ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

新刊は『とらのあな』『COMIC ZIN』2つのショップに委託

ということで、今まで『とらのあな』だけだった委託先が増えました。メロンブックスは以前、完膚なきまでに断られたので、再挑戦しません。



今年は夏のコミティアには出場せず、夏コミだけの参加です。9〜10月に何かイベントに参加するかもしれませんが、確実なのは11月コミティアだけです。イベントに来場できないものの新刊に興味がある方は、こちらの店舗をご利用下さい。



サークル主による個別の通販は一切行っていませんので、ご了承下さい。



それにしても、本当によく『とらのあな』は資料本の委託をやってくれたと思います。日記を見たら、2005/04/30からでした。4巻が出た後ぐらいですね。



サークルスペースに営業の方がお見えになって、名刺をいただいて委託を始めました。あの方が来られなかったら、自分で申し込もうとは思わなかったはずです。メイドが好きだったのでしょうか? ありがとうございました。



委託がなければイベントに来られない方々との接点を持つこともなく、その後のいろいろなこともありませんでした。



最初のひとりの行動がその後のいろんな物を変えていくというのは不思議なものです。


『COMIC ZIN』での委託を始めます

ショップの雰囲気が良かったのと、森薫先生のイラストが響き、新規に『COMIC ZIN』での委託をお願いしました。これに伴い、既刊の『MAID HACKS』などの委託追加も引き受けていただけるかの確認に入ります。



尚、『MAID HACKS』は次回以降、委託値段の改定を行います。『とらのあな』に委託した際、何を思ったか即売会と同じ値段設定にして、委託手数料を差し引かれるとほとんど利益がない状態でした。再設定を面倒に思って長い間そのままにしましたが、在庫数も減ってきて再版を視野に入れる段階に来たので、新規分から若干の値上げとなります。



イベント会場ではそのままの値段となります。


夏コミ新刊『英国執事の流儀』

熱い夏がやってきました。



今年の夏の新刊は、「執事」です。






仕様

タイトル:『英国執事の流儀 How the Butler Worked』

値段  :700円(※2009/08/08改定)

サイズ :A5判

ページ数:148ページ(厚さ0.9cm)

頒布開始:2009/08/16(日) 西お16b

     イベント:コミックマーケット76

     委託:「とらのあな


     ・とらのあなで買う


制作

筆者     :久我 真樹(サークルSPQR

表紙イラスト :碧宇様

裏表紙イラスト:U様([DTP]/[PICT]

本文イラスト :ニッシー様/のわきねい様


内容

Part.1 七人の英国執事/イラストあり

 1.Charles Cooper

 2.Ernest King

 3.Charles Dean

 4.Eric Horne

 5.Edwin Lee

 6.George Washington

 7.Albert Thomas


Part.2 英国執事の流儀

 CHAPTER1:Who Could Become a Butler?/執事への道

 CHAPTER2:How the Butler Worked/英国執事の流儀

 CHAPTER3:Boss Management/屋敷の主人たち

 CHAPTER4:Fellowship/同僚との信頼関係

 CHAPTER5:Keep Looking, Don't Settle/執事の転職事情とその現実

 CHAPTER6:Someday You May Find/その生涯



内容の補足:英国執事の「執事としての働き方」(流儀)

裕福な屋敷において「部下を監督した管理者としての執事」に焦点を当てています。



そもそも、当時の使用人の仕事マニュアルには「仕事内容(What)」は定義されていても、「どのように行ったのか(How)」がありません。そこで「手記を残した(=ある程度成功した)執事七人」のテキストを読み取り、彼らが「どんな仕事をしたか(What)」から一歩踏み込み、「どのように働いたのか(How)」を扱っています。



さらに、



・彼らがどのようなキャリアを形成して執事となったか?

・執事となってから部下をどうマネジメントしたか?

・育成する際にどのような工夫をしたか?



などの切り口で、豊富なエピソードを織り交ぜながら執事の仕事を紹介していきます。日本で、この視点と密度で執事が語られるのは初めてだと思います。



「クライアント(仕事の依頼主)」として主人との関係や、執事の転職事情、同僚との信頼関係、そして「働く目的」など、現代人が語ったのではないかと思える視点での英国執事(ヴィクトリア朝生まれが多数)の言葉も掲載しています。


共感できる箇所がひとつでも見つかれば、幸いです。



そして、以前書いたように、自分が見つけた「最高の執事たち」を題材にしています。この執事たちを上回る視点、流儀を持つ執事をご存知の方は、是非、教えて下さい。世界は広く、まだ見ぬ執事に出会ってみたいと思っています。


メイドサークルじゃないの? 執事?

当サークルは屋敷を主体にして、貴族の生活とそこで働く使用人を中心に扱ってきました。また、経済圏としての屋敷の研究を行っており、必ずしもメイドに限定していません。(前回刊行『終わりの始まり』では領地経営を行う「スチュワード」を取り上げています)



今回、同様の切り口でメイドやハウスキーパーも扱うつもりでしたが、資料が足りず、断念しています。


これまでの同人誌との関係

単体で完結しています。一見の方でも、執事やメイドに詳しくない方でも読めます。会社勤めをしていれば、十分に楽しめます。



本書の構成と作り方は『MAID HACKS』と類似していますが、切り口はまったく異なっております。タイトルは『英国メイドの世界』の続編、としての位置づけから、このようにしています。



使用人全体を幅広く知りたいのでしたら、『MAID HACKS』をあわせてお読みいただくことをオススメしています。


『COMIC ZIN』新宿店は広く明るく

ということで、行ってきました。まず、入ってすぐお店全体を見渡せる感じがします。書棚が高すぎないのでしょうね。それに、横幅が広いです。通路も広く、人とすれ違う時にもストレスがありません。これは、競合店舗との比較では買い物しやすいと思います。大混雑しだしたら、難しいかもしれませんが、2人ぐらいの幅はありますかね?



同人誌自体の品数は店舗面積の1/3ぐらいでしょうか、普段、店舗では同人誌を買わないので多いのか少ないのか分かりませんが、かなり大切にセレクトしている感じがして、「イベント会場にいる」ような発見もありました。自分が興味ないジャンルの本でも、時々は足を運んで、入っているか見たいかもしれませんが、逆に回転率が悪いかもしれないので、ラインナップがずっと同じかもしれませんね。



その上で、同人誌を制作する立場からすると、「本が大切にされている印象」があり、委託をお願いしたい雰囲気でした。



以降は思ったことレベルです。最近のラノベは本数が多すぎると書きましたが、こうしたある種の「専門書店」でないと、「新規発見」しにくいですね。まだ本棚にゆとりがあるのか、お店の方針か分かりませんが、「表紙買い」しやすいように、平積みだけではなく、書棚の方でもなるべく表紙が見えるように配置しているようでした。



逆を言うと、普通の書店ではラノベの表紙買いはほとんど期待できないですね。全体に本の数に対して書店の店舗面積のバランスが、近年特にひどい感じがするので、本当に普通の書店(近所にあるような昔ながらの書店)は大変です。



大変申し訳ないことに、今日は衝動買いしませんでした。今のところ、「詰めすぎず、本を発見してもらう」雰囲気は担保できているようですし、いい本に出会えそうな気もします。とても交通の便がいい場所にあるので、今後、立ち寄ってみるお店にします。


委託手配完了・2009/04/20搬入予定

とらのあな」より連絡があり、委託再開が決まりました。



『英国メイドの世界』

『MAID HACKS』

ヴィクトリア朝の暮らし9巻 終わりの始まり』



上記三冊を委託します。『英国メイドの世界』は再版分が残り僅かなので、今回で委託を完全に終了します。1トン刷った後、増刷で0.4トン刷りましたが、残りは次回のコミティア向けにします。



個人で許容出来るリスクのレベルを超えたので、これ以上の再版は今時点では行いません。ご了承下さい。状況に変化があった際は、こちらの日記にてお伝えします。



幸運にも、多くの読者の方に巡りあえたことを感謝いたします。



総集編のあとがきにも書きましたが、もっと多くの方に出会えるよう、頑張ります。