ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

今の同人活動は演奏会の準備に似ているかもしれない

今回、過去最多の絵師の方(今時点で8名を想定・増減あります:過去は一冊の新刊で最大四名の方なので、2倍)へイラスト・原稿を依頼するつもりです。それぞれの方々に個性を発揮して描いていただくのに、どのような構図や人物が適切なのか、今日はそればかりを考えていました。



去年の6〜8月ぐらいから進めていましたが、仕事の忙しさや同人誌新刊作業、それに「イメージしきれない」ことの甘さもあって、遅れに遅れていました。



自分の同人誌の原稿・これから描く内容とマッチするものを考えつつ、「いつ」「どこで」「誰が」「何をしているのか」を決定し、一枚の絵となった場合のイメージを作ります。ラフ絵が描けないので、それらを客観的に伝える資料を集める(写真・ドキュメント・構図・イメージ・絵画)のが、とても大変です。



「いつ」(照明の具合・季節:植物・天候の情報)

「どこで」(屋敷の中? どの部屋? 外?)

「誰が」(メイド? 執事? 貴族? どんな服装?)

「何をしているか」(画面上の場所・手に持っているもの・動作・表情)



そして、今日ですべてが終わったわけではありません。



まだ全員に詳細を伝えられるだけの準備も整っていませんし、何よりも、これだけ大勢の方に適切に要望を伝えつつ、さらに依頼をした後にコミュニケーションしていくことは未知の領域です。こういう点で、仕事におけるプロジェクトマネジメントと同人作業は似ているのかなぁと考えたりもします。



ひとつだけ言えるのは、締め切りへ、夏コミへ向けて走り出したことです。



全400ページを超えると思われる同人誌。印刷代もなんとかしないといけません。在庫管理がどうなるか、正直、青ざめそうです。でも、今年はこれに魂を注ぎ込みます。自分の膨大な原稿も並行してやるので、やるべきことがてんこ盛りですが、「最高」を目指します。



こう書くと「大変」なことだけに思えますが、「どういう絵ならばいいか」を考えていくと、時に「あれ、創作の神様が降りてきたかも」と思うような構図を思いつきます。具現化できるかもわかりませんし、伝え切れるかもわかりませんが、頭の中に見える、その構図。



これが見つかると、最高に気持ちいいのです。



今日も、これまで思いつかなかった構図を見つけました。何か「外に伝える為の」きっかけが無ければ、この世に生まれなかったものです。そういうふうに、「人に何か伝える過程で生まれてくる」ものの不思議さも、創作の醍醐味ではあります。



さらに、「自分だけで気持ちよくなる」わけではなく、それを絵師の方に伝え、想像以上のものや予想外の光の当て方で返されることも、楽しさのひとつです。ひとりでは味わえない面白さで、自分の視界も広がっていく心地よさは、同人活動をしていてよかったと思える体験です。



「総集編」を、どこまで味わいつくせるのか?



プレッシャーを大きく感じつつ、期待と楽しみを強く感じるのです。



こうした全体の流れが何かに似ていると思ったら、「演奏会」ですね。素晴らしい演奏家の方々に、作曲した曲を演奏していただく。指揮をするのは自分。観客ならぬ、「読者」の方に最高のステージを味わっていただく為に、参加していただいた方に、そして自分自身が「最高の瞬間」を味わえるように。