今日、午前中に『かげろう』を見に行きました。エマニュエル・ベアールの主演映画で、第二次大戦中のフランスの片田舎の光景が綺麗でした。
パリからの避難の途中で空から襲撃を受け、国道を離れて逃げることになった女性と息子と娘、それに息子を助けた謎の少年。四人で逃げるうちに屋敷を見つけ、そこに勝手に住み着くことになる……
ベアールの美しさだけを見ていたような時間でした。映画の中でもふれられていましたが、「笑顔が見たくなる顔」をしているんですね。「いつもつまらなそうな顔」をしている人が、目の前で笑ってもらえたら、きっと男なんて、くらっとしてしまうでしょう。
ある意味、島本和彦の『思いがけない一面作戦』ですが。
『8人の女たち』の時、あの人は30後半のはず。少女のようにも見え、年齢のわからない人です。実際の少女時代は、どんな顔をしていたのかなぁなんて思います。
さて、劇場のチラシを見て、そして予告編を見て、拾い物をしました。『真珠の耳飾りの少女』と題した、『かげろう』終了後に公開される映画は、フェルメールの有名な絵画の「モデルになった少女」と、画家との物語です。
映画の設定では、この少女、「メイド」です。色彩の感覚を持ち、フェルメールがその才能に惹かれていく。けれど少女は使用人で、妻は嫉妬し、その美しさに出入りの画商は欲望を覚える……そんなストーリーだそうです。
劇場を出るとき、前売り券を買いました。ヴィクトリア朝ではないですし、国も違いますが、メイドと主人との愛・才能のふれあいが主軸になりそうです。
身分が違い、家庭内では従者でしかない使用人の中に、主人と同じ芸術の才があったとき、それは社会的な関係性を崩し、周囲を巻き込んでしまうというような話でしょうか。
メイドや使用人、屋敷を知ることによって、過去の時代の映画や小説の舞台背景をそれなりに理解したり、感覚を共有していけるようになっています。