ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『日陰者ジュード』(Jude the Obscure)

ずーっと、ここ数年読みたくて探していた本です。原作はトマス・ハーディ。その筋では有名、というか久我が勝手に盛り上がっているだけですが、19世紀のメイドさんを丁寧に描いている、英国ヴィクトリア朝の大文豪です。



19世紀のロンドンはどんな匂いがしたのだろう



この、『19世紀のロンドンはどんな匂いがしたのだろう』で紹介されていたので、読もうと決意しましたが、この本のお陰で『テス』も読み始めており、ハーディと言う作家と出会わせてくれた「教科書」と言えます。



今日はある十九世紀の日本人画家の刊行物を探して、飲み会の前に神保町をさすらっていました。気づけば1時間が経過し、約束の時間が迫っている中、ふと「そういえば、『日陰者ジュード』をいつも探していたっけ」と思い出し、古本屋のコーナーで足を止めると、ありました。



3冊で2200円と、定価よりも高い値段でしたが、絶版書籍ゆえに仕方がないと、購入しました。既に家にある書籍の30%以上が、絶版書籍のような気がします。最初に買った絶版書籍が十四年前、『炎の転校生』なのです。こういう始まりにしては、広がりすぎましたね。



問題点は、ある和書の資料本で、「あらすじ+結末」を読んでしまっていること、です。『テス』の時はあまりのエンディングに泣きましたが、今回もハーディらしい劇的なエンディングが待っています。



日本では『日蔭のふたり』としてケイト・ウィンスレット主演で映画になっていますが、DVDも実は絶版中なのです。仕方なく、イギリス版を購入したまま、未視聴になっていましたが、原作を入手したので、読後に視聴します。



ハーディは読者の反応・感想が原因で「絶筆」したと聞いていますが、その引き金を引いたのが、この『日陰者ジュード』なのです。



……書いている今は00:45、明日のコミティア入場まで8時間15分。もう寝ます。