ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

コミックマーケット75・サークル参加観点での感想

13回目となるサークル参加を無事に終えられました。今まで同様、サークル参加者の観点で感想を書きつつ、今後の同人活動を考えていく振り返りの機会とさせていただきます。サークル側がどのように考えているかなど、同人活動を知る意味で参考になれば幸いです。


朝の諸々

サークル入場で午前七時には会場入りしました。この頃から既にサークルの人も姿を見せ始めており、準備が始まります。今回は自分での搬入と印刷所からの搬入でしたが、『英国メイドの世界』在庫が場所をとるので、再び椅子無しで臨みました。



この時間ぐらいに入っておくと、準備が非常に楽です。



後は頃合を見計らって知り合いの方に挨拶をしました。ここでしか会えない方に会う、というのはいつものことながら不思議な感じがしつつも、楽しいです。



会場は比較的暖かく、防寒対策があまり意味の無いものになりました。スペース的にも真ん中の方にあり、シャッターが開いても寒さを感じにくいポジションでした。なので「寒さに震える」ということは今年はありませんでした。



今回もお隣は『英国メイドさん協会』様でした。クラシカルメイドのコスプレをされている方々が売り子をされているので、スペースにいながらコスプレを拝見できるという配置でした。


会場の人数

今回は「ずっと人が多かった」印象です。朝の会場前行列が去った後の一般入場組みも人足が絶えず、例年よりも多いように感じました。またネットの影響でか、大学生か、高校生か、比較的コミケ経験が浅そうな若い男性が多いようにも思えました。



人が多かったので、午後になって落ち着いてようやく、「外から入ってくる風」に気づく、という有様でした。スペースに立ちっぱなしとは言え、寒さは感じませんでした。



但し、年末というせいか、退場する時間が早い印象もありました。午後三時を過ぎると残り一時間あるものの、どんどんと人が去っていくのです。サークル側も撤収が早く、今回、久我も宅急便を考慮して、閉会前に撤収しました。



サークルが撤収するから早く帰るのか、人が早く帰るからサークルが撤収するのかわかりませんが、年の瀬というのは大きく影響していたと思います。


ここでしか会えない、ここでこそ会える方々

何度と無く久我のサークルを訪問して下さっている方々にまたお会いできたことは、嬉しいです。リピーターと言えるのでしょうか、「コミケに出れば新刊を買いに足を運んで下さる方々」が、だいたい今は150〜200人ぐらいいらっしゃいます。



これだけの数の人たちがいればこそ、本当に、活動を続けられていると思います。お名前を存じ上げない方がほとんどですが、またお会いできて、嬉しかったです。



大きなB5サイズだった頃の1巻を持っていて、本当に久しぶりに来たという方や、ずっと夕人に頼んでいたのをようやく自分が買いに来られた、と教えてくださった方々にもお会い出来ました。



自分が参加を途中で止めれば、会えなかった方々です。



ネットの効果とセット買い

総集編を取り上げていただいたのが9月のことでしたが、今回の参加でも何名かの方が「これが、アキバBlogで取り上げられた本ですか」とおっしゃいつつ、入手されていきました。



また、「とらのあな」通販で総集編を購入されたと思える方も非常に多く、「総集編以外の既刊全部」という買い方をされる方も多々いました。全冊のセットを買われる方も今回、十名程度いました。



その点ではセット用の袋を用意したのは正解でした。


総集編の反響を得る日

今回は同人活動をしていてよかったなぁと思えることが数多くありました。夏コミは「総集編を頒布できた喜び」ならば、冬コミは「総集編の反響を味わった喜び」と言えると思います。



とにかく、今回は感想を多くいただけました。ただ、残念なことに何かこう話を始めるとスペースに来る人が増える傾向があり、十分に話すことが出来なかったのが心残りですが、印象に残ったことなどを。


総集編を読み終わらない

多くの方に「まだ読み終わっていません」「三分の一しか……」との言葉をいただきましたが、「読みたいところ」から気長にお読み下さい。



冒頭の「使用人の歴史」は若干冗長なので、「ハウスメイド」「ランドリーメイド」、もしくはキッチン三部作「スカラリーメイド」「キッチンメイド」「コック」の流れが、個人的には実例が多くて面白いと思います。



そんな中、「読み終わった」と伝えてくださるツワモノの方たちも数名いらっしゃいました。ありがとうございます。最後の最後にお隣のサークルのメイドさんから「読み終わってます」と聞いた時は、「こんな近くに!」と驚きました。



校正した友人たちは一様に、「校正だけでいいや」的な雰囲気ですが(笑)


人の人生の彩(いろどり)のひとつになること

今回、今までに無い体験もありました。



これまで、メイドやハウスキーパーのコスプレをされている方々にご来訪いただいたことはありますが、今回は現在執事を職業としてやっている方が二名いらして下さいました。(執事喫茶やサービス業として務める方だと思います。差し入れを下さった方の焼き菓子を見たところ、執事喫茶Swallotailのものでした)



最初の方は資料を探しつつ、執事学校への留学も検討しているとのことでした。もう一方は久我の資料本が参考になっていると伝えて下さいました。



久我は資料本で英国で実在した執事たちの言葉や仕事のスタイルを紹介して来ましたが、そこから何かを得て、自分の仕事や生き方に反映させていく、学んでいこうとする方に出会い、静かな感動を覚えました。


同人活動自体が、自分にとっての作品になると言う期待と希望

生き方を変えられるような、そんな大それたことは出来ません。



しかし、誰かが生きるその中に、自分が作った色彩が加わっていくことが、どれだけ素晴らしいことなのか、少し落ち着いた時に訪れたその静かな感動が、今回のコミケで得た大きなものでした。



昨日も日記に書きましたが、何かを表現し、人を動かせれば、その反響が再度自分にも立ち返ってくる、と思います。それがまた新しい「作品」になるのではないでしょうか?



同人活動を通じて、「同人誌」と言う作品を作るだけではなく、「同人と言う場」を通じて、いろいろな方の人生に色彩を増していくことが出来ているように思えます。



自分にとっては同人誌だけが作品ではなく、初参加した2002年から現在に至るまでの活動そのものが、ひとつの作品ではないのかと思えています。こうした「サークル活動」自体を作品と考えることが出来たのは、昨日の体験があってこそです。



ならば、そこで培われた活動・作品そのものを昇華させ、より高めていくことが今後の活動の方向性にもなって行くと思います。そしてこれが、同人で無ければ出来ない活動のひとつなのでは無いでしょうか?



今年一年の振り返りとも重なりますが、今回のコミケは感慨深いものがありました。



本を手に取っていただき、誠にありがとうございました。



それでは、良いお年を。



十大ニュース的な何かはそのうち更新します。


FAQや質問されたことなど:後日更新予定

『英国メイドの世界』の在庫はまだありますか?
5〜8巻の総集編は刊行しますか?
次に参加するイベントは何でしょうか?
公爵家の物語は載っていますか?
貴族の生活は載っていますか?