ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

使用人と階級的な資料

今回の同人誌では、意図的に労働者階級的な感覚・視点を取り入れていません。自分が詳しくないことを解説するのは難しいからです。学問の領域として広すぎ、またきちんと理解するのは同人誌として進みたい方向ではないからです。



使用人と階級という両ジャンルに興味のある人には以下の本が参考になるでしょう。



『階級にとりつかれた人びと―英国ミドル・クラスの生活と意見』

『不機嫌なメアリー・ポピンズ』



そして、「労働者階級」そのものに関心のある人には、『ハマータウンの野郎ども』(ASIN:4480082964)が興味深いと思います。労働者階級に生まれた人たちが、なぜ社会的上昇の機会を逃すかのように学習機会を放棄し、自らの階級に帰属していくのか。



新潮社の雑誌『FORESIGHT』で書評を読んで買いましたが、「学校教育」についての生徒の価値観、いわゆる問題児の行動、彼らとのインタビューなどは非常に興味深く、面白いものでした。



実際の使用人にもこういう価値観の人は多かったことでしょうが、書くのが難しいんですよね。次回以降に書くつもりではいますが。