ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

星海社から年内に『日本のメイドカルチャー史(仮)』上下巻を出版予定

Twitterでは報告していたので、こちらにも。



星海社から、2017年内予定で、「日本のメイドブームを網羅的に解説する書籍」を刊行することとなりました。今時点の原稿量は約51万文字、『英国メイドの世界』2冊分で、分冊になります。2011年に企画の話をいただきつつ、仕事が忙しく進んでいませんでしたが、ようやく調査と原稿が完了しましたので、刊行に向けて進めます。予定では10-11月ぐらいです。











星海社からいただいた仮のタイトルは、『日本のメイドカルチャー史』です。1990年代後半からの「日本のメイドブーム」を5つの期間に分け、断続して「日本のメイドさん」「メイド喫茶メイドさん」を生まれていく流れを解説した本を刊行します。イメージが多様化するメイドが、ブームを終えて日常化する今の姿も伝えます。



ここ数年、日本のメイドイメージを考察する同人誌『メイドイメージの大国ニッポン』を刊行していましたが、そこからかなり研究領域を広げています。ベースは2011年から公開していた[特集]仮説『日本のメイドブームの可視化(第1〜5期)』となります。公開している内容は「仮説」ですが、そこからできるだけの情報を集め、しっかりと論として成立するように、ひたすら資料を集めて、作品を読んで、ようやく公開できる段階になりました。



上記、リンクしておいてなんですが、ウェブで書いているものは古く、情報も少なく、そこから新規資料や考察は広がり、別物になっています。全部を調べることで、見える景色もありました。



コミケをはじめ、同人誌即売会で出会ってきたこれまでの読者の方たちに、ようやく報告できました。これまでありがとうございます。この本の中に、メイド萌えのルーツが、あることを願って。内容が違うブームを扱うため、5冊以上の本のような構成です。狂気の情報量なので、ご期待ください。



そして、この狂気につきあっていただける星海社には感謝しかありません。講談社BOXに『英国メイドの世界』の同人誌をお送りして刊行が決まってから、2度目の「分厚い本」でもあります。しっかりと仕上げ、ユニークさと売り上げで、恩返しできればと。



「なぜ星海社なのか?」とのコメントも拝見しましたが、太田克史さんがいらっしゃるからです。『英国メイドの世界』を講談社BOXから刊行する決定をして下さったのも太田さんです。英国メイドの出版経緯は2009年に書いた講談社BOXから『英国メイドの世界』を来年春予定で出版しますに。



本書出版の経緯も、私の狂気に、侠気で付き合ってくれました。その辺りの話は、またおいおい。