ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。同人・出版活動の報告を含みます。

『North & SOUTH』

エリザベス・ギャスケル自体は日本ではマイナーですし、久我も小説は読んだことがありません。初めて彼女の作品に接したのは、BBCドラマ『North & SOUTH』です。このドラマは『高慢と偏見』と比較されますが、何よりも「クラシックドラマ」を見慣れている人には、衝撃的な映像が多いのです。


今まであまり見たことが無い「North」の世界

『北と南』の意味は、工業の発展した「North」と、田園広がる「South」という意味です。ヒロインは「South」の太陽が輝き、緑が広がる世界を愛していましたが、父に振り回され、曇天・工場が多く、荒んでいるように見える「North」に引越しを余儀なくされます。



クラシックドラマお約束の「屋敷」「カントリーハウス」は、あんまり姿を見せません。貧民街や荒涼とした町の様子を、かなり力を割いて描いています。


相手役の工場主のすさまじい登場シーン

以前も書きましたが、ヒロインの相手を務める「ダーシー」的な立場の男性がいます。この人は「North」で、若くして工場主を勤める男性です。が、ヒロインと出会うのが、「工場でタバコを吸った労働者を見つけたら、追いかけて、倒れたところを殴っている」場面なのです。これほど衝撃的な出会いも無いでしょう。


脇役が魅力的

工場で働く労働者のリーダーの一人に、ドワーフみたいな人がいます。最高です。その上、その娘役の人は、この出演がきっかけになったと思えるのですが、このあと、『Fingersmith』で主役のSueを演じました。



あと、主人公の家のメイドもなかなか際立っています。ぽっちゃりしたおばちゃんなのですが、主人公の母が若く美しかった頃から仕えているのです。その当時のエピソードを語るところは、メイド史に残る名シーンです。



今まであんまりこのドラマをブログ上ではプッシュしていませんが、かなりよいです。だからこそ、そのギャスケル&BBCの組み合わせには、否が応でも期待してしまうのです。