ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

百年前の英国と現代日本の近似

雑談ですし、特に論証はしません。感覚です。メイドの勉強していて思ったことです。


  1. 格差社会

階級が二分化し、富裕層とワーキングプアの二極化が進む。豊かなものはより豊かに、貧しきものはより貧しく。中産階級が減っていく。


  1. 食糧危機

人類の移動手段の為に、穀物が使われる傾向。



過去の英国では馬の為に用意する牧草地や餌が、人間の食べる穀物生産に影響を与えると懸念。マルサスの研究? 蒸気機関の発展の理由のひとつは、馬以外の交通手段・動力機関が必要だったから、と言う見方もある。


  1. 年金の初期化とメイドさん(百年前の労働者)の境遇

当時最も多かったメイドさんの将来は近似。ほとんどのメイドさんは年金も無く、年金があった場合も仕えた屋敷に依存する(厚生年金のようなもの)。年金受け取れた使用人は全体の1%にも満たないと思いますが(資料なし)、死ぬまで働くか、救貧院に収容されるか、親族の元へ。



現代日本でも貯金のたまらない、ワーキングプアの実態も似ているのでは? 将来への不安は百年前と同じ? 年金制度の崩壊で、制度自体が無かった頃に初期化している気がする。突然の解雇(主家の都合/感情/経済的事情で簡単に解雇される)によって働けなくなるのも似ている。


  1. これは関係ないかもしれないけど
    1. 家族制度と家計の負荷

家族から切り離されたり、家族と協力して暮らさないと経済的に辛くなるリスク。家賃が大きい。住む場所に困る。一人暮らしは独立だけど、経済効率性では圧倒的に悪いはず。コミュニケーション不足や孤立感も増し、資料は無いけど、一人暮らしの経済的理由による犯罪率は家族同居よりも高いのでは? 同居による殺人事件の増加も最近多いような気もするので、一概に言えないが、経済的理由ではないと思う。


    1. 晩婚化/少子化

自分が年取ると親も年取る。昔の早婚や多子多産は年を重ねた自分/一族を支える新しい労働力を得るのに貢献していたのではないか? 「親が若いから、子供が無茶できる」のだなぁと。親が年を重ねると、段々と昔よりも社会的な能力/対応力は落ちていきます。



歴史はそのままに繰り返しませんが、似ているところもあると感じたのでつらつらと書きました。主観と感覚なので、気が向いたらまともに考察しますが、ブラッシュアップする時間と機会は今時点ではありません。