ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

原稿はほぼ終了+校正待ち+図版写真の調整中

久しぶりの出版進捗です。


作業進捗

現在、ゼロから原稿を書き出す部分はほぼ終了しました。1年以上この作業に費やしてきましたが、特に歴史部分は初めて書くことが多く、質的な面で書き直しや再構築が重なり、今もいくつかはチェックしてもらっています。



校正は翻訳校正が膨大になってしまったので時間がかかっています。翻訳校正資料作成→翻訳校正→チェック後、通常の校正を行っています。素人じみて全力を出して詰め込みすぎ、分量が後半になればなるほど大変なことになってしまっています。本当に間に合うかは確認しないと……



次に通常の校正ですが、今のところ使用人5職種(ランドリーメイド・スティルルームメイド・コック・キッチンメイド・スカラリーメイド)までは筆者の手を離れています。この段階でどのページにこの写真を入れたいとの指示を行っています。


図版資料の引用コスト

結構、深刻なのが「図版資料の引用コスト」です。まだ明確になっていないことが多いので確認をしていただいている最中ですが、イギリスの屋敷のほとんどは維持費を必要としており、管理する写真の引用にかなり金額がかかります。新規に撮影すれば良いのかも知れませんし(『MANOR HOUSE』のように)、何か提案を出来ればいいのですが、まだ種をまいている段階です。



英国政府観光庁に聞いてみたいところです。



本当に、他の図版資料系(特に『図説ヴィクトリア朝百貨事典』)はどれぐらいのコストがかかっているのか、恐ろしくなります。屋敷の写真と図版資料は扱いが異なりますが、このあたりが今、どこまで盛り込めるのか、編集の方に確認いただいている最中です。



そんなこんなで写真の管理元ごとに権利関係をクリアしていく(そもそも誰が権利を持っているか)対象が100以上になるかもしれませんし、ちょっとこの辺が今時点の自分では未知数です。10年後には現地に強いコネクションを持っておきたいところですが、今は徒手空拳ですね。



1:引用コストを下げる図版活用の道を見つける

2:コストを気にしない収益を出版以外で提案する

3:初版の筆者印税を下げる・筆者負担額を増やす



出版社として同様の取り組み経験があると思うのでその辺の確認と、もう少し発売の時期と部数が見えてきたところで、2の部分を詰めたいと思います。まぁ、こんな感じで結構、確認していただくことが多いので、手間がかかっております。



3も考えていますが長期的ではありません。この機会に本で扱われることでメリットを得られるプレイヤーを見つけようと考えていますが(本当に効果をもたらせるかが未知数)、お金をかければいい本が出来るわけでもなく、手間と知恵は絞らなければなりません。現状、そんな状況です。