ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『英国キッチンメイド・レミー』とメイド表現の進化

以前、酒井シズエさん(米寿)のブログで存在を知っていたものの、自分の出版で手いっぱいだった頃に重なってご紹介が遅れましたが、秋田書店の漫画雑誌『ミステリーボニータ』で、『英国キッチンメイド・レミー』という漫画が不定期で連載されています。



こちら著者の林美里さんのブログでの告知です。



英国キッチンメイド・レミー 掲載のお知らせ



「メイドの役職」がタイトルに冠せられて作品が発表されるというのは極めて珍しいことで、私が願う方向で時代が変わっているのかなぁと思います。本格的な作品を読者として楽しみたい自分にとって嬉しい出来事です。秋田書店なので、もとなおこさんのヴィクトリア朝を描く作品シリーズの影響もあるのでしょうか。



メイドを職種レベルで描くのは非常に困難です。『武士の家計簿』が「武士の事務仕事はこうなっている」と示したような、難しさを伴います。今、1970年代の少女漫画、1990年代での「メイド萌え」成立といった日本でのメイド表現の変遷・歴史を調べていますが、創作の中でメイドを描こうとすると、どうしても「知識」が求められ、表現に制約が伴います。



ある意味、1990年代後半から「日本のメイドさん」(家政婦的存在)が進化しえたのも、空白を埋める形で創作する余地が大きかったからではないかと考えています。(後は制服自体の魅力・雰囲気)



描く方の多くは、好きだから描き、また読みたいから描いていると感じますし、森薫さん、もとなおこさん、共に英書を参考に漫画を描かれているので、かなり自分で調べることが前提となっています。



何はともあれ、「キッチンメイド」で作品が描かれるまでに進化した状況は私には嬉しいですし、林美里さんのブログで貴重な資料。として『英国メイドの世界』を発売時に取り上げていただけたことを知り、光栄に思います。