ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

校正中

白い原稿用紙2ページ分を見ていると、突然、「あぁ、これはきっと土壇場でスペシャルなゲストが降臨するためのものに違いない」「この空白は必然なのだ!」「朝、目が覚めたら森薫先生の原稿があるかも!」と妄想しつつ、もう一方ではリアリストな自分がいるわけで、地道に、「これまでの同人活動を振り返るページにしようかなぁ」とか、「全7巻、総ページ数で500ページ超えたなぁ、なんか書いとくか」とか、感慨が適切かなと着地点を探してもいるわけです。



入稿は木曜日です。



待っています。



という話はさておき、500ページ、原稿用紙枚数じゃないですからね。馬鹿みたいにというか馬鹿そのままに走ってきた6年目の季節でございます。



気がつけばメイドジャンルを遠く離れた配置です。このままどこへ流れていくのか、しかしサークル配置担当の方は両隣を、知己のあるサークル様で固めてくれていますので、きっとこの配置には意味があるのでしょう。



ジャンル効果を離れて、どこまで同人誌本体だけで戦えるか? 思えば2003年夏、今から二年前のこと、意外と多くの読者の方に出会えました。その時の日記にはこう記してあります。


2003/08/17(日)

家を出た頃には雨が止み、有明についたときには太陽さえ見えました。コミケにはまだ神通力があったようです。



初めての宅急便委託も、東3スペース内部にペリカン便スペースが出来ており(雨の為?)、また今日は印刷所からの直接搬入が多いのか、ほとんど荷物も無いようで、すぐに見つけて、スペースとの往復に五分もかかりませんでした。



2回目のコミケ参加となる今回、幸いにも前回以上の好反応を得られました。様々な分野へ関心を持つ方々(メイドさん、ドール、TRPG、カントリーハウス、当時のイギリス文学)に手にとっていただけたのも、また感想を直接いただけたのも、本当に嬉しかったです。



今日は手持ちの在庫(コミケ直前に再版)をあるだけ持っていきましたが、既刊の1巻・2巻で完売となってしまいました。個人的には嬉しいのですが、やはり手に入らず、新刊だけ、或いは去年の冬の2巻だけ手にしているという方のことを考えると、心苦しいものがあります。



創作と言うジャンルで、かつ部数的にどの程度刷ればいいのか未知数、尚且つ通信販売もせず、受かるか受からないかもわからないコミケのみでの活動という現在、在庫もあまり抱えられない状況で、「どかーん」と刷れません。



まずは次回予定の冬コミでは既刊を確実に再版し、根性があれば新刊の3巻を出します。この3巻はある意味で本同人誌の山場となるものなので、出来れば丁寧に、かつ最高の物をじっくり作りたいです。その辺りは、日記に進捗を書いていこうと思います。



小学生のように昨日はあまり眠れなかったので、今日はもう寝ます……



本日は本当に、ありがとうございました!


気恥ずかしくなりますね。でも、それだけ嬉しかったのです。あの外伝1巻は自分の方向性を確かめる意味もありましたし、自分の中では最高傑作である3巻の準備にもなりましたし、一番熱気を感じた『SweetMaidGarden』にも繋がりました。あの時、いろいろな方と短い時間でも交わした会話を……記憶力が悪いので断片的にしか覚えていませんが、あの雰囲気、今も忘れません。



ネット上の付き合いをあまり広げない理由は、常にあの場所でしか会えない、あの場所を通りがかるだけの人にとって、入って来やすい場所でありたいからです。ただ本に興味を持ち、目の前で読んでくれる、そして買ってくれる。初めて参加したときから、その方針に変わりはありません。



小学生のように眠れないのは今も同じですが、あの頃に読んで下さった読者の方が今も足を運んでくれているような、そしてメイドに興味の無い人にも読んでもらえるような、興味のある人にはたまらないような、本を作れていることを願っています。