ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『英国メイドの世界』出版告知&2010年夏予定で進捗中

(※2010年10月現在、11月になりそうです。)



2009年夏コミにて出版決定を発表し、11月には講談社BOXと社名を発表しましたが、いろいろと作業が膨らみ過ぎたことで発売時期が遅れ(2009年11月→2010年春)、正式なスケジュールが見え始めた新年度、本日の講談社BOXのメルマガにて告知をしていただきました。



04/01ですが、エイプリールフールではないです。




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【2】『英国メイドの世界』(仮)がこの夏お披露目です!
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速報!
この夏、講談社BOXより、『英国メイドの世界』(仮)が刊行されます。
2008年にコミックマーケットで発売され、コミケカタログよりも厚いと評判になった、
メイド研究を極めた一冊。
日本で未翻訳の資料を読み込み、こつこつと独自の研究を重ね、自費出版で刊行した情熱の一冊が、
いよいよ登場します。


この一冊さえあれば、メイド、執事が登場するあらゆる作品の見方が変わること間違いなし!
一家に一冊の使用人大全となる著作となります。ご期待ください!

講談社BOXメールマガジン
「ファンタスティック講談社BOX」vol.110【10/04/01配信】より引用
メルマガバックナンバー

講談社BOX





去年から筆者だけが告知している状況でしたので、情報の正確性は微妙と思われていたかもしれませんが、これでようやくいろいろと動きが取れそうです。タイトルは(仮)です。『英国メイドの世界』には深い思い入れがありますが、「世界って何ぞや?」的な部分で必ずしも内容を分かりやすく伝えていないので、編集の方と相談して決める方向です。



内容は屋敷内で働く使用人を網羅し(メイドだけではなく、執事・フットマン・ガーデナーなども)、使用人の就職・転職事情や衣食住に加えて、中世イングランドの貴族の屋敷を起点とする家事使用人の歴史、そして20世紀に入ってからの使用人が不足した社会問題と政府の対応、貴族の衰退の歴史も扱います。



メルマガで御紹介いただいたように、本書を読むとたとえばアガサ・クリスティ作品に散見する表現や、彼女の選んだ単語や設定について、気づくことが増えると思います。知識としての部分と、今まで接している作品を別の観点で照らす点で、2度おいしい本を目指しています。(刊行時に、この辺りの意図やもう一つ目指す方向性を細かく書きます)



同人版は内容が細かすぎたり、密度にむらがあったりしたので、今回は編集の方や校正の方々のお力を借りて大幅に書き直し、読みやすさや分かりやすさを重視して作りこんでいるところです。同人版を書く以上に時間を費やしていますし、正直なところ、講談社BOX以外の編集部では挑戦してもらえなかったぐらいに、大事に手をかけていただいているのではないかと。



棚卸的な出版進捗として、翻訳校正の反映で18/19職種+コラムが提出済みです。翻訳校正反映後の校正は12/19職種が終わり、4職種が手元で作業中となり、このほかに4章分の職種以外の翻訳校正準備原稿がある状況です。図版や詰めていない仕様も残っていて、これから詰めていきます。



当初の予定から延びてしまっていますが、より多くの新しい読者の方に伝わりやすい内容として、興味を持っていただければと思います。さすがに夏コミより前には出ているはずです。



そういえば次回5月のコミティア92受かっていました。何か見せられるものがあれば用意しますし、パンフレット「ティアズマガジン」のサークル告知板にも編集部の方に作っていただいた案内を載せてもらう予定です。



決定から超・長期戦の作業ですが、ゴールが見えてきたので残りを頑張ります。