ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。同人・出版活動の報告を含みます。

同人ゲーム『うみねこのなく頃に』Ep.02

プレイしてみました。描写で言えば、今回、使用人の紗音と嘉音が「使用人は家具である」ということを何度も強調しています。この比喩は珍しいものではなく、執事として仕えた人がその点を語っています。



新刊、『MAID HACKS』でちょうど、この言葉を紹介していました。



Ep.057:主人たちにとって、使用人は「家具」である

Eric Horne/執事
『使用人はその屋敷の家具みたいなものです。生きている家具、ただそれ以上のものではありません。ロンドンのタウンハウスに置かれた家具をカントリーハウスに移動し、その逆もまた行われる。ただ簡単に、動かすだけです。生きている家具の心や身体の一部が壊れたら、"持ち主"はこう言うだけでしょう。
「壊れたものは捨てて、新しいものを使いましょう」』
(『LIFE BELOW STARIS in the 20 Century』P.14より翻訳・引用)



「使用人は何も見ない、何も聞かない、何も喋らない」ことを求められています。彼らは屋敷に住むのではなく、「屋敷にいる」だけの存在です。「見ざる・言わざる・聞かざる」という存在であるべき使用人は「家具」と同じとも言えます。



主人とメイドの恋、と言う普遍的なテーマも扱い、その辺りの生涯や意識の差などは丁寧に描かれていると思います。



というところで、ネタバレの感想を以下に。未プレイの方は読まないで下さい。











































































正直なところ、「推理が可能か」というところの「推理」の定義が必要なのではないかと。今回のEp.2では「殺人事件のトリック」「犯人」という観点での「ミステリ」は成立していません。もはやファンタジーです。



故にプレイヤーが求められる「推理」とは、「どのような条件下で殺人が起こりえるか?」「黄金伝説の謎」、ベアトリーチェが従う「ルール」の解明が主になるのではないかと思います。既存のミステリの王道である「犯人探し」「トリック」に意味がないと、今回の話で明確になりました。



その観点で言えば、「魔女を否定する」ことが殺人事件を起こさせないきっかけとして、魔女は何度も姿を見せます。しかし、「見えたり、見えなかったり」もします。ここで今回出てきた「羊と狼のパズル」がヒントになるのかもしれません。



「羊(=魔女を信じていない)」

「狼(=魔女を信じている・魔女の起こす奇跡:黄金・恋愛の成就を信じたい)」



と考えて、その場に居合わせる人間がどちらか、「羊<=狼」になったとき、魔女の力が増すのではないかと、儀式が執り行われるのではないかと考えます。また、最初の殺人の条件を考えると「六人になって、魔女の起こす奇跡を信じたくなった(「黄金郷の鍵に選ばれて」=お金が欲しい人たち)」段階で、魔女の儀式が始まるのではないか、と想定しています。



魔女による殺人を防ぐには、「全員が一緒にいる」かつ「魔女の起こす奇跡(黄金伝説)を信じない」などの対策が必要なのではないかと考えましたが、そうなると「碑文」の謎は解けないまま、です。



相変わらずわからないままですね、はい。