ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

ITV制作の『Downton Abbey』の雰囲気が素敵過ぎる

以前、今年は自分にとって大豊作の予感(2010/05/31)と題していくつか英国で放映予定のドラマをご紹介しました。最近、ファンサイト?で予告編の紹介がされていました。



http://www.downtonabbey.com/2010/09/12/downton-abbey-trailer/



舞台はエドワード朝、屋敷はHighclere Castle、メイドや執事、使用人の姿が多数登場しており、ここ数年の自分の評価の中では「屋敷モノ」として、『Gosford Park』に匹敵するのではないかと期待しています。『Cranford』や『Lark Rise To Candleford』も大好きですが、「屋敷モノ」ではないのです。



あと、こちらのブログでご紹介をし忘れていましたが、もうすぐサラ・ウォーターズの新作『エアーズ家の没落』が発売します。英語版をKindleストアで購入してから、「日本語版出ていたっけ」と検索したら今月発売、というちょっと悲しい気持ちも味わいましたが、第一章の密度が、もう屋敷&使用人マニアにはたまりません。



エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)

エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)







特に注目すべきは、「第二次世界大戦前後の屋敷における使用人事情の変遷」を、詳細に描いている点です。本来、今度出版する『英国メイドの世界』にこの辺りの話も盛り込みたかったものの、出版に間に合う形で私が仕上げられず(品質・分量)、冬コミあたりで自分の同人誌として刊行するつもりです。



とにかく、『エアーズ家の没落』は屋敷の描写が濃密で、いろいろな意味で震えるところが多いので、なかなか読み進んでいませんが、『英国メイドの世界』を読んでから読み直すと、二度楽しめると思いますので、刊行後はフェアなどできたら面白いなぁと妄想しています。