ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

イギリスドラマのアイロン

さて、ストーリーとは関係ない雑談です。

コミックス『エマ』をご覧の方はご存知ですが、ヴィクトリア朝期のイギリスではアイロンをかけるときに、霧吹きの代わりに洗面器を使っていたようです。洗面器に指を入れ、手についた雫を払って、布に湿り気を与えるのです。

以前、第一次大戦後を舞台にする『名探偵ポワロ』のドラマを見たときに、ジャップ警部がアイロンをかけてました。それを見た当時は何も意味がわかりませんでしたが、最近になって見直すと、ジャップ警部も同じように、手で湿り気を与えていました。

そして、使用人ドラマ『Upstairs Downstairs』でもアイロンをかける際に、同様の「洗面器」を使っていました。イギリスではこれが、伝統なのでしょうか。

絶対の正解かといえば、難しいところです。すべてがドラマであるからです。ドラマでは「何かしらの時代考証」を行いますが、使用した資料・映像が同一ならば、描写も同じになりかねません。それに、例えばですが、『Upstairs Downstairs』でその描写をしていたから、『名探偵ポワロ』でもそうした可能性もあるのです。

さすがにイギリス本国なので正しいと思いますが。

それにしても共通する描写は、「アイロンで焦がしてしまう」ところでしょうか。