ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『BELOW STAIRS IN THE GREAT COUNTRY HOUSE』

タイトルは、「カントリーハウス(大きなお屋敷)の使用人たち(階段の下)」です。



この本は自分が資料を買い続けてから、初めて文中の章タイトルに「Upper Ten」「Lower Five」の文字を使っていました。元々、この言葉を知ったのは『英国カントリーハウス物語』で、その後、この和書の参考文献のひとつである『NOT IN FRONT OF THE SERVANTS』でも接しましたが、特に分類して説明されているわけではありませんでした。



たいていの英書は、特に見出しも区切りも無く、「ハウスメイドは〜」とか、「ハウスキーパーの仕事は」という書き方をして、非常に情報が拾いにくく、視覚的に「このページの辺りにあったよなぁ」とか、メモをして情報のありかを記録するという利用法でした。



今回のこの本は非常にオーソドックスに、



*ハウス・スチュワード

 ハウス・スチュワードとは〜



こんな書き方をしているので、わかりやすそうではあります。さらに、まだちょろっとしか目を通していませんが、「7つのカントリーハウス」と題して、大きく有名なカントリーハウスごとの使用人事情も説明してくれそうな感じです! こういう本はなかなか見つけられていなかったので、とても嬉しいです。



筆者のAdeline Hartcupさんは、かつて購入した『CHILDREN OF THE GREAT COUNTRY HOUSE』の筆者でした。この本はカントリーハウスに住む子供たちの家庭事情や教育環境をエピソードを中心に描いていますが、なかなか読破できなかった本です……というか、まだしていません。使用人関連では異常に知識が貯まっているので、読んでいても大筋や流れがわかるのですが、それ以外の部分ではいまだ意識というか、知識というか、未熟な部分が多いですね。



時代もヴィクトリア朝、内容も屋敷であり、メイドさんも出てきます。資料として大当たりな予感がするので、優先的に読んでみようと思います。


そして久々に、『英国カントリーハウス物語』の参考文献を見ると、きちんと『BELOW STAIRS IN THE GREAT COUNTRY HOUSE』も出ていました。多分、筆者の杉恵惇宏氏は、日本で一番、お屋敷と使用人に詳しい方なのではないでしょうか?



「Upper Ten」と「Lower Five」は、適当なところで解説します。