ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

コみケッとスペシャル5 in 水戸

2010/03/21(日)〜03/22(月・祝)に開催されたコみケッとスペシャル5(水戸コミケ)に参加してきました。サークル参加は2日目でしたが、何があるか分からないのと観光をしたかったので前日入りし、一般参加も久々にしました。



会場にてお会いできた皆様、ありがとうございました。



なお、ここに書く感想はあくまでも「同人誌即売会」としての観点なので、明日以降に、一般参加者の視点で水戸コミケ全体の感想を書くつもりです。「水戸コミケ」の感想か、「東京以外で開催された同人誌即売会」の感想か、微妙かもしれませんが。


同人イベント参加者として

参加雑感

今回の水戸コミケは初めての開催なので規模や雰囲気が分からず、サークル参加者としては「過剰な搬入を避けよう」というのが第一目標でした。また、イベント当日に会場入りできない事態を避けるため、前日入りを決めていました。



お祭り的なものなので普段とは違う雰囲気だと思いましたが、いろいろと勉強にもなりました。東京以外の場所でのイベント参加は初めてでしたが、普段と微妙にお会いする方が違うのです。



「この方にお会いしないとコミケが始まらない」という方にもお会いしたり、常連の方々にもお会いできましたが、初めての体験もありました。無料配布のペーパーに「いつも読ませてもらっているので」とお金をいただいたのです。(記念に保管しています)



今回に関しては地元でコミケが開催されたからやってきた、というような方々を散見しました。「初めてコミケに来た」という方がスペースにいらして、本を買っていただけた時は正直、嬉しかったです。また、地元の中学生らしい子供達が会場を歩いていたり、同人誌を買うのに慣れていないのか緊張している方や、多分久我の同人イベント経験では初めてですが中学生にメイドの資料本を買ってもらうなど、10年目のサークル参加ながら、新鮮な気持ちにさせられました。



特に地元開催であることで、普段は多分コミケに来られないであろう子供たちがイベントに参加し、同人誌に触れているのを見ると(久我の参加スペースの階は4Fで創作少年少女など)、何かこう、年齢を超えて受け継がれるものがあって欲しいとは思いますし、自分より上の方々は自分たちを見てそう思われているかもしれません。



そういう想いが集う場としての同人には恩返しするため、サークル参加することで「同人の色を増やす」「同人はこういうこともできる」という点を伝えられるように意識していますが、若い世代を間近に見ると世代交代的な想いもしてきて、「引退」の文字がちらつきました。いずれにせよ、お会いした方々に良い体験をしていただけていれば、参加者として冥利に尽きますし、来て下さったことが自分には大きな励みになったことを、お伝えできればと思います。



正確にいえば、視点が逆かもしれません。普段は地方の即売会に参加しない久我のようなサークルにとって、普段出会えない読者の方と出会ういい機会でした。5年ぶりのコみケッとスペシャルというきっかけがなければ参加しませんでしたから。



全体に参加サークルが少なく、お祭り的な雰囲気から歩きやすく、ある種、「コミケ・創作少年ジャンルの15時以降、買いたいサークルは無いけど、何か新しい出会いを探して練り歩く人たち」というような方たちにもお会いできました。忙しいコミケではどうしても行動範囲が限られますが、それ以外のイベントではこういう出会いがあるので、いいですね。いつかは分かりませんが、東京以外のイベントにも参加してみたいな、と思うようなきっかけや、新しい出会いをくれたことに感謝しています。



少し気になったことは「地元・水戸で開催するから、同人誌もコミケも何も知らないけど、同人誌を読みに行ってみよう」と思われた方がいたかどうかです。今回は街中で市の協力を得て行われました。同人はなかなか理解されにくい面や偏見で見られる部分もありますので、多少は「いろいろなサークルがある」ことを知って欲しいとは思っていますが、地元の方にどこまで伝わったのか、正直分かりません。入りやすい雰囲気でもありませんでしたし、入る理由もなかったかもしれませんが、報道のされ方も「萌え」か「ビジネス」が多く、開催場所が変わっただけで、交通量を増やしただけなのではないかと思う部分もありました。



とはいえ、「一度はコミケ行ってみたい!」と思っていた方が参加していれば、十分ですね。個人的にその辺りは、会場で見た今回の若い参加層を見る限り、達成されていたように感じました。


会場や運営の感想

基本的には会場が狭かったものの、その分、スタッフの密度が普段よりも高く感じられました。初日は会場の周囲にあふれていた待機入場列を見て「あ、無理」と思いましたが、実際にサークル参加して入場列のさばき具合を見ていると、安心して参加できるものでした。



エレベーターやエスカレーターが使えないと事前に聞いていたので、移動に関しては特に気になりませんでした。スタッフの方が大勢いる分だけ相談しやすく、実際に何回か、助けていただきました。



あと、今回はブロックノートがありました。実のある内容は書けませんでしたが、同じブロックの方々の絵を拝見できて、役得だなぁと思いました。一番驚いたのは、ブロックノートでよしづきくみちさんの鉛筆書きのイラストを拝見できたことです。



同じブロックにいらしたんだ!と驚きました。こういうことが起こりえるのも、今回のようなイベントならではですね。以前、同人誌の『すなぼし』を読んだときは登場人物のまなざしや感情の描写に感動して、そのままの気持ちをメールにして感想をお送りしましたところ、御返事もいただけて、自分にとって得難い体験となりました。



あれからもう4年近く経過しているんですね。ファン心理としてはご挨拶するべきか、ご迷惑かと悩んでしまって今回は何もできませんでしたのが反省です。そういえばこのところ、引きこもっていますね……


『M.O.E -Maid of Experiment-』

自分が参加した、きっしーさん主宰の5年ぶりのメイド創作合同誌『M.O.E -Maid of Experiment-』を読みました。ここでも、新しい方々にお会いできた、そんな気がしています。



元々同人活動の開始は「自分が読みたい本を作る」ことがきっかけでした。過去にはメイド創作をされている同じジャンルの方の本をそこそこ買っていたと思いますが、次第に参加中に自分のサークルスペースを離れることをためらうようになり(自分で頒布することで読者の方とお会いできる楽しさを最優先)、他のサークルを巡らなくなってしまいました。



そういう、メイドジャンルにいながら止まっていた自分の時間を動かしてくれるのが、今回の合同誌でした。メイド創作同人誌を刊行した年を作家ごとに記したリストがあったり、魅力的な絵を描かれる方に出会ったり、一読者として楽しめました。



自分の書いた原稿は、今思っていることを書きました。今までの同人活動で、自分はあまり「メイド」そのものについては言葉にしてきませんでした。自分が思う「メイド」は作品として世に出せばいいだけだと思っていたからです。とはいえ、前回の『M.O.E』同様に、時々は振り返ってみるのもいいものだと思いましたし、振り返ることで先に進むヒントが見えるものだとも感じました。



M.O.E -Maid Of Experiment- BLOGにて、COMIC ZINにて委託を行うとのことで、興味のある方は是非ご覧ください。