ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『げんしけん』

帰宅後、友人から借りた『げんしけん』を読みました。元々、この作品は母校である大学を舞台にしていましたから、興味がありました。特に作品内で言及されてはいませんが、背景に出てくる校内や学食、サークル棟の風景は紛れも無く、母校です。



自分が在籍した頃には「アニメ研究会」「漫画研究会」、そして「SF研究会」が部室を持っていました。「げんしけん」はSF研なのかなぁとも思います(規模が全然違いますが)。久我は1年の頃は数回「SF研」に顔を出しましたが、笹原のような悟りを(開きたかったものの)開けず、結局、中学の頃からずっと大好きだったTRPGサークルに所属しました。(大学から予算の出るところではなかったので、部室はありませんでした)



このサークルでは、極端にアニメや同人関連で突き抜けて「リミッターを常に外した」先輩も友人も、ほとんどいません。少なくとも、サークル員の前では……同人誌の共同購入をすることも無く、それほどそっちの流れにはむかいませんでした。十分、やっていることはオタクでしたが。



最初にコミケに行ったときの笹原の感想は頷けますね……というか、様々に大切なものを捨てきれなかった頃の笹原は、自分の学生の頃を思い出します。内容はなんというのか、「オタクってこんな感じだよなぁ」「どこかで吹っ切れないといけないんだよなぁ」「気づくと果てにいるんだよなぁ」と、非常に懐かしいというか、甘酸っぱいというのか、そんな気持ちで読んでいました。



コミケにサークル参加している時点で、そしてこのジャンルにいる時点で自分も、いいえ、10年前に笹原と同様に初めて一般参加したときから、自分は同じ「オタク」なんだなぁと実感しました。



4巻に再登場する、アニメ研を追い出された、コミュニケーション能力の無いクッチーみたいな人って、本当にいるんですよね。こういう世界を知らない普通の読者って、「げんしけん」を読んで「作り物」だと思うかもしれません。少なくとも高坂や春日部みたいな人はほとんどいませんが、それ以外のキャラクターはリアルというか、現実はそれ以上だと言うところですね。



ものすごく琴線にふれてしまいました。