ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

DVD『Upstairs Downstairs』

第3シリーズに登場する綺麗なメイドDaizyですが、従僕のEdwardとくっついてしまいました。女性と見れば手当たり次第にセクハラしてきたEdward、戦争に行くことを決めてから、Daizyとの距離は一気に縮まります。



そんな使用人同士の恋と婚約を、苦々しく思うのはMr.Hudson。ずっとEdwardと一緒だったのに、あまり可愛くないRubyに幸せは訪れません。



ちょっとショッキングというのか、さすがイギリス人というのか、昨日見た話のラストシーンは、全国のヴィクトリアン・ファンには衝撃的かもしれません。



Edwardが私室で寝ていると、Daizyが別れを惜しんでやってきます。抱いてほしいという彼女にEdwardは「子供ができたら使用人として働けない」(僕は戦争で出かけてしまうし)というような発言をしたら、Daizyは「私のことは私が自分できちんとできる」「子供も育てる」と、Edwardを励まします。



その後は「私は初めてなの」「あなたは初めてなの? 従僕って出かけた他の屋敷でそこのメイドとかと機会があるんでしょ?(Edwardはフランス人のメイドに誘われるが、入ろうとしたその部屋にその屋敷の主人が入っていくのを目撃)」と言われると、「僕も初めてだよ」と応じて、そのまま抱き合って、その話が終わります。



ここだけ英語がしっかりと聞き取れている? 気のせいです(笑)



結論としては「髪を解いた姿もいいなぁ」という感想に落ち着きました。



その一方、健気なお姉さん的存在のRoseは不幸です。おつかいで、Mrs.Bridgesの作ったケーキを持参してバスに乗りますが、隣に座ろうとした男が誤って潰してしまい、彼に弁償させる為に、ケーキ屋さんに行きます。



そこにくっついていた喫茶店で話をするうちにふたりは付き合い始めます。彼はオーストラリア人、農場の妻になることに反対する周囲の声をよそに、Roseは婚約して、オーストラリアに行くことを決めて、出発しますが、その当日に……



Roseは第2シリーズでも馬鹿なElizabethのせいで刑務所に収容されたり、この後もフィアンセが戦死する運命などが待ち受けているようです。Sarahと知り合ったのが、運のつきでしょうか。



あまり関係ないですが今日、『金スマ』を見ていると、イタリアの富豪の女性が出ていました。日本人の母を持つ彼女の再現ドラマ、なんとイタリアの屋敷では若くて意地悪なメイドさんがいっぱいいました。



その上、父親が彼女に「屋敷の女主人」をやらせようとしたところ、使用人たちが反発したとか。それを日本人であることへの差別のように描写していましたが、戦後であっても、国が違っても、使用人の伝統が生き続けているならば、半分ぐらいは使用人の反発も正当かと。



来ている服のしわをとってといった彼女に、メイドがアイロンを直接当てるというのはやりすぎですが……