ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『英国メイドの世界』AMAZON在庫切れと「執事」も扱ってますよ情報

久々にAMAZONでの『英国メイドの世界』在庫が尽きました。注文受付は可能です。これは返本などで本が出版社に戻ってくると補充されますので、実際には2〜4週間待ちより短い場合があります。



今のところ、『英国メイドの世界』の在庫は、bk1での通販と、ジュンク堂丸善の実店舗、紀伊國屋は通販と店舗にあるようです。ちなみにコミケのサークルスペースでは「商業資本」で作られたこの本を頒布できません。コミティアには持ち込めますので、08/28(日)には手元の在庫を数冊持っていく予定です。



AMAZONでの注文受付可能な「データ上の在庫」と、画面に表示される「在庫数」は差があり、たとえば現在はAMAZONへ実在庫を優先的に送るように出版社に依頼しており、都度都度、出版社へ返本があるとAMAZONへ在庫が送られて在庫数が増える運用となっています。



あとは増刷が行われた場合に回復しますが、仮に自分が意思決定を行える立場でも、なかなか出版後の増刷判断は難しそうですね。私は出版社の部数決定経験がないので同人時代の経験でしかありませんが、読者の方に読んで欲しいと完売しても利益が出ない印刷部数で刷ったこともあります。



多分、『英国メイドの世界』は数年単位で売れていくとは思いますが、在庫管理や費用の問題もあります。出版社は利益を出すところなので、何か目に見える形で山が無いと、返本都度の在庫補充の状況は変わらないのではないかと思います。専門家でもなく、情報を正確に持っているわけではない私の考え、との留保付きですが。



いずれにせよ、半年以上が経過する中で、今も新しく興味を持って下さる読者の方々にお会いできて、感謝しております。ありがとうございます! 本当に、今になって出版を知る方もいらっしゃいます。


また、『英国メイドの世界』というタイトルで「メイドジャンル」に突き刺さったものの、「執事・男性使用人」も扱っていることがなかなか伝わらない、という事象も確認しています。



世の中に伝わる「メイド・イメージ」の強さと、執事軸の伝え方(2011/02/16)



世に問いかけて、その反響を見て、伝え方を修正していく、という形ではありますが、この辺の男性使用人も扱っているとの伝え方は、別の機会に行います。


『英国執事の流儀』DLSiteでの販売、滑り出しは好調

昨日DLSiteでの公開が始まった『英国執事の流儀』、わずか1日でパブーでのダウンロード数3を上回る5という数字が出ました。ご購入、ありがとうございます! 楽しんでいただければ幸いです。



多分、パブーよりも告知の面が広く、「同人誌」「有料のデジタルコンテンツ」を買うことに慣れているユーザーが多いのではないかと推測します。



直接リンク:http://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ081564.html

告知情報:『英国執事の流儀』、DLSiteでも販売開始(2011/08/06)



初動だけかもしれないので、また一か月後ぐらいに数字を見てみますが、アクセス解析を見ていて気付いたこととしては、パブーでは閲覧数が多くても、自分のサイトへのアクセスはほとんどないです。本のページから著者ページに行かないと、著者サイトへのリンクが無いからです。一方、DLSiteは本のページに著者サイトへのリンクがあるので、流入がそこそこあります。



この点、ユーザー行動の違いもありそうですね。「お金を払ってコンテンツを買う」際には、コンテンツの質だけではなく、信頼性担保の意味で「誰が作っているのか」(ある意味でのブランド)も重要です。パブーは、その辺りを自サイトでのメディア化・プッシュで補っている感じがしますが、手間をかけた分だけの利益が出ているのか、ビジネスモデル的に気になります。


前回のレスです

『英国メイドの世界』発売8か月経過報告と電子書籍のアクションなどでいただいたブクマコメントへのレスです。




id:asakura-t:やっぱりシリーズ(レーベル)がちゃんとしてないと棚には残らないですよね。。。/それにしてもDLsite強いなー。電子書籍関連の話題でほぼ全く話題に出ないのが不思議。
http://b.hatena.ne.jp/asakura-t/20110801#bookmark-53032038


シリーズ(レーベル)は、コミケ同人誌即売会の「ジャンル」だとあらためて思う次第です。ジャンルを形成しないと人は通らず、興味を持たれないような。



出版で言うところの「流行」(『龍馬伝』の頃は坂本龍馬本、『もしドラ』が売れればドラッカー本など)はオンリーイベントに近いでしょうか? その意味で、メイド本は、「今までメイドの本を書いていない人が、メイドの本を書いた」(=ビジネスになると判断して)2005〜2006年が流行のピークだったと思います。



この辺は、強い作品(映画やドラマ含めて)が出ると変わりますし、その流れを自分で持続的に見せていきたいところではあります。ネットでは作者がその提案をできるので、そこは楽しみつつというところです。



DLSiteについては、上記のようにすぐに数字が出ました。あのサイトは連携しているサイトが多かったり、「デジタルコンテンツにお金を払う」習慣を持つユーザーが多いような気がしています。電子書籍サイトのユーザー構成を知りませんが、「無償コンテンツしか読まないユーザー」と「一回しか買っていないユーザー」と、「リピートで買うユーザー」の比率では、DLSiteは他に比べて最後が一番多いのではないかと。



「元々、同人誌でデジタルコンテンツを作っていた人」という表現者を集めるプラットフォームの違いも集客構造の差を生んでいそうです。



話題に上らないのは、本当に不思議ですね。