ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『THE YOUNG VICTORIA』(邦題:『ヴィクトリア女王 世紀の愛』)を視聴する

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100分程度の映像で、やや駆け足ですが、ヴィクトリア女王が即位する直前から、アルバート王子と結婚して共同統治的な役割分担するまでの間を描きました。



王宮が舞台なのでケンジントン宮殿やバッキンガム宮殿を撮影に使っていたようで、豪華そのものですね。即位式の様子まで再現しており、王宮の映像作品としては非常に素晴らしいクオリティです。使用人たちもいわゆる宮廷仕様の制服を着用し、馬車もポスティリオン(馬車で引く馬に乗馬する騎手・ジョッキーとは違う)が乗った宮廷馬車で、豪華さが際立っています。



ストーリー自体も、いろいろと構図があって面白いです。若い王女と、「彼女を支配して実権を握ろうとする王女の母Kent公爵夫人、その側近」と、「公爵夫人を嫌うWilliam4世・国王」、「彼女を利用するため一族のAlbert王子を結婚させようと策謀するベルギー国王」、「王女を愛するようになる王子」、そして英国内の政治家たち。



個人的には、名前だけ知っていた女王の世話役「Mistress of the Robe」の公爵夫人が登場していたのがよかったです。そういえば側近の侍女たちが爵位持ちの女性だったのもリアルですね。かなりしっかりと作りこまれている印象です。



王子が非常に良い男ですし、若い女王を頭に据えた国の輝きというか、明るい未来のようなものは確かにあったのかなぁと思う次第です。



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ストーリー、雰囲気よりも屋敷・装飾・衣装・この時代、という背景世界の魅力を感じないと、あまり高く評価はできないかもしれません。単体で買うには送料が高いですが、何かと一緒に買うならばありかなと思う映画です。