ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

不思議なもので

久我は今年30になったのですが、この時期、不思議なぐらいの転機に囲まれています。大学時代の友人が2名、揃って結婚するのです。30歳は、ひとつの節目ですね。その一方で、会社の同僚を含め、周囲には様々な「社会人として、働くことについて」、生きる転機を迎えている人もいます。



久我は前者ではなく、後者です。今働いている環境は、世の中的に見れば、理想的な会社のひとつです。各人の裁量は大きく、自主性を重んじ、給与は低すぎない(決して高くは無い)、経営陣ともフラットに話せます。



しかし、それでも環境を変えたかったのは、いろいろと価値観で齟齬があったり、ついていけないスピードがあったり、この環境でしか生きられない自分になりたくなかったからです。まだ、足りないものはいっぱいあります。伸ばしたい方向のスキルは、会社に無く、また求められず、評価もされません。そうしたスキルは、仕事で身に着けるのが早いのはわかっているので、転職を決めて、活動を始めました。



自分の成長、足りないものを補う、収入を上げるなどの動機もありますが、何よりも、「働くことへの考え方」「仕事へのスタンス」が同じ目線であることを重んじ、「会社の独自の文化・価値観(例えば外資)」を体験し、育てたいのです。自分が今いる場所がすべてではない、世の中にはGoogleAppleのような会社もある、そうした企業独自の文化や、いろいろな人に接したい、出会いたい、そう思ったのです。



今、日々が楽しいです。自分が変わっていくこと、視点が変わったこと、周囲に成長の機会が転がっているのを、ひとつでも逃さずに、つかめるように。どんなきっかけでも、成長に繋げようとする貪欲な自分が目覚めました。技術的な成長ではなく、人として、社会人として。



ヴィクトリア朝のメイドや執事や使用人を学ぶ今のプロセスは、「働く」と言うことを真剣に考えさせてくれます。まだまだ育ちたい、役に立ちたい、同人誌を作る時の気持ちのように、自分のまいた種が契機となって、新しい価値を生みたい。何が自分にとって、心地いいのか。



生涯、勉強です。



そして、自分の価値がすべてではないことをわかってもいるので、そうした多様な視点で、多様な働き方を、多様な価値観を、今度の短編小説に表現したいです。