ヴィクトリア朝と屋敷とメイドさん

家事使用人研究者の久我真樹のブログです。主に英国ヴィクトリア朝の屋敷と、そこで働くメイドや執事などを紹介します。

コミックマーケット68参加レポート

ありがとうございました

先日はお越しいただき、ありがとうございました。書いてある知識や描写はすべてではなく、あくまでも「入り口のひとつ」に過ぎません。そこから原書を読んで深めるなり、想像を広げるなりは、読者の皆様に委ねられています。そういう意味で言うと、「ガイド本」に近いですが、新刊は今までとやや異なるテイストで作りましたので、どう思われたかは、気になります。次回の励み・参考になりますので、感想などがありましたら、よろしくお願いします。



購読される方は様々におりますが、全冊買いの方、既刊を何冊か買っていて残りを買われる方、リピーターで新刊だけを買われる方、一見なので新刊のみ試す方など、スペースにいらした方の買い物から、なんとなく読者像を描いたりもするわけです。



日記を見て来られる方も多いようで、きちんと資料紹介やお役立ち情報を更新しようと思いました。また、今回はコスプレをしてジャンル内を歩かれる方をあまり見ませんでした。夏だからでしょうか……スペースにいても滝の如く汗が出ていました。



次回5巻は「男性使用人」に戻ります。昨日いただいたエネルギーで、冬には出せるよう、今日から始めます。使用人編は残り2冊で完結となります。同人活動も来年か再来年で終わるので、そこへの設計をしっかりしていこうかと思います。



暑かったせいか、普段ほど記憶が働いていません。以下、サークル参加者の雑感を記します。



朝のディスプレイ

いつものように会場入りは早めです。07:30には現地に入り、荷物の整理を行います。今回の「リ」ブロックは大通りに面しているので、その分、スペースも広いかと思いましたが、普段と同じでした。机の下、真後ろにダンボール2列で縦に積めば……という感じですね。



机の上は見本誌がとりやすいこと、こちらがふたりで接客しやすいことを考慮して、なるべくディスプレイを高くしないようにしています。極端に列が出来るようなサークルではないのですが、特に最初の時間、買いに来る人は一分一秒でも大切にしたい、早く他のサークルに回りたいと考えていると思うので、なるべく迅速な窓口応対を心掛けています。



今回のダンボールは5箱程度、去年が7箱ぐらいだったので、ずいぶん減りましたが、これも本をB5からA5に移行した効果です。資料本がここまでなるとも思わず、B5で作っていましたが重くかさばるので、小説や資料系は分厚くなるのを考慮して、A5が望ましいのだと思っています。



『M.O.E』繋がりで、今回はきっしーさん、もみじさんのサークルに挟まれていました。朝にご挨拶をしてから、本番に臨みました。十時、開幕です。



創作少年・メイドジャンル

いつものパターンでは、十時直後に人はほとんど来ません。大手目当ての人はそこを回り、創作目当ての人は十時直後に入場することは少ないからです。(部数が少なく、完売があるサークルは別ですが)



しかし、今回は早い段階から既刊をすべて揃えて買って下さる方が多く、順調な滑り出しに思えました。十一時を過ぎた辺りから、段々と大手を買い終えた人が戻ってきはじめて、経験的には十一時〜十三時が、自分のジャンルにとっては最も大きな人の波が来る時間の、はずでしたが、今年はその時間が、普段よりも伸びていませんでした。



結果として、「去年、雨が降った夏コミよりも少しいい」結果でした。伸びるとしたら今回が過去最大になると期待していました。『M.O.E』繋がりで、きっしーさん、もみじさんのサークルに挟まれるポジション、その『M.O.E』への露出、『エマ』のアニメ化、アニメの描写の解説などネットでの認知等、考えられる限りでは最大限の支援効果があるはずでした。



ところが、それらのプラス要因は、「創作少年・メイドジャンル」から引き離された今回の配置のマイナス要因を、補いきれなかったようです。今回、目抜き通りに配置されたことは、「創作少年・メイド」を回る人から切り離される結果を生み、「サークルとして知ってくれている方は訪れてくださった」ものの、「メイドジャンルが目当てで回っていた」人との接点を断ち切りました。



「ここにあったんだ」と仰られていた方がいましたので……そして、その創作少年・メイドジャンルも、十三時ぐらいに少し席を離れたときに見て回ったのですが、ジャンルが様々な系統のサークルで寸断されてしまい、人の波も普段より少ない印象を受けました。メイド喫茶の普及、メイドそのものがある程度メジャーになってしまい、関連する情報や本が増えた結果なのか、同人誌が吸収していた部分は、もう減っているのかもしれないと、感じた次第です。



いずれにせよ、ジャンルを出た今回の成績は、自分自身の実力不足、伝え方不足が原因なので、現実を受け止めます。



反省会

いつもイベント参加した後には課題が残っています。



・100円玉を3本・150枚持っていったが、足りなくなりそうだった。原因は新刊が600円、新刊のみ購入では千円札でお釣り400円、となるので。予想していたとはいえ、やや危険な領域に突入。現場ではぎりぎり問題にならず。



・新刊は長いスパンで売れても、1回のイベントで出る数は限られる。冬コミを越える数は出ませんでした。ので、余った搬入数は箱を開けられることなく、家に送り返すことに……送料が無駄ですね。現状、送料でかなりのコストがかかっています。



コミケの時間が6時間=360分、1分にひとり来たとしても最大で360冊。そんなはずはないのでその半分180冊〜最大1.5倍で240冊が、ラインかもしれません。



・友人ありがとう……読み違えによる搬出ではいつも友人の世話になっています。重いダンボール、詰め込みすぎないよう、そして持ち込みすぎないよう、人に迷惑をかけないように……



・もう完売してもいい。長い間、活動をしていて、そろそろ完売が出てもしょうがない・無理しない頃なのかと思います。理由は、「数が読めません」。予想がまったく立たない、立てても外れるものに対して、対応するのは無理で、金銭的にも時間的にもコストが高くなります。ある分で、持ち込める分だけ、揃えていくようにします。



今後の展開

「新規で買われる方はイベント参加ごとに増えるものの、全巻フォローするのは無理」な時期だと、思いました。もう、数字が読めません。そんな中、ついに1巻が完売しました。総発行数600、2001年の刊行から今年までの4年以上、長い間現役のままでした。



書いた当初は知識が足りず、改訂版を出すタイミングを探していましたが、2巻も残りがわずかとなった今が時期だと考え、このふたつの完売後に、なるべく早くふたつをあわせた改訂版を出そうと思っていました。



しかし、ユーザが欲しいメイドの精選された情報が3巻以降に多く、1〜2巻は必須ではありません。なので、年内は新刊を優先し、来年4〜6月あたりに、改訂版を出そうかと思っています。イラストと情報の再構成もあり、新刊を作る以上のパワーが必要になります。



夏の暑さで燃え尽き感が漂っていますが、次回のイベント参加はコミティア73です。今のところ、1巻以外は残部がありますので、既刊は20部程度、新刊は50部程度で臨みます。



また、コミティア73では新刊の表紙を描いて下さったGENSHIさんが、フルカラー本で参加されます。(「Y-09a」)新刊の表紙も更新されていますので、あのメイドさんの絵に興味をお持ちになった方には、Nine's Graphicsをオススメしております。



それでは、昨日はありがとうございました!