- 作者: 森薫
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: コミック
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森薫先生の新刊です。森薫先生の作品の素晴らしいところは、描かれる世界への愛です。しっかりと心を込めて作っている、それを受け取り、その世界に没入する人が居心地の良い場所を、作ってくれています。自分の庭で育てた野菜や果物で、もてなしてくれる料理店のようなのです。
そしてテーマも、自分が元々好きだった物を選んでいるのが、強いです。好きなテーマであればあるほど、「誰かにやらされる」という言い訳ができません。すべて、自分で背負っています。
面白いところが、好きは繋がっていくところです。これは私見ですが、『エマ』で描いたイギリスでも羊の放牧や、ウサギ狩り(『エマ』の時代に弓矢は使いませんが)が行われており、もしかするとイギリス取材で見てきたものなのではないかと思ったりもするのです。馬の種類に詳しくありませんが、ヴィクトリア朝は馬の時代でもありました。
衣装や生活習慣に興味を持つと、それがどこに由来するのかを考え、また他の国ではどのように扱われていたのかも調べることもあります。いろんな要素が繋がっていくと、面白いです。アジア系遊牧民族には詳しくないですが、箱庭的な世界を楽しみたいと思います。