ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

使用人の時代の終わりに向けて

使用人の時代の終わりに向けての資料を集めていますが、情報の絶対量が足りず、構成が難しいので、今年の冬コミを目標にしました。



資料を集めれば集めるほどに、知りたいことが増えていきますし、「仕事を書き出す」作業よりも、社会背景への理解が求められる比重も高くなってきて、そこの下地作りが時間かかりそうです。



特に、「使用人の変化」は、「社会環境の変化(使用人の側の意識・選択の機会)」だけではなく、「職場の変化(貴族や中産階級の経済力・生活様式の変化)」も関わってきます。使用人の視点だけでは、描ききれなくなってくるのです。



当初は貴族の生活を描こうとして使用人にはまり、使用人の仕事を突き詰めた先のゴールはスタート地点である貴族に戻って来ました。



ということもあり、最近は貴族の手記にも手を広げ始めました。手始めに買ったのはDuke Of Bedfordの書いたもので、イギリス貴族の中で歴史があり、最も裕福な公爵家がどのように生きてきたのか、そして書いている公爵(二十世紀初頭生まれ)の見てきた世界が、非常に面白いです。