ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

発売時期は2010年07月末〜08月か

最近、ようやく使用人の職種の最終稿がひとつ仕上がってきました。ここに至るまでのプロセスは非常に長く、自分が同人誌を作ってから丸2年を必要としています。総ページ数が600ページになっている現状、作業量は膨大です。原稿の多くは自分の手を離れましたが、その先が大変な負荷となっています。



今の業務として大きいところは、デザインへの当て込みです。引用が多いのと図版が多いので、物理的に時間がかかっています。編集部の方も私の業務だけに専念も出来ないので、仕上がりを待ちたいと思います。



業務フローを分けると、こんな感じです。言葉と分類は私の方での認識で、編集部や業界標準と少し違った区分けかもしれません。まえがき+あとがき、職種が19職種、他にもコンテンツがあり、それぞれが以下のフェイズを経ています。


■第零稿

【筆者】
1:原稿を書く。

2:引用した文献をコピーし、該当箇所との照合を行う。



【編集部】
1:借りレイアウトに当て込み、印刷する。
2:翻訳校閲
3:校閲


【筆者】
1:校閲を経た原稿の確認・不明事項の補足
2:書き直し・作業指示

■第一稿

【編集部】
1:校正原稿を読み、DTPで修正する
2:論理構成・文全体の精査の指摘


【筆者】
1:文章の見直し・修正
2:使いたい図版資料・図表などの抽出
3:図版資料・図表などのデザイン指定

■第二稿

【編集部】
1:校正原稿を読み、DTPで修正する
2:図版の精査と作成+権利調整
3:図版のデザイン書き起こし
4:校正


【筆者】
1:デザインの確認
2:キャプションの決定
3:校正の確認

■最終稿

【編集部】
1:校正原稿を読み、DTPで修正する
2:デザインの最終FIX
3:校正


【筆者】
1:デザインの確認
2:校正


【編集部】
1:校正原稿を読み、DTPで修正する


昨年11月の発売予定からは随分と延びていますが、こんな感じでフェイズが多い上に、私が大学の研究者ではないこともあって、手間がかかっています。次回、このレベルの本を書く時は、大学院以上か留学レベルの力がないと大変そうです。いずれにせよ、本が運良く売れた場合は、足元を固める意味で自身の能力を高める投資を行うことと、この界隈での知識を持つ方の力を借りやすい環境を構築したいと思います。メイド関連知識の広い意味でのインフラ整備、というのが自分の目標です。



[web拍手]ありがとうございます!

>2010/05/03 01時
>2010/05/10 19時
>2010/05/12 19時


>2010/05/09 10時 求めていたサイトです!もっと早く見つけていれば英国メイドの世界を今読めていたかもしれなくて悔しいです


暖かいお言葉、ありがとうございます! 2年前に作ったものを超えるものを目指していますので、もう少し、お待ちいただければ幸いです。