ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

『The Victorian Country House』

今日は『The Victorian Country House』を読んでいましたが、知らない建築家の名前、建築様式が出てきて、泣きそうな状態です。資料として写真はあるのですが、それぞれの様式の区別がほとんどつかず、読むのが大変になっています。使用人と絡めて話を書く為に、勉強がてら読んでいましたが、あまりにも専門的過ぎ、予備知識がほとんど無いので、やばいです。



同じ著者の和書『英国のカントリーハウス』の力を借りて読み進めるつもりですが、今回の同人誌で関わる箇所は極めて少なく、一時的に放棄しようかとも検討中です。今回、真ん中に配置する資料系の文章をどう構築するかで迷っていて、何が適切か、わからなくなっています。



あまりにもわからないので、マニア御用達の研究者、Pamela Sambrook氏の最新作『A Country House at work』に逃げ込みました。こちらは非常に読みやすく(というか、既にこの人の本を何冊も読んでいて、その上で当時の使用人領域や屋敷での仕事を熟知しているので、未知の領域が少ない)、あるひとつの屋敷を舞台に、その屋敷の家計簿から屋敷内の使用人部屋の配置、道具の変遷や、何を消費していたかの資料であふれていて、癒されます。



小説はだいたい書き終えましたが、熟成してから最終段階に入ります。なんとなく物足りないので、時間をおきます。そんな感じで作業そのものは順調に進んでいますが、そろそろ台割を作って、きちんと進行状況を把握しないといけません。



冬の同人誌発行から、この半年で買い集めた資料を整理してリストにしていましたが、数を買った分、期待はずれの英書も増えています。今回は『MANOR HOUSE』が大当たりだったので、特に損した気にはならないのですが、『ヴィクトリア朝期の家の地図』と題しながら、どう見ても「アメリカっぽい家」の英書もあったりします。国は違っても、確かに『ヴィクトリア朝期』でしょうけれど……なんとも言えません。