ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『名探偵ポワロ』ニューシーズンはコンセプトが変わる

昨日、ニューシーズンの第一作目になる『五匹の子豚』を見ました。この中にあった添付のパンフレットに、今回のシリーズの変更点が明示されていました。



1:プロデューサの変更

2:メインキャラクターを出さない(ヘイスティングスジャップ警部、ミス・レモン)

3:コメディっぽいところから、ハードボイルドの強調(?)



今までの長いシリーズとコンセプトが大幅に異なることもあって、なかなか慣れるまで時間がかかりそうです。今までの作品は、確かに原作で登場しないヘイスティングスやレギュラー陣が、出ていることも珍しくなく、その逆になったと言えばいいのですが、難しいところもあります。



一人になって目立つはずのポワロが、まったく目立ちません。



「高慢でお洒落なポワロ」を見せ付ける相手/驚いてくれる相手がいなくなってしまい、ポワロが新しい映像表現(画面切り替えや構図、音楽も今までと異なる手法。正直、BBCが作ったような印象)の中に埋もれてしまっているような感じがするのです。



原作も好きですが、「今までのドラマ版ポワロ」が好きだったので、戻して欲しいなぁと言うのが正直なところです。話自体は非常に良く出来ていて、ただそれが「今までのポワロ」を意識するが故に、新しい魅力を見出せないでいるので、辛いところです。



「家族で見られなくなった」というのでしょうか? 古き良きイギリス、ユーモアのあるポワロが消え、「犯罪」の色を濃くしてしまったようなドラマが、残念です。(クリスティ世界の忠実な再現ではなく、求めていたのは「今までの延長」だったので)



名探偵ポワロ ニュー・シーズン DVD-BOX 1

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違う「作品」として、楽しもうと思います。