ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

シャッツキステのメイド夜話部・参加感想

秋葉原シャッツキステで現在開催中の『英国メイドの世界』出版記念コラボイベント、『英国メイド好きの世界』で、昨日2010/11/25(木) 20:30から行われた「メイド夜話部」にゲストとして参加してきました。メイド夜話部はシャッツキステ所属のメイドさんが、毎週木曜日に自分が思い入れを持つ作品について熱く語る企画でしたが、ちょうどイベント期間と重なったこともあって、著者が初参加という珍しい事例になりました。



うろたえないように、アウトラインを記したドキュメントを持ち込みましたが、店長・有井エリスさんの軽妙洒脱なサポートを受けて、自著についての紹介やこの領域で本を書くほど好きになった経緯、メイドや執事などにまつわる面白エピソード、事前にいただいた質問やその場での質問への回答、そして歴史的なメイド好きから見た日本メイドが持つ可能性について、1時間+15分ぐらいでお話ししました。



快適で暖かい場だったこともあって、あっという間に時間が過ぎました。本の読者の方々に実際にお会いすることができて、とても貴重な機会となりました。お店のファンの方々、私の本に興味を持って下さった皆様、同人イベントでお会いした顔見知りの方などお会いできた皆様、本当にありがとうございました。何か得るものがあれば、幸いです。



当日、エリスさんのお話では20名近く入れなかったとうかがっております。大変申し訳ございませんでした。私の知人や大変お世話になっている出版社の方々も入れなかったとのことで、この盛況は想定外の事態でした。シャッツキステや私の著作に興味を持ってお越しいただいた方にお会いできなかったのは心苦しくもあり、有井様からの提案を受けて、別の形で何かできないか調整しております。



追記:2010/11/27 最終11/28(日) 20〜22時で顔を出すことになりました。









メイド夜話への参加に際して、講談社BOX編集部様からお菓子(メイドの皆様といただきました)と、星海社様から素敵な花束を頂戴いたしました。ありがとうございました!






参加雑感

どうして好きになったかとは、難しい質問です。ある意味、本を出すぐらいにメイドが好きなのでしょうが、自分にとっては調べることがもはや生き方といえるぐらいの自然なことになっていて、好きが先にあって理由を探すのか、理由があるから好きになったのか、正直なところ自分でもよく分かっていません。



この辺りは、実際のあの場でお話をしてみて、意外と共感されたのはハウスの世界名作劇場あたりでしたし、以前に記した仮説・宮崎駿監督アニメの服装とメイド服イメージについて(2010/10/09)に書いたことと重なりました。ただ、数多くあるうちの中の「好き」のうち、なぜそれが自分の中で生き残ったのか、その原因は一つではないと私は思いますし、そうした「どうして好きなんだっけ」というのを、あの場にいらした方々や、Twitter上で見ていた方々に問いかける機会になれたことは、嬉しいです。



また、今まで、私はこれだけ同人活動を続けながら、ほとんどメイドが好きな方と交流をしませんでした。話をすることで満足して作れなくなるのが怖いという発想でした。ところが去年、長くこの領域で活動される方々とお会いし、話すことで自分の情報の伝わり方や、相手の視点から学ぶことも多く、好きな領域を長年持ち続けている方とお話しするのは、とにかく楽しかったです。心理的に同行の士と話すことを受け入れられたのも、自分の足元が確立されて、物事における「守破離」において「守」の段階を離れつつあったからでしょう。



好きをシェアすること自体は同人の場で行ってきたつもりでしたが、今回のように「好きをシェアする」メイド夜話部というイベントは最適なものでした。有井様との対談を楽しむという意識で参加し、無事に終わってホッとしております。



実際に語ることでどこが響き、またどの伝え方が良くなかったかも見えてきたので、その辺りの感触は改善していくつもりです。4年近く趣味で続けるボイトレの成果もあって、1時間話しても声がまったく枯れずに済んだのは、よかったです。好きなことを話す場所で、他の好きなことが生きるような、そんな機会でもありました。多分、「伝える」ことが好きで、「どう伝わったかを知る」のも好きで、その先に「では、どう伝えるか」を考える、この繰り返しが染みついているんでしょうね。


「同じ好きを語る」きっかけ

今回のイベントに出て、自分は本が好きなんだなぁと、つくづく感じましたし、本を通じて好きが繋がっていく、人が縁を持つような感覚を味わいました。この「メイド夜話部」によって、「読者と私」を軸にした発想ではなく、『英国メイドの世界』というひとつのきっかけで、同行の士である読者の方々が繋がっていくことに気づけました。今まで、「同人の場や、ウェブでは自然と見かける光景ですが、私は自分視点になっており、この大きさを強く自覚したのは、初めてです。



シャッツキステのイベントでは、広い意味での「メイドが好き」が集まっていて、好きを話せる相手が傍にいて、イベントをきっかけに繋がっていく感じがとても眩しく、その場に立ち会えたことをただ嬉しく思います。「読者同士が、好きをシェアして広がっていく」この機会に胸が打たれましたし、シャッツキステのこの魅力に、自分の本が近づければと感じました。



イベントは日曜日まで続きますので、この週末、ご興味をお持ちの方は是非お越し下さい。



『英国メイド好きの世界』(2010/11/23)



シャッツキステ」オーナーの有井エリス様からも、次のようなレスをいただけました。嬉しいです。