ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

技術論と使用人の仕事の切り分け

前回、といっても去年の冬コミ向け新刊で悩んだのは、「キッチンメイドやコック」の仕事内容に、どこまで「当時の料理法」を織り込むか、ということでした。求めているのは料理のレシピではなく、あくまでも当時のメイドがどんな環境で、どんな仕事をしていたか、でしたので、なるべくそうした方向で作りましたが、今回の「庭師」の資料も、なかなか壁が分厚いです。



ひとまず翻訳を続けていますが、いつのまにか種の撒き方の説明に……面白ければいいのですが、専門用語続出でやばい精神状態です。また、ガーデニングについての和書も数冊目を通しましたが、「庭」の部分へのフォーカスが強く、キッチンと密接に結びついていた19世紀のカラーを出すには、やはり英書に頼るしかないようです。その為に、BBCが映像化した『VICTORIAN KITCHEN』と、その書籍化されたものを、以前から読み進めていましたが。



分かりやすい資料は、映画や小説の『秘密の花園』になりそうですね。多分、今見たら、まったく違う感想になると思います。昔はなぜ花園に鍵がかかっていたか、そもそもどうして壁にさえぎられていたかさえ、明確には分かりませんでした。



昨今、流行するガーデニングの資料は世の中に出回っているので、現代に残らなかった当時主流の料理系を中心に、情報を構築します。



それにしても、ゲームキーパーは壊滅しています。