ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

エドモン・ダンテス

好評?なのかわかりませんが、リクエストがあったので『Upstairs DownStairs』について書いていこうと思います。日記からは近いうちに切り離していきます。仕事が忙しく、最近はあまり英書も読んでいませんが、このDVDは見ています。



即売会イベント情報では、お知らせがあります。まだ確定していませんが、オンリーイベントの参加を決意しました。2004/05/09(日)開催の『帝國メイド倶楽部』に初参加することにしました。申し込み段階なので確定次第、再告知します。



そろそろ翻訳を再開しないと、夏の作業が滞りそうです。まだ1ページも書いていないので、貯金を作っておかないといけません。



最近の読書では『モンテ・クリスト伯』、友人から借りた『クラスター・サーガ』(『魔法の国ザンス』の筆者のSF)を読んでいます。後者からは、本同人誌に関わる刺激は無いのですが(いろいろな意味での刺激はありましたが)、前者は豪奢な暮らしや社交界(フランスですが)の描写がありますし、衝撃的な言葉もありました。



それは、モンテ・クリスト伯が奴隷の境遇を救い出し、愛するギリシア人の奴隷エデ(身辺に置いているだけで、拘束・支配をしていません)の言葉です。彼女は伯爵も愛していますが、伯爵はその愛に報いようとはしません。






『わたくしの心を、どうしてわかっていただけるとお思いでして? この方は、わたくしにとっての御主人ですの。そして、わたくしはこの方の奴隷ですの。この方は、わたくしをおわかりくださらないだけの権利をもっておいでですの。』

(『モンテ・クリスト伯(七)』アレクサンドル・デュマ岩波文庫:P359より引用)





主人には『おわかりくださらないだけの権利』があるという、その彼女の言葉に、使用人としての立場という物が重なりました。主人なるが故に、「理解しなくてもいい権利」があると、従者が認めている・悟っている、哀しい言葉です。



同じような関係性を描きたいなぁと思いつつ、何を書いても真似にしかならないのかなぁとも思います。