ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

使用人の暮らしを調べる

今回は使用人の暮らしを解説しようといろいろと調べています。基本的には「仕事の合間の時間」の使い方と、「休日・半休の日の時間の使い方」の2種類に分類していますが、「仕事の合間の時間の使い方」に欠かせないのは、「使用人ホール」です。



あまり日本語では馴染みがありませんが、要するに「学生の溜まり場・学食・部室」「会社の喫煙所・カフェ」みたいなもので、授業や仕事の合間に息抜きで足を運べるような場をイメージしつつ、そこで全体でのミーティングや朝礼もする、という感じですね。厳しい屋敷ではひたすらに「リネンの補修」「刺繍」を命じられますが。



嬉しいことに、最近では『エマ』3巻や『アンダーザローズ』2巻で、この場所を舞台に使用人同士の会話や風景が描かれていて、日本のコミックスのメイドさん描写レベルが格段に高まっているのを感じます。



さて、この使用人ホール、貸していて手元に無いのですが映画『秘密の花園』(出ているはず? あれはキッチン?)、『いつか晴れた日に』や、ドラマ『Uostairs Downstairs』でも登場しています。これをまともに解説していると、『エマ』3巻の、「お嬢様の誕生日に便乗した、使用人の慰労パーティ』も説明しなければならず、長くなっています……独立させた方がいいのか、検討中です。



・食堂になります。

・朝礼も出来ます。

・寛げます。

・ダンスパーティも演奏会も出来ます。



場所としては多機能で面白いですね。



それから、メイドさんがどこで寝ているのか、使用人の私室はどんなものなのかを、「ひどい家」「普通の家」「屋敷」の三段階で分類して、説明します。主に「メイドさんはどこで寝る?」という、昔書いたコラムにある内容を大幅にアレンジしていく形ですね。



それが終わったら、ようやく「休日・半休」の使い道なんですが、たとえ平日でも、近隣にパブリック・ハウスのあるような家の使用人でお酒が好きですと、出かけてしまうんですね……



こんな感じで作業をしていますが、翻訳→要約→加筆は異常に疲れるらしく、身体中が痛く、昼寝しながら、断続的に書いています。一回、温泉に行かないといけないかもしれません。