ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

資料整理は順調も

コミティアに行こうと思っていましたが、昨日の日記を書いた後、熱があるのに気づきました。鼻水が止まらず、どうやら風邪を引いた模様。ということで今日は無理をせず、家でのんびりすることにしました。



昨日、ようやくカタログを買ったのに、残念です。



資料整理はそこそこの速度で進んでいます。ただ面白いものになるかは、微妙ですが。で思い出したのが、「3巻で使った制服資料の抄訳」です。総集編にはあれを入れられないので、この辺で再掲するのもありかと思った次第です。



ウェブ公開でもいいのですが。



久しぶりに英書を読み込むと疲れます。必要な情報のみをさらっているので速度自体は早いのですが、忘れていることの多いこと多いこと。自分自身はいわゆる検索エンジンのように「どこにどの情報があるのかをインデックス化」しているつもりでしたが、錆びてました。


「知己を得た」使用人が増えていく

今回の底本のひとつに、1970年代にベストセラーとなったとされている『NOT IN FRONT OF SERVANTS』を選びました。この本は『ヴィクトリアン・サーヴァント』に匹敵するレベルにある「総合書」です。筆者の方が、「メイドだった人たち」にインタビューをしたり、彼女たちから集めたエピソードをその資料としたりと、「資料性が類を見ないほど高い」からです。



この本を読んで、久我はFrederic Gorstに興味を持ち、彼の著作に手を出しましたが、数年ぶりに読み直しても、ここに掲載されているエピソードは輝きに満ちています。で、この後、完結編に向けた予習として『LIFE BELOW STAIRS in the 20th Century』にも手を出しましたが、ここで出てくる使用人の20%ぐらいは、既に知っている人たちでした。



Frederic Gorstだけではなく、『NOT IN FRONT OF SERVANTS』に出てきた人たち、実在のメイドの手記『KEEPING THEIR PLACE』で紹介されて入手したアスター家のメイドRoseの『MY LIFE IN SERVICE』に出てきた人たち、さらに同じ『KEEPING THEIR PLACE』で紹介された『Useful Toil』のメイドたちなど、これまでに接して深めてきた資料に登場する人々が、重なり合うように出ているのです。



結構、資料が重なり合うと言うか、互いが互いを参考にしているんだなぁと思いつつ、これだけ追い求めてもまだ知らないエピソードばかりで、いろいろと楽しいです。



1920年代、「大学の奨学金を得るぐらい頭がいい」にもかかわらず、親の経済事情でやむなくメイドになった女性がいて、その彼女の手記の抜粋を、知らずのうちに読んでいて、しょうがないので彼女が出版した原書の方を、AMAZONで取り寄せることにしました。



そういうふうに「使用人が直接書いた本」は他にもあって、今回は五冊見つけてしまいました。代金より送料が高いのですが、密度の高い資料(資料本だと割愛されるエピソードも多いので)は好きなのです。



まぁ、さすがに「20%知り合い」は大げさですが(せいぜい2〜4%ぐらい)、読み直していくと、いい復習になっています。