ようやくヴィクトリア朝に集中できると思ったら、月曜日は徹夜、翌日も働き、そして今日も午前様。給料日ということを忘れるぐらい、一ヶ月が早いです。仕事で全力を出す、ということを今の会社で教わっているのかなと。
という話ばかりではなんなので、最近買った本などを。
階級にとりつかれた人びと
ヴィクトリア朝関連で書籍を探している時にアマゾンの推薦で見つけました本です。イギリスの資料を読んでいると、「中流階級」には、上下があることに気づきます。真ん中はさておき、アッパー・ミドルクラスと、ロワー・ミドルクラスです。上・中流階級と、下・中流階級、と直訳すればそんな感じですが、この本はイギリスにあるこうした階級の差による、様々な文化や文学、表現を紹介してくれます。
メイドさん関連の話題で言うと、一人ぐらいしか雇えない・無理をして雇おうとするのが「ロワー・ミドルクラス」、それ以上を雇えて上流階級に近いのが「アッパー・ミドルクラス」という区分になるかと思いますが、使用人階級を「下層階級」(文章の中ではワーキングクラス)として、その階級がどう見られていたかなどの話も出ています。
具体的に言うと、これまでに取り上げてきた『比類なきジーブズ』『日の名残り』『ハワーズ・エンド』など、様々な作品の中にある階級的な描写について丁寧に説明してくれていて、そういう視点で見るということすら知らなかったので、新鮮な気持ちになりました。
使用人というワーキングクラス内でも、上級使用人と下級使用人がいるぐらいです。「メイドの制服が発展したのは、増加した雇う側の人々が、その使用人たちの階級に近い人だったから」との知識は知っていましたが、その近さ・距離感というものを、実感できる本なのではないかと思います。
使用人関連の内容にもそれなりにページ数が割かれていました。
もうひとつ、似たような本で『不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」』というのもあるようなので、これも買おうかなと思います。彼女もメイドですから……
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アニメ版『エマ』を何話か見た時点で、「生活レベルの違いはあるけど、階級差が伝わらない」とちょろっと描きましたが、この本を読むと、より『エマ』の背景世界が理解できるでしょう。それが面白さを増すかは別問題ですが。
こうした本の傾向として、どうしても研究者がいるジャンルの学問の領域に限られる傾向がありますが、多岐にわたる本も紹介してくれるので、値段の面でもいい本です。ただ、紹介されている参考文献がほとんど未訳かもしれないので、その点の障壁を越えるのは大変そうです。
WEB拍手
書き込み、ありがとうございます。
今時点では同人イベント(次回は受かっていたら夏コミとコミティア)でしか、頒布しておりません。ただ、さすがに時間の経過があったり(1巻の刊行は2001年)、書いた頃には無かった知識も増えていますので、時期は未定ですが、1〜2巻の総集編を出すつもりではいます。そちらは、『とらのあな』で委託できれば、したいと思います。
外伝1と外伝2は完全にイベント向け(委託してもらえるか不安。方向性が突き抜けていて、手にとって見てもらう必要性が高い)なので、こちらは委託をしていません。
以上の点、ご了承下さい。
興味をお持ちいただき、ありがとうございました。
ありがとうございます。久我はファンタジーが好きだったので中世とか近世とかの生活にも興味がありましたので、似た流れかもしれません。ここで何か、楽しみの幅を広げるのにお役に立てたら、と思いますので、今後ともよろしくお願いします。