ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

コミティア108にサークル参加

先日の05/05(火)に開催されたコミティア108にサークル参加してきました。スペースに足を運び、本を手に取っていただいた皆様、ありがとうございます! コミティアは参加し続ける限りにおいては様々な方が来訪されており、今回も初めて同人誌を手にされる方も散見しました。こういう機会は貴重なので、また夏の参加もしたいと思います。



とはいえ、このところ、自分自身は仕事の方に夢中になり、なかなか同人活動に時間を使っていません。そんな中、来週にNHK地上波での『ダウントン・アビー』放送が迫っているので、その後に、この界隈に興味を持つ方が増えていくことを願っています。そうした方達の受け皿になれると思いつつも、商業である程度本が出ている昨今、同人誌としてどのような切り口で本を作りたいのか、というところは引き続きの課題となります。



『ダウントン・アビー』を見る前に読んでおきたいカントリーハウスと職場の解説(2011/08/16に記載)



とはいえ、夏に向けてはここ数年の「メイドブーム研究」の集大成を作る予定なので、それが終わってから、英国メイド関連に軸足を戻す流れになりそうです。まずは足下を固めてから、これからについて考えたいとともに、『ダウントン・アビー』を多くの方と視聴できる時代を楽しみたいと思います。とりあえず、今週末ぐらいから時間の使い方を変えていきます。



ところで、5月のコミティアはここ数年で東館3つのホールを利用した大規模な開催が続いており、創作人口の広がりを感じずにいられません。また、コミティア自体が30周年を迎え、今回は記念としてコミティアを表現の舞台にされた作家による作品集が刊行されるなどもありました。



コミティア30thクロニクル 第1集

コミティア30thクロニクル 第1集





私にとっては2004年2月のコミティア67が初参加だったので、10周年となりました。1年に4回開催されるコミティアは私の同人活動では最も参加する機会が多く、常にいろいろな出来事がありました。初参加の際はコミケの勢いで大量に在庫を持ちこんで参加したものの、サークルスペースが狭く、また文章系はそもそも訪問する人が少ない、ということを知らず、イベントによる大きな差を実感させられました。10年前の話なので書きますが、初コミティア参加では、400部を持ち込みました。結果、80冊程度の頒布、率として20%という数字から、総戦力の多くを喪失したアムリッツァ星域会戦になぞらえたぐらいショックを受けました。イベントを理解していなかったためです。



しかし、実際に参加してみると、その数字でさえ、大きいと判明しました。コミティアはサークルアンケート回答者の頒布数字をティアズマガジンで公開しており、ネットで見つかるコミティア71の数字を見ると、中央値は22冊です。 コミケコミティアでは部数の動き方がまったく違います。



https://www.comitia.co.jp/history/71report.html



その後、コミティアへのサークル参加を行う中で、「コミティアの委託スペースを使った方が頒布部数が大きい」こともよくありました。2回目のコミティア68には委託参加で51部と善戦していました(『コミティア68』の結果(2004/05/23))。その後、一般参加して1桁ということもありました。



部数の観点で言えばコミティアコミケよりも難しいものですが(同人誌1トンを刷った経緯と部数決定のプロセス煮込み家とコミティアの相違を記載)、参加者の時間がなく目当てのサークルに一撃離脱していくコミケ参加時の行動と異なり、コミティアは比較的参加者に時間の余裕もあり、訪れた方と話す時間を持てましたし、表現される方との交流もありました。



あと、ネットの影響も垣間みることが出来たと思います。2005年ぐらいはイラスト同人誌はまだ冬の時代だったと思うのですが、pixivの隆盛に伴い、サークル参加者数も増えていったように思います。さらに、ニコニコ動画で人気の方が壁参加して行列を作る光景も間近で見ました。コミティアには「マンガでないと読まれにくい(人がそのエリアに足を運ばない)」的な雰囲気を感じていたのも事実です。しかし、それらはネットが次第に補完して多様なジャンルが成立しているように感じられます。



何よりも、コミティア独自の文化として素晴らしいのは、見本誌の一覧コーナーと、ティアズマガジンで読者支持で同人誌を紹介してもらえる機会です。これらははとてもユニークなものでした。



この2つは、どちらも通常ならば興味を持ってもらえない方々にも同人誌の存在を見つけてもらえる確率が高まる機会でした。ティアズマガジンでは、コミティア84と86で紹介の機会をいただき、実際にサークルを訪問してくれる方が増加する恩恵も受けました。



『ティアズマガジン』84/P&Rに『MAID HACKS』が掲載(2008/04/20)

次回『ティアズマガジン』86/P&Rに『英国メイドの世界』掲載予定(2008/09/18)



コミティア参加された方で、面白い・応援したい同人誌に出会った方は、是非、ティアズマガジンのPush&Review投票をしてみてください。 ティアズマガジン付属のはがきでも、ネット経由でも投票できます。



http://www.comitia.co.jp/form/pr/



同人サークルのモチベーションが上がりますし、紹介されることによって今まで出会えていなかった「より多くの読者に出会える機会」に繋がります。こういう「場」としてのコミティアの価値は本当に貴重なものです。