ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

夏コミ新刊『英国執事の流儀』

熱い夏がやってきました。



今年の夏の新刊は、「執事」です。






仕様

タイトル:『英国執事の流儀 How the Butler Worked』

値段  :700円(※2009/08/08改定)

サイズ :A5判

ページ数:148ページ(厚さ0.9cm)

頒布開始:2009/08/16(日) 西お16b

     イベント:コミックマーケット76

     委託:「とらのあな


     ・とらのあなで買う


制作

筆者     :久我 真樹(サークルSPQR

表紙イラスト :碧宇様

裏表紙イラスト:U様([DTP]/[PICT]

本文イラスト :ニッシー様/のわきねい様


内容

Part.1 七人の英国執事/イラストあり

 1.Charles Cooper

 2.Ernest King

 3.Charles Dean

 4.Eric Horne

 5.Edwin Lee

 6.George Washington

 7.Albert Thomas


Part.2 英国執事の流儀

 CHAPTER1:Who Could Become a Butler?/執事への道

 CHAPTER2:How the Butler Worked/英国執事の流儀

 CHAPTER3:Boss Management/屋敷の主人たち

 CHAPTER4:Fellowship/同僚との信頼関係

 CHAPTER5:Keep Looking, Don't Settle/執事の転職事情とその現実

 CHAPTER6:Someday You May Find/その生涯



内容の補足:英国執事の「執事としての働き方」(流儀)

裕福な屋敷において「部下を監督した管理者としての執事」に焦点を当てています。



そもそも、当時の使用人の仕事マニュアルには「仕事内容(What)」は定義されていても、「どのように行ったのか(How)」がありません。そこで「手記を残した(=ある程度成功した)執事七人」のテキストを読み取り、彼らが「どんな仕事をしたか(What)」から一歩踏み込み、「どのように働いたのか(How)」を扱っています。



さらに、



・彼らがどのようなキャリアを形成して執事となったか?

・執事となってから部下をどうマネジメントしたか?

・育成する際にどのような工夫をしたか?



などの切り口で、豊富なエピソードを織り交ぜながら執事の仕事を紹介していきます。日本で、この視点と密度で執事が語られるのは初めてだと思います。



「クライアント(仕事の依頼主)」として主人との関係や、執事の転職事情、同僚との信頼関係、そして「働く目的」など、現代人が語ったのではないかと思える視点での英国執事(ヴィクトリア朝生まれが多数)の言葉も掲載しています。


共感できる箇所がひとつでも見つかれば、幸いです。



そして、以前書いたように、自分が見つけた「最高の執事たち」を題材にしています。この執事たちを上回る視点、流儀を持つ執事をご存知の方は、是非、教えて下さい。世界は広く、まだ見ぬ執事に出会ってみたいと思っています。


メイドサークルじゃないの? 執事?

当サークルは屋敷を主体にして、貴族の生活とそこで働く使用人を中心に扱ってきました。また、経済圏としての屋敷の研究を行っており、必ずしもメイドに限定していません。(前回刊行『終わりの始まり』では領地経営を行う「スチュワード」を取り上げています)



今回、同様の切り口でメイドやハウスキーパーも扱うつもりでしたが、資料が足りず、断念しています。


これまでの同人誌との関係

単体で完結しています。一見の方でも、執事やメイドに詳しくない方でも読めます。会社勤めをしていれば、十分に楽しめます。



本書の構成と作り方は『MAID HACKS』と類似していますが、切り口はまったく異なっております。タイトルは『英国メイドの世界』の続編、としての位置づけから、このようにしています。



使用人全体を幅広く知りたいのでしたら、『MAID HACKS』をあわせてお読みいただくことをオススメしています。