ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

4巻の設計図

です。



病気が始まった結果、資料が山積みとなりました。相変わらず「外れ」の本もありますが、最近はかなり精度が上がったような気がします。Amazonでは立ち読みできないので、随分とお金を浪費しましたが、この辺りの感覚は養われてきました。



最近思うのは、資料本を作る作業は「料理」に似ているなぁと。最高の素材・食材(参考となる資料本)を集めるところから既に制作作業は始まっていますし、それによって料理人(筆者)のセンスも問われます。



悪い野菜や魚や肉を使えば、どんな料理人でも「最高を目指す」料理は作れません。同じように、同人誌とはいえ、資料本を作る場合は、素材で良し悪しの三割以上は決まってくると思います。



それをお客さん(読者)に提供する段階でも、魅力的な材料をどのように生かしていくのか(どう書くのか?)、またどういう順番で料理を出していくのか、脂っこいものの後に口直しを入れるか? 強すぎる味の後に弱い味を出さない(情報の出し方・順番・全体設計)など、料理と重なる部分は多いのかなと思います。



その点で同人誌を作るのに重要なのは、「設計」です。変な話ですが、森薫さんのサイトで『エマ・ヴィクトリアンガイド』の目次というのか、扱う内容の一覧を見たとき、「面白いな」「売れる」と感じました。内容を読まなくても、どういう見方をしているのかで、本の内容がある程度、把握できたからです。



そんなこんなで素材は揃いつつあり、設計も一段落しました。冬の同人誌は、以下のような構成で考えています。



4巻『貴族と使用人(三)』



第五章 使用人の立場
(概論)
 ・労働条件と賃金
 ・使用人としての生活と楽しみ
 ・主人との絆
 ・実在と物語のメイドさんの恋愛と結婚
 ・妊娠
 ・ミニコラム:日々の料理
 ・ミニコラム:プディング


第六章 メイドさん(料理系)
(種類)
 ・キッチンメイド
 ・コック
 ・スカラリーメイド
 ・スティルルームメイド
 ・デイリーメイド
 ・メイドオブオールワーク

もう少し練り直しますが、この作業を進めるのに必要な資料や情報の整理を行う同人誌を、今年の夏コミで発行する予定です。そっちの設計と執筆は今週末ぐらいには終わらせて、作業を始めます。