日本の「このミステリーがすごい!大賞」海外版で、『半身』『荊の城』の小説で2年連続1位を受賞したサラ・ウォーターズ。その彼女の作品が、処女作『Tipping The Velvet』に続いて、映像化されました。映像化したのはBBC。話には聞いていましたが、既にDVD化され、日本でも視聴可能になっていましたので購入しました。(まだ見ていない)
サラ・ウォーターズの小説三作品はいずれもヴィクトリア朝を舞台にしています。主役は女性で、サラ・ウォーターズ独特の表現が、読者の性差を問わずに、主人公への感情移入を強く促します。彼女は同性愛者としても知られており、その作品には彼女のそうした想いが強く反映されています。
『Tipping The Velvet』は旅芸人・舞台役者に憧れ、彼女を追いかけた女性の数奇な運命を描いた物語、『半身』は結婚し損ねた中流階級の女性と霊能者との出会いを絡めたミステリ、そして『荊の城』はスリの少女がメイドとして上流階級の令嬢に仕え、彼女の財産を狙う企みに加担する……しかしそれだけでは終わらない、複雑な展開です。
小説や『Tipping The Velvet』の感想は過去の日記に書いていますので、興味のある方はご覧下さい。映像については後日、また内容を見てから記します。よく映像化したなぁと、いろいろな意味で「際どい」「官能的」な作品です。ラストシーンとか、泣けそうですね。
1作目:DVD『Tipping The Velvet』
2作目:小説『半身』
3作目:小説『荊の城』
関連サイト
『荊の城』BBC公式待望のドラマ化『荒涼館』BBCサイト(ディケンズ原作・至高のメイド・チャーリー登場?)