ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

コミックマーケット80・参加のご報告

先日の2010/08/14(日)、コミックマーケット80にサークル参加してきました。昨年の冬コミに落選しており、1年ぶりのコミケ・サークル参加となりました。当日、会場にてスペースをご来訪いただいた皆様、誠にありがとうございました。出版後の初参加ということもあって、出版へのお祝いの言葉をいただけましたことも、深く感謝しております。



活動の拠点となったコミケでお会いできる皆様に講談社からの出版を直接ご報告したかったのですが、出版直後の冬コミに落ちたこともあって、機会を逃していました。コミティアには参加していましたが、コミケでしかお会いできない方も大勢いらっしゃいます。



もしかするとサークル活動を止めてしまったのではないかと思われていたかもしれません。地道に続けておりますので、また次回以降、お会いできるよう努めます。



とにかく今年の会場は蒸し暑く、大変な混雑でもありましたので、参加された皆様は体力の回復をなさって下さい。そして、今回、お届けできた新刊を楽しんでいただければ、何かのきっかけになれれば、幸いです。



忘れっぽいので、当日にあったことを思い出していきます。


駅から大混雑

大崎駅からりんかい線に乗って、国際展示場まで行ったのですが、過去最高に駅が混雑していました。駅を走る人も初めて見ましたし、常態化したのか、駅員さんが笛を吹いて警告を出されていました。混雑が尋常ではなく、いつもは私が到着する7時ぐらい前の時間は、サークル入場者を妨げる人波もなかったと思うのですが、今回は大変なものでした。



公表されている参加数は20万人とのことでしたが、今年は普段よりも人が多く感じましたし、開場前に形成される列に、いつもより中学生〜高校生が多い印象も受けました。


サークル準備

このところ、新刊の種類が安定して少なく、テーブルの上に本を平積みする対応で済みました。過去最高では8種類ぐらいあったのが嘘のようです。『英国メイドがいた時代』を中心に平積みして、久しぶりに高さを出す展開にしました。積んでおくと、目に入りやすいとも聞きます。



ただ、こうした準備作業中も流れる汗が止まらず、今年は相当にやばいと考えました。朝に体験した普段と異なる混雑や、ネットや友人の情報で知っていた東と西の往来に費やされる時間を考慮し、今回は西から動かず、体力を温存を最優先しました。



気のせいかもしれませんが、以前よりも開場前行列の人が相対的に若い印象があったり、開幕した際に拍手だけではなく、雄叫びに似たコールがあがっていたのも、どこか普段と違う印象を強めました。


コミケ3日目開始!

その前に、なぜ参加するの?を言葉にする

なぜコミケに参加するのか、と根本的なところでいえば、自分の好きをお伝えして巻き込んでいく「同人誌」を頒布する最大の機会でもあるからです。ネットで情報発信をしていても、多分、接点は限られます。「メイド」や「ヴィクトリア朝」で検索しない人にも読んで欲しいと思うわけですから、「同人」という切り口で接点を持てるコミケは、自分にとって普段は出会えない方々と会う機会になるのです。



自分の本を読んだ方がこのジャンルに興味を持って下さることを願って、毎回、本を作っているわけですし、こうした「入口」であるべく、今までの方針として常に新刊を欠かさないようにしてきました。同人誌も、「一見の方でも、読めるように」作ることを常に心がけています。


いつもより一見さんに出会えた気が

だいたい時間帯に流れがあり、「10:00〜11:00」はこの時間に会場にいるので「ベテランの常連さん」、「11:00〜14:00」は一般入場で訪問される「常連さん」、そして14:00を過ぎたあたりから終盤にかけては、何か良い本を見つけたいと練り歩く「一見さん」に出会う機会が増す印象です。



ところが、今回は意外と最初の時間帯に一見さんが結構いらっしゃった気がします。といっても私が常連の方々全員のお顔を完全に覚えてはいないのですが、ネットや普段の活動で見かけていただけたのかと思いつつ、よくよく理由を考えると、今回は「表紙」が目立ったのではないかと。



友人の撮影より



珍しいところでは、英国に滞在されていた方が執事に反応されていました。何でも執事学校に通われていた方をご存知だとか。あと、動きとして『英国執事の流儀』がかなり順調に動いていた感じがして、もしかすると電子書籍化を進めた動きの中で、興味を持っていただけたのかもしれません。


友人の分+会場で推薦をいただく

今回、「新刊2冊ください」と友人の分を買われる方が10名ぐらいいらっしゃったように思います。何かこう、友人と一緒の同人誌を買うことで、同じ会話ができるきっかけになっているならば本望だと、胸を熱くしました。



と思ったら、今回、「その場で知人を紹介」して下さる方に出会えました! 自身でご購入されて気に入ったのち、なんと2回も別々の方をスペースに連れてきて下さり、私の同人誌をレコメンドして下さったのです。



さらに、別のサークルで本を買われた方がそのサークルの方のご紹介を受けたと私のスペースにて同人誌を手にされました。なにかこう、「信頼」をお預かりしたようで、とても嬉しかったです。



直接、ご紹介いただけましたこと、ありがとうございました。


Twitterやウェブでの交流

今まで「ブログを見ています」とのお話は何度かいただいたことがありますが、何気なく、Twitterを始めてから常連の方や、やり取りがあった方、紹介をいただいた方などを実際に面識を得る(名前と顔が一致する)機会が増えました。



今回は参加直前にTwitterでやりとりがあった方々にお会いできましたし、自分が記憶に残るエピソード(『英国メイドの世界』を通勤電車で読んでいる)伝えて下さった方とも、実はTwitterでやりとりをしていたことが判明しました。過去に日本のメイド同人誌を作っていた方にもTwitter→会場と、お話をすることも出来ました。



また、最近、Twitterでご紹介くださった方ともお会いできました。(元のTweetを私がRTしていたのかを聞き損ねてしまいましたが) もしもご迷惑でなければ、@で言及いただければと思います。


冷たい差し入れ

差し入れがとてもありがたく、冷たいゼリー、それにアイスwithドライアイスをいただけて感謝しております。ゼリー、甘みが染みてとてもおいしかったです。さらにアイスは近隣の方におすそ分けしたり、ドライアイスで飲み物を冷やしたりと大活躍でした。自分が今後差し入れをする際の参考にもなりました。



あと、いつも印刷を頼んでいるサンライズパブリケーションの担当の方が同人誌の確認にいらした際、差し入れとして叩くと冷えるアイスノン?的なアイテムをくださいました。緊急用とのことで、午後にこちらも活用しました。


出版お祝い

常連の方で、出版後に初めてお会いする方々から出版のお祝いの言葉をいただけたことは、とても嬉しかったです。また、帝國メイド倶楽部で同人誌を買われて以来、ずっと購入されているという方にもお会いできました。同人版や講談社版を読み込んだとのお言葉もいただけて、どんなボーナスステージという感じでした。ありがとうございます!



コミケで常連の方々とは長くお会いしてきましたし、その出版の続きとしての位置づけとなる新刊『英国メイドがいた時代』が、そこからの進化系として、今をお伝えできるものであれば、幸いです。何よりも、いつも違った価値を、同人誌では提供したいと考えています。前回を超える何かを追求して、「変化」をお伝えしていくことが自分のできることだと思っています。


ミニ情報

関係者の方なのか、下記情報をいただけました。







自分の同人活動にどう影響するかは分かりませんが、興味があるので出かけてきてレポートを書こうと思います。


想定の範囲外

コミケ最高!というぐらいの勢いで書いてきましたが、最後に、反省会です。


「100円玉不足」

始まってすぐ、理由はよく分かりませんが、100円玉の減りが尋常ではないことに気づきました。今回は1000円札で買われる方が普段の数倍以上いたようでした。だいたいコミケに来られる方はちょうどの値段で買われることが多いのですが、新刊の「700円」という価格設定は、『英国執事の流儀』と同じ値段です。同書を刊行した2009年夏には100円玉不足の危機が全く生じなかったことから、2年前と何が違うのかよく分かりません。



何よりも、17回目のコミケ参加でお釣り不足の危機が生じたのは初めてでした。そして今回、藁にもすがる思いで、普段はほとんど使わない携帯電話からTwitterにこう書きました。









すると、本当に奇跡的なことに、すぐに近隣にいたサークル参加(知人のスペースで店番をされていたとのこと)の方がTwitterを見て、両替を二度ほど申し出て下さいました。「あなたは神か!」というぐらいのタイミングで、泣きそうになりました。1度目の書き込みが10:53:13で、11:03:47に次の書き込みをできました。







さらに、他のブースでサークル参加されていた知人の方もTwitterを見て足を運んで両替してくださいました。その後も不足が生じたことで、何度か知人のサークルの方々や面識のないサークルの方に両替をしていただいたり、スペースに来られた方にちょうどの金額で支払っていただいたりと、多くの方の優しさに支えていただけました。



二度と同じことが繰り返さないように対策を講じますが、結果として「コミケという場の縁・繋がり」に支えてもらえる機会となり、初心を取り戻せた気持ちになりました。「優しさに、包まれたなら」というような展開で、本当にありがとうございました。


最後の罠:コミティア97はコミケの翌週だった!!!!

友人との打ち上げを終え、翌日朝からの仕事に備えるべく帰宅し、その日の報告をTwitterで行っていたところ、ふと気になる情報に接しました。コミティア97は、来週の08/21(日)開催であると。



ユリウス・カエサルは「人は見たい現実を見る」と述べましたが、私は「コミケの翌週が、コミティアであるはずがない。私の記憶する限り、ほとんど2週間後だから、これは間違いだろう」と思い込んでいました。しかし、今回に限って、コミティアに当選した封書を開封していませんでした。



開けると、08/21(日)開催で正解でした。



即座に自宅の在庫を宅急便搬出する準備をしました。しかし、コミケで余った在庫は大阪にある印刷所へ送り出したばかりでした。大阪からまた東京に戻せるのか分かりませんでしたが、日本の宅急便は非常に優秀だったおかげで、コミケから搬出した翌日に印刷所(大阪)に届き、印刷所からも「コミティアへの搬入は可能です」と連絡をいただきました。



ということで、なんとか、コミティア参加の準備が整いました。今日、ティアズマガジンも買いました。


次回以降

この後は例年通り、8月コミティア、11月コミティア、そして12月コミケに参加予定です。新刊については、貴族の領地経営の話か、創作パートの完結編を目指そうかと思っています。冬はあまり時間が無いので、創作の可能性が高いですが、果たして完結できるのかという問題もあるので、8月いっぱいは考えるつもりです。



というところで、コミケのサークル参加レポートを終わります。次回今週末のコミティアでお会いできる方は是非、お立ち寄りください。今回、完売した在庫も揃えてお待ちしております。



トラブルもありましたが、そのおかげで、いろいろと初心を思い出せたコミケでした。いつも手伝ってくれる友人たち、それにこの場でお会いできる方々に、感謝いたします。



後は新刊の感想をお聞かせいただければ、次回以降に反映していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。