ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

イギリスのコックの立身出世と波乱万丈の物語

以前にご紹介したドラマ『The Duchess of Duke Street』の視聴を再開しました。前回までの展開をだいぶ忘れていたので、最初から見直しています。今日は、第1シリーズ2話まで見終えました。



一流のコックを目指すLouisaは貴族の屋敷にてフランス人シェフの下で学び、修行し、機会を掴んでプリンス・オブ・ウェールズ(後のエドワード七世)に認められます。その後、彼女は王子と関係を結び、同じ屋敷の執事と「偽装結婚」的な行いを強いられます。



ヴィクトリア女王崩御し、王子がエドワード七世として即位した際に両者の関係は清算されますが、プライドを傷つけられたままの執事との生活はうまくいきません。当然と言えば当然で、Louisaは彼と正直に語り合う機会を作っていません。



なんとか彼に働く誇りを取り戻させようと、Louisaは売りに出されたホテルを買収し、彼を経営者にしますが、彼は期待に応えられません。友人たちを呼び込んで浪費を続け、ホテルの経営は立ち行かなくなり、スタッフは離散、執事とアドバイザーとして入り込んでいたその妹は追い出されます。



経営者ではなく、コックとして彼女は様々な場所に料理を納品することで借金(約3000ポンド)を返却しようと働きますが、彼女は過労で倒れます。その彼女を救ったのが、キッチンメイドだった彼女に言い寄った貴族の長子でした。



彼の支援を得て、彼女はホテルの再建に乗り出し、様々な事件を乗り越えて、なんとか軌道に乗せることに成功します。



というのが二話までです。



才能はあるものの機会が無い人間、不運に恵まれる人間、人に裏切られる人間という構図から立ち直っていくLouisa。人に振り回されつつ、結局、人が立ち直るのに必要なのは人の支えというのも、ドラマの面白いところです。



しかし、この後、物語がどう広がっていくのか想像できません。ホテルが拡大していく話だけではあんまり面白くないと思いますし、訪問客のエピソードだけでもありふれています。第三話以降が楽しみです。