ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

ナニーの終わりへ向けて(17:10)

ナニー関連のエピソード整理や解説も、だいぶ骨格が出来上がり、肉付けも出来てきました。ほぼ一日を費やしてもまだ完全には程遠いですが、読めるレベルに近づけてきました。



今日のこれからの夜3時間で最終仕上げを行います。



どうしてこれだけ苦労したのかわかりませんでしたが、今まで、ほとんどこの方向性に意識を向けていなかったからなのでしょうね。貴族の子供たちを描くならば、ナースの仕事は必須です。しかし、久我が見ていたのは執事やフットマンやハウスメイドなど、「屋敷で主人の近くで働く人たち」だけでした。



少し意識を向けていれば、もっと創作が生まれたぐらいに豊富なネタがありました。



もうちょっと家庭的なヴィクトリア朝を描けそうです。



進みが悪かったもうひとつの理由は、「育児そのもの」の話も多いからです。育児事情は結局のところ、現代と重なるところが多いのです。育児で最も大変な身の回りの世話はナースメイドに任せつつも、一緒にいる時間を作ろうとした貴族たちの姿は、保育園に子供を預けている共働きの親と似ています。



これまでのメイドの仕事の話は自分でも体験のある「働く延長」のレベルで語れましたが、ナースメイドに関しては子供と言う存在の扱い、教育、しつけを含めたすべてが関連するので、親としての経験と視点がない自分には「普段使っていない筋肉」を使うことになったのでしょう。



だからきっと、最近親になっている友人たちの方がナニーの解説をより深く書けるような気がしますし、着眼点も違うのではないかと思います。そういう点では、育児中の友人に読んでもらいたい、感想を受けて、より共感されるテキストに仕上げたいですね(今すぐは無理ですが)



この前会った友人には、ランドリーメイドの辺りを読んでもらいましたが、「現代と比較できるから興味を持ちやすい」と言ってもらえました。「こんなことも知らないの?」というスタンスではなく、ちょっとした日常の延長、人の生活がどう変わってきたのか、というところを楽しんでもらえれば幸いです。



それでいうとまた、『Under the Rose』5巻の「共通点を探すゲーム」ですね。この言葉、原作での意味合いと少し違った意味合いかもしれませんが、いい言葉だと久我は思います。