ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

制服軸での1990年代のメイドブーム考察を公開

2月から準備していたコラムを公開しました。3月上旬に公開しようと思っていたのですが、いろいろとあって、見直しも入れるなどして遅れていました。見直しは際限がないので、この辺で区切りをつけました。



[特集]第2期メイドブーム(1990年代)〜制服ブームから派生したメイド服リアル化・「コスプレ」喫茶成立まで



異常に長いのですが、1回目の[特集]第1期メイドブーム「日本のメイドさん」確立へ(1990年代)を読んだ方が良いと思うので、ご興味とお時間のある方にオススメしています。



基本的には1990年代初頭のアンナミラーズの出店ラッシュが1980年代からの制服ブーム(女子高生)と重なり、1993年前後ぐらいからファミレスへの眼差しが強化されていったのではないかと。



アンナミラーズ(並びに外食産業)の衰退とともにファミレス・カフェを軸とした制服ブーム自体は弱まっていったと思いますが、メイドはこのブームの波と相乗して勢いを得ていったように見えます。



この1990年代はメイド服を着たメイドは、「創作」か「コスプレ」の中にしかいない存在でした。そして「非実在」だったが故に、「外食産業における閉店」といった外部の経済環境の影響を受けずに済んだのではないかと。



最近、メイド喫茶2ちゃんねるまとめサイトで、パリにメイド喫茶が開店 フランス人客は当惑気味と取り上げられていましたが、フィリピンのメイド喫茶の事例を見る限りは「日本文化のコスプレ」として受け入れられています。



「制服」を軸とした視点で見ると、名前はメイドでも、「家事使用人的な色彩を帯びていない」のです。「日本文化のコスプレ」として同様に受け入れられるように伝われば、良いのではないかと思います。



その辺りの「差異」も、今回更新したテキストで見えると思います。



ところで、海外には忍者・侍カフェとかないんですかね?