げる方向に進み、また広告との親和性が高いコンテンツも必要に思え(セグメントされたユーザー)、その為にコンテンツをどんどんと増やし、幅を広げることになるかと。



とはいえ、事業運営費を何らかの形で捻出する部分が増えないと、作品が増えてコストも増えて、というところで継続性が難しくなると思います。



スポットの広告では観光協会や、映画・書籍コンテンツの広告手段として、成立して広がっていくと面白そうです。それこそ、グルメ系の漫画でレシピサイトへ会員登録や実際のお店に行く、通信販売する(ワインとか)などもあります。コンテンツツーリズム的なところも、惹起しやすいのかなと。漫画に限らず、小説やガイドブック、雑誌のバックナンバーなどでもいいような気がします。(そういう意味で、「特許」なのかもしれませんが)



コンテンツが多いからユーザーが集まり、広告モデルの収益が成立して事業が続くことが、未来図でしょうか。個人的には「作家個人が企業から広告を受注することができるモデル」として、継続して欲しいです。


作家の対応と理想的な絵図

絶版書籍があり、自分でプロモーションを行うつもりがない場合は、Jコミのプラットフォームに乗ることは特にリスクにならないですし、再販の可能性がないならば、Jコミのモデルに乗るのは大いにありだと思います。



一方、宣伝による集客と入稿が求められるコンテンツダウンロード形式で利益を自ら出せるのであれば、自分で行う方がいいと思います。Jコミが「コピーされるのを前提」にして収益化を行うのに対し、こちらはそうではない部分もある点で、コピーコンテンツへの懸念は残り続けますが。



たとえば個人電子書籍プラットフォームでは著者取り分が70%あるような場合、発想を逆転すれば、紙で売る場合の1/7の部数で紙の印税10%の場合と同じ利益を得られます。電子書籍の今時点の部数自体は非常に少なく見えますが、1/7でいいとの割り切りをすると、随分、気持ちが違います。



私個人の理想として、作家とファンを作品による収益だけではなく、作家活動を支援する(「次の作品を作る時間を確保する」)システムが欲しいと思っています。1000人のファンが毎月300円(3000人のファンが100円でも)出してくれるシステムです。作家にとって創作に必要なのは、「創作に時間を費やせる環境=他の仕事をしなくて済む」ところで、現在の出版による収益モデルでは、1000人のファンがいても出版できませんし、商品がなければ、購買による作家の支援をできません。



有料メルマガモデルが最もこれに近しいものですし、方向性として期待しているのは、冒頭で取り上げたcamp-fire.jpなどのモデルです。この辺りの理想の整理は次回に。



河野武さんのハブメディア(HubMedia)・プロジェクト始動が、電子書籍云々というより、ウェブ全体でどのようにビジネス化を行い、対価を得るかに注力した構想を描いているので、個人としては、これも理想のひとつになります。



いずれにせよ、表現で食べられる比率を上げたい人にとって、いろいろなパターンを組み合わせるのが良いと思いますし、その選択肢が増えていることは確かです。


補足


asakura-t 1000人から300円を貰い「続ける」のは難しそう。……いや、事前に「有名人」になってればそうでもないか。あるいは300人から1000円のほうがまだ見込みがあるかな。// id:y_arimさんを見てる感じでは難しそうだけど。 2011/02/11

http://b.hatena.ne.jp/asakura-t/20110211#bookmark-29737625



ご指摘のように、「有名人」になってからのモデルですね。雑誌で漫画連載をしていた方のファンなど、あるいは金額を下げていくかなど。単独の収益源というより、収益源を増やす選択肢として。ファンクラブみたいなものですね。



この辺り、少し違ったアプローチのモデルを考えているので(空理空論ですが)、次回辺りに書ければと。


同人誌『英国メイドにまつわる7つの話と展望』雑感

DLSiteにて、夏コミで制作した同人誌『英国メイドにまつわる7つの話と展望』をPDFに加工してのダウンロード販売を始めて、1週間が経過しました。今のところ、19ダウンロード(評価7)、コメントを2つもいただくなど、意外と好評でよかったです。



http://home.dlsite.com/work/=/product_id/RJ068698.html



DLSiteを恒常的に利用されている方が買われていると考えられるのと、私のコンテンツが欲しくて会員登録する方はあまりいないように思えるなど、購入への障壁が高い点でそろそろ頭打ちになると思いますが、2点で、いい勉強になりました。


感じた2点

1・同人誌の方向:「わかりやすいまとめ」

電子書籍とあまり関係ない本自体の内容ですが、短めとはいえ、読者の疑問に応えることや他にあまり無い視点・現代性を盛り込めた点で、オリジナリティを出せたのではないかと思います。



是非、上記コメントをご覧下さい。


2・場所を問わない

ウェブの活動で興味を持ったものの、同人イベントに来られない方との出会いになるというのは期待していましたし、そのように今は感じていますが、Twitterでは海外在住の方からポジティブな意見をいただきました。


資料本同人誌制作の立場として電子書籍への見解

他に、今後作っていく同人誌を電子書籍化するかも、考えました。



知識の共有や現段階で分かっていることを同人誌では書いており、私の見解や推測も盛り込んでいます。しかし、商業版では「分かっていることだけ」を書きました。電子書籍として「売る」ことは、私の中では、「商業と同じ土台」に立つことだと思っています。この点で、私個人のレベルではすべてのコンテンツの質がすべてで「商業レベル」であるとはいえません。専門の校正の方も、デザインの方も、そして編集の方もいません。



同人誌として作っている部分には「アマチュア」の要素が含まれており、アマチュアゆえに許容される部分があります。その点で、「同人誌に理解がある」方に買っていただきたいと考えています。DLSiteは同人でセグメントされているので、その点のフィルタリングはされていますが、マンガや創作の同人誌とは、同人誌・資料本の展開には相違があると感じています。



自分は「商業の本」「その延長としての電子書籍」を理想化しすぎているかもしれませんし(FSSのヨーン君の騎士に対する気持ちのように)、硬すぎて肩こりしそうな今回のテキストですが、次回以降の同人誌については商業版での経験をベースに、両者の差を縮めていきたいと思います。



また、コミケに落ちて、表現の機会がひとつ失われたことにショックを受けましたので、表現の機会を増やすことになる電子書籍の展開は続けていくつもりです。



英語圏に活路を見出したいところでもあるので、英語の勉強は引き続き……


『英国メイドにまつわる7つの話の展望』の電子書籍版・販売開始

夏コミで頒布した『英国メイドにまつわる7つの話の展望』を、DLSiteでの販売が承認され、始まりました。



http://home.dlsite.com/work/=/product_id/RJ068698.html



販売価格は同人版と同じ予定でしたが、消費税が加わり、105円となります。


同人版との変更点

・誤植の訂正を行う
・PDF版ということで、印刷時のページ数制限で割愛していた参考資料の詳細を掲載
・出版情報を最新に更新
・PDFにするに際して行間を広げて若干読みやすくする
・リンクURLの記載


主にPDFになったこと、紙数制限がなくなったことによる修正で、本筋のところで大きな変更はありません。買われた方々が既にいるようで驚いておりますが、得るものがあれば幸いです。



形の上では電子書籍デビューということになりますが、あまり実感がないです。同人イベントでの頒布が長かったからでしょうか。



個人的にはまったく夢を見ていないのですが(サークルスペース前を人が通らない同人イベントに参加している気分)、これから思うことも出てくるはずなので、自分が落ち着くのを待ちます。


『英国メイドにまつわる7つの話の展望』の電子書籍版準備中

夏コミで頒布した『英国メイドにまつわる7つの話の展望』を、DLSiteにて頒布する準備をしています。といっても、単に既存の原稿をPDFにしただけのものですが、審査が通れば、再度告知します。



誤植の訂正を行いつつ、PDF版ということで、印刷時のページ数制限で割愛していた参考資料の詳細、出版情報の更新、PDFにするに際して行間を広げて若干読みやすくする、リンクURLの記載など、修正を行っています。主に紙数制限がなくなったことによる修正で、本筋のところで大きな変更はありません。



販売予定価格は同人版と同じく100円です。



果たしてニーズがどれだけあるのか分かりませんが、実験ということで。


『Honey Rose』、iPad対応版発売

『Honye Rose』(はにろ)のiPad対応版が理想書店で発売されました。過去に電子書籍版で販売されたときに購入しましたので2度目となります。



『Honey Rose』iPad対応版



買った当時の日記の日付を見ると、2007年12月22日です。



『Under the Rose』『Honey Rose』は最高に美しい



生まれて初めて購入した電子書籍はこの作品でしたし、雑誌連載でかつ単行本化していない作品であり、触れる機会がなかったものに出会えたので、とても嬉しかったのを記憶しています。とはいえ、その当時の仕組みはクレジットカードで購入し、専用リーダーで閲覧したものの、パスワード設定やらなにやらいろいろとあって煩雑だったと記憶しています。独自規格だったのでしょうか。



今回、iPadでマンガを読む経験をしましたが、非常に読みやすいです。大きさ的には単行本化されている『Under the Rose』と遜色ありません。カラーの原稿もディスプレイで見たときよりはなじむ感じがして、気に入っています。



とにかく嬉しいですし、現在スペースの理由で積極的に買い控えている、マンガや文庫の小説(自分にとっては一定期間後に処分する雑誌と同じ扱い)を買うきっかけになりそうです。まだ、自分が欲しいものに限っていえば、なかなか電子化に進んでいないのですが。