ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

やはりガヴァネスは……

1960年代に刊行された、18〜19世紀の使用人全体を扱った資料本を読んでいます。これまで読んでいた『ヴィクトリアン・サーヴァント』や『NOT IN FRONT OF THE SERVANTS』よりも古い本です。が、残念なことに、まえがきの文章にこうありました。



"It doesn't include the governess, who may have been treated as a servant but was not one; in any event, a great deal has been written about her."



ガヴァネス入ってないよ、あちこちでいっぱい本出ているから、そっち読んでと、総合資料本から見捨てられていました。今回の同人誌の資料からもガヴァネス外そうかなぁと思っているこの頃です。彼女だけ、確かに存在が特別なんですよね。日本でもガヴァネスをまとめた新書なども出ていますが、そこに依存しすぎるのは、同人資料本制作の立場として、好きではないのです。



というか、新書で出ていた例の本の増補したもの、異常に高いんですね……AMAZONで星ひとつだから何事かと思いましたが、1000円以下の新書が改訂版で3600円というのもすごい話です。



ガヴァネス―ヴィクトリア時代の〈余った女〉たち

ガヴァネス―ヴィクトリア時代の〈余った女〉たち





表紙は、リチャード・レッドグレイブですね。



何か一冊英書で見つけるか、面白いネタを見つけられたら、書きます。新書で持っている本の巻末でも見て、参考文献を探してみます。



キャラクター自体は『Under the Rose』のレイチェルが際立ってよいのですが。そういえば『Governess』という映画もありました。懐かしい。