ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『英國戀物語エマ 第二幕』は第一幕の三倍のスピードで進行中では?

長くなったのでブログに書きます。

これは、『英國戀物語エマ 第二幕』第二話「月光」感想についたコメントへのレスから派生しています。



>小手鞠萌様
書き込みありがとうございます。



最初に匿名の方が書き込まれた内容そのものは、2点、学ばせてもらったと思います。




書いていて楽しくなかったものを公開したこと

第一話の解説と違って、第二話の今回の文章を書いていてあまり楽しくなく、筆が乗らず、無理に書きました。自分が書いていて楽しくないものを公開してしまった後悔もあり、それが読む人にとって、書き込むだけの何かを呼び起こしたことは、しょうがないです。



書いていて楽しくないものを書いたことを反省していますし、元々、冒頭部分で『前回同様、内容やストーリーの感想ではなく、描写として気になったところや「ここを見ると面白いよ」という制作側のこだわりを見つけていきたいと思います』と言っていたのに、否定的な強い感想を書いてしまった点もあったので、留意します。




第二幕の進行は第一幕の三倍のスピードで進行中では?

もうひとつ、今まで監督のインタビューに興味を持っていませんでしたが、それを教えてくれたことに感謝しています。自分が感じた違和感の源泉が、わかったからです。



自分が願ったことと、制作サイドは初めから前提が違っています。インタビューを読む限り、制作サイドは「無謀」なことをしています。



http://eg.nttpub.co.jp/news/20070328_13.html


第一幕:2巻分を13話

第二幕:5巻分を11話

(正確な数字で無いかもしれないので概算値として)



第一幕では1巻に6話を費やせましたが、今回は2話だけです。費やせる時間がわずか1/3になって、原作に準じた作品が出来るとは到底思えません。



これほど困難なことを実現するには、無理をしなければならないのは明らかです。そもそもこんな条件(前回の1/3の分量=3倍のスピードで進める)を、監督自身が自ら選んだとは思えません。3倍は大げさにしても、2倍は出ているのではないでしょうか?



スポンサー都合や予算の都合の中、なんとか今回のチャンスを逃さず、完結させたいのではないか、与えられた役目の中、ベストを果たそうとしているのではないかと、勝手に想像しています。



コミックスのアニメ化は出版社による広告宣伝、出版売り上げに繋げるものが多いです。邪推ですが、第二幕に関しては既存の読者からの需要はあまりなく、自分のような原作ファン、森薫先生の描いた世界の丁寧な再現を望むユーザは、対象外になっているのではないでしょうか?



今回、原作の魅力と思える部分をある程度切り捨て、オリジナルな部分を強め、読者に対してわかりやすさを提供し、ここで関心を持った新規読者の獲得を意図した番組なのではないかとも、思えるのです。(或いは原作を薦める意見をネットで見つけて、新しく生じる購買も?)



原作ファンを納得させるならば、第三幕ぐらいまで必要でしょう。今回のアニメ化だけで「完結」を目指すと決まったときから、何かの要素が切り落とされるのは必然です。そこで「ストーリー」「ドラマ性」を選んだと明言する制作サイドに対して、「使用人の描写」を望むのは、無理な話です。



そこで、指摘は正しい、と感じたのです。



最初、あの書き込みを見て、「え? 第二幕で終わるの?」と信じられませんでしたし、考えもしない条件でした。その条件に対して、何も言えません。原作との違いを取り上げ、原作の忠実な再現を望んでもしょうがないと、自分の意見を取り下げました。



と言う経緯を書けばよかったですね。



・自分で納得していない文章をあげたこと

・明らかに無理な進行で頑張っている制作サイド



客観的に見て無謀なことをしている監督に対して出来ることは、その作品の行く末を見守ることだけなのかなと、思うのです。



憶測と邪推も混ざっていますが、今回の第二幕は監督の方向性云々よりも、その企画自体が、作品そのものの忠実な再現を願う原作ファンに向けられたものではない(ように思える条件)、そうした考えを抱かせてくれたことで、違和感の正体に納得できたので、今回の書き込みはいい勉強になりました。




第一話のときはきちんと「『エマ』からメイド好きになった人向けに書けていたのですが、第二話の感想はその辺がぬるかったので、次回以降はもうちょっと気持ちよく書けるようにします。




こちら留意します(笑)

レス、ありがとうございました。