ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。同人・出版活動の報告を含みます。

『英国メイド好きの世界』展示資料一覧と解説

シャッツキステにて開催中の同イベントで、図書館内に展示している資料です。表紙画像は明日にでも。暫定版ということで。展示の基準は、まずは楽しめるように図版が多いものとなります。印刷してお持ちしたい方は、PDF版を用意しましたのでご利用ください。



※『英国メイドの世界』の巻末で紹介した本。



個人的には『英国貴族の館』と、『英国ヴィクトリア朝のキッチン』(英語版)、そして司書のメイドさんお気に入りの『Yesterday's Shopping: Army and Navy Stores Catalogue, 1907』(1907年の通販カタログ)がオススメです。あと、『図説 ヴィクトリア時代 イギリスの田園生活誌』も田園の風景が綺麗です。とオススメ本ばかりですが。



それにFSSファンは、是非、『CHRACTERS 6/BASIC ART OF THE FIVE STAR STORIES /TWIN TOWER』をご覧下さい。


屋敷・カントリーハウス

No. タイトル 著者 出版社 解説
1 図説 英国貴族の城館※ 田中亮三、増田彰久 河出書房新社 日本のカントリーハウス研究の第一人者・田中亮三先生による図説本。『英国メイドの世界』とセットで読むと、より屋敷を身近に感じられます。
2 図説 英国貴族の暮らし※ 田中亮三、増田彰久 河出書房新社 貴族の暮らしを描いた図説本。貴族主体ですが、使用人の図版も豊富。
3 英国貴族の館 田中亮三、増田彰久 講談社 屋敷写真集としては最強の一冊で、私の宝物。
4 英国カントリーハウス物語 杉恵惇宏 彩流社 カントリーハウスと貴族について、初心者にも分かりやすく伝える一冊。
5 BRITISH STABLE Giles Worsley Paul Mellon Centre BA 馬を世話する厩舎に特化した研究書。重たいです。
6 LIFE IN THE VICTORIAN COUNTRY HOUSE Pamrla Horn Shire ヴィクトリア朝の屋敷の図版が非常に豊富。2010年に出たばかりです。
7 MANOR HOUSE:LIFE IN AN EDWARDIAN COUNTRY HOUSE Juliet Gardiner Bay Books ドキュメンタリー『マナーハウス』を別の角度で照らす副読本。
8 THE VICTORIAN COUNTRY HOUSE Mark Girouard Yale University Press 英国屋敷研究の大家マーク・ジルアード氏の本。ヴィクトリア朝のカントリーハウスの解説と、写真・屋敷の地図もある。

屋敷・カントリーハウスのガイドブック

No. タイトル 著者 出版社 解説
1 Lanhydrock - National Trust 森薫先生も訪問したという、部屋数が非常に多い屋敷。
2 KENWOOD HOUSE - National Trust ロンドンのすぐ傍にある、自然に囲まれた美しい屋敷です。

家事使用人

No. タイトル 著者 出版社 解説
1 CAP and APRON Samuel Mullins, Gareth Griffiths Leicestershire Museums, Art Gallery & Records Service 使用人経験者へのインタビューと写真、図版を収録。
2 AVOID BEING A VICTORIAN SERVANT! Fiona MacDonald & David Antram BOOK HOUSE 子供がメイドになるまで、なってからの生涯をまとめた本。絵が強いです。
3 BELOW STAIRS :400 YEARS OF SERVANT'S PORTRAIT Giles Waterfield, Anne French Natl Portrait Gallery Pubns 英国の使用人をモデルとして描かれた肖像画集です。
4 KEEPING THEIR PLACE Pamrla Horn Sutton Publishing Ltd 使用人の手記を軸にした一冊。非常に参考になりました。
5 MAIDS AND MISTRESSES Ruth M Larsen The Yorkshire Country House Partnership Yorkshireのお屋敷の企画展示のパンフレット。メイドと女主人を扱う。
6 NOT IN FRONT OF SERVANTS※ Frank Victor Dawes Pimlico 使用人の声を集めた最良の資料集の一冊。
7 THE COUNTRY HOUSE SERVANT※ Pamela A. Sambrook SUTTON PUBLISHING フットマンとハウスメイドとランドリーメイドに特化した本。初期に出会った、あまりにも濃すぎる本でした。
8 THE VICTORIAN DOMESTIC SERVANT Trevor May Shire 図版が豊富で概要が記された入門的な一冊。
9 WHAT THE BUTLER SAW※ E. S. Turner Penguin Global 1960年代に作られた、最も古い中で完成度が高い総合資料本。『ヴィクトリアン・サーヴァント』に影響を与えている本です。ジーブスの筆者絶賛。

家事使用人/マニュアル

No. タイトル 著者 出版社 解説
1 MRS BEETON'S BOOK OF HOUSEHOLD MANAGEMENT MRS ISABELLA BEETON OXFORD UNIVERSITY PRESS 主婦のバイブルとまで呼ばれた、家政辞典。
2 THE COMPLETE SERVANT Samuel Adams, Sarah Adams Southover Press 執事夫妻が作った、英国初の「実践的」使用人業務マニュアル。この後、数多く、模倣されています。
3 THE MANAGEMENT OF SERVANTS Member of the aristocracy Frederick Warne and Co 貴族の一員が作ったとされる、19世紀末の使用人マニュアル。『英国ヴィクトリア朝のキッチン』の使用人資料のベースです。

家事使用人/手記・自伝

No. タイトル 著者 出版社 解説
1 BELOW STAIRS※ Margaret Powell D0dd, Mead キッチンメイドを経てコックとなったMargaret Powellの著書。
2 GENTLEMEN'S GENTLEMEN※ Rosina Harrison Arlington Books Astor子爵家の男性使用人が勢ぞろいした名作。写真も素敵。
3 FAITHFUL SERVANTS Arthur J. Munby Kessinger Pub Co メイドと結婚した紳士Arthur Munbyが使用人の墓碑銘を集めた、異色作。
4 ROSE:MYLIFE IN SERVICE※ Rosina Harrison BOOKCLUB ASSOSIATES Lady Astorに30年以上仕えた侍女Roseの手記。両者の関係が最高です。
5 TOWN AND COUNTY Charles W Cooper L. Dickson 成功した執事Charles Cooperの1937年の自伝。挿絵が印象的です。
6 WHAT THE BUTLER WINKED AT※ Eric Horne T. Seltzer 愚痴が多い執事Eric Horneの手記。1924年の刊行後、ベストセラーに。
7 イギリスのある女中の生涯※ シルヴィア・マーロウ 草思社 第一次大戦前後をメイドとして勤めた女性の語る世界。
8 従僕ウィリアム・テイラーの日記―一八三七年 ドロシー ワイズ、子安 雅博(訳) 英宝社 ヴィクトリア女王戴冠の時代を生きたフットマンの日記。非常に貴重な一次資料。意外と自由です。

家事使用人/他国

No. タイトル 著者 出版社 解説
1 MAID TO ORDER IN HONG KONG Nicole Constable Cornell Univ Press 現在の香港のメイド事情。1994年の香港のメイド服写真は秋葉原のクラシックメイドに似たデザイン。
2 "女中"イメージの家庭文化史 清水 美知子 世界思想社 明治以降の近代日本のメイド(女中)事情を扱う良書。
3 ドイツ奉公人の社会史 若尾 祐司 ミネルヴァ書房 ドイツにおける使用人の歴史的経緯の考察。

衣装・コスチューム

No. タイトル 著者 出版社 解説
1 Costume of household servants, from the Middle Ages to 1900 Phillis Emily Cunnington Adam and Charles Black London 中世から1900年までの家事使用人(執事やメイドなど)の制服を解説した一冊。当時のイラストが多く、メイド服を学ぶ上では必携。
2 WOMEN IN UNIFORM Elizabeth Ewing Batsford Ltd 女性の制服史。メイドの箇所があり。
3 THE MUSEUM OF COSTUME ASSEMBLY ROOMS BATH - THE MUSEUM OF COSTUME ASSEMBLY ROOMS BATH 英国の世界遺産Bathの衣装博物館のパンフレット。使用人の服は載っていません。

社会と暮らし

No. タイトル 著者 出版社 解説
1 Illustrated London News TBS The Book Service Ltd Christopher Hibbert ヴィクトリア朝のロンドン絵入り新聞。
2 Great Drawings and Illustrations from Punch, 1841-1901 Dover Publications Stanley Appelbaum, Richard Kelly 風刺で名高いパンチの挿絵イラスト集。
3 DESIGN & DECORATIVE ARTS: Victorian Britain 1837-1901 - V & A ヴィクトリア朝らしさであふれる、物・イラスト・デザイン図版集。
4 Yesterday's Shopping: Army and Navy Stores Catalogue, 1907 Army and Navy Co-Operative Society David & Charles 1907年の陸海軍ストア(生協)の通信販売カタログ。眺めていて飽きません。
5 The Victorian Scrapbook Robert Opie New Cavendish Books 描かれたヴィクトリア朝イラスト集。メイド服の広告も載っています。
6 図説 ヴィクトリア時代 イギリスの田園生活誌 デイヴィッド スーデン、山森 芳郎・山森 喜久子 (訳) 東洋書林 古き良き時代としての英国の田園風景を解説する最高の一冊。
7 ヴィクトリア朝万華鏡 高橋 裕子、高橋 達史 新潮社 ヴィクトリア朝に描かれた絵画から社会を読み解く。良い本です。
8 図説 イギリス手づくりの生活誌 ジョン セイモア、小泉 和子・ 生活史研究所(訳) 東洋書林 自給自足の大家が、素朴な昔ながらの暮らしを語る。資料的価値が高い。
9 図説 ヴィクトリア朝百貨事典※ 谷田 博幸 河出書房新社 ヴィクトリア朝に始まった道具や風習を、豊富な写真資料で紹介。

料理・キッチン・庭園

No. タイトル 著者 出版社 解説
1 THE VICTORIAN FLOWER GARDEN Jennifer Davies BBC Books ヴィクトリア朝の花園を再現するBBC番組の書籍化。
2 THE VICTORIAN KITCHEN Jennifer Davies BBC Pubns 日本で『英国ヴィクトリア朝のキッチン』として書籍化される。現在和書は絶版。原点の一冊。
3 THE VICTORIAN KITCHEN GARDEN Jennifer Davies BBC Books 上記の本の前段階のBBC番組。野菜を作る庭園を再現する。後にキッチン、花園へとシリーズ化。

小説・コミックス

No. タイトル 著者 出版社 解説
1 日の名残り カズオ・イシグロ、土屋 政雄(訳) 中央公論新社 執事小説として頂点。アンソニー・ホプキンス主演で映画化もされる。
2 荊の城(上)※ サラ・ウォーターズ中村有希(訳) 創元推理文庫 ヴィクトリア朝犯罪小説としても、侍女の小説としても至高。
3 ラークライズ フローラ・トンプソン、石田英子(訳) 朔北社 19世紀を生きた方による自伝的小説。村から見たメイドの実態が分かるので資料的価値も高い。BBCでドラマ化もされている話題作。
4 シャーリー(フランス語版) 森薫 - フランスのルーブル美術館の地下で出会いました。
5 CHRACTERS 6/BASIC ART OF THE FIVE STAR STORIES /TWIN TOWER 永野護 トイズプレス メイドブーム前に、メイドの階級に言及しています。この本に出会った当時は、自分がこうなるとは思っていませんでした。