Ernest Kingの話を読んでいます。面白いエピソードが豊富なのはいいとして、時間軸が飛び飛びになるのが難点です。過去のある時期の話をしていたと思ったら、突然、将来主人になる人たちのエピソードが登場して、混乱します。
しかし読んでいると、久我は昔、この人にも出会っていました。メイドに言い寄られたり、嫉妬したメイドに机の下で足を蹴られたりして、彼女が不在の折に職場を飛び出したフットマンのエピソードを過去に読みましたが、それがErnestでした。
また、不思議なもので、彼はFrederic Gorst(久我が最初に買った使用人の手記『Of Carriages and Kings』の筆者・Footmanで、19世紀末〜20世紀初頭に働き、公爵の下で仕事し、バッキンガム宮殿にも出入りした)と似たある経歴を、持っていました。
それは、「アメリカとイギリスの間を就航する豪華客船」での仕事です。
ふたりとも一時的にそこでアテンダントの仕事をして、同様に、「タイタニック」の話をします。どちらもタイタニックが沈んだ頃には仕事を離れていたので一命を取り留めていますが、Ernestの場合は他にも「命の危機を回避」したエピソードがあります。
ある貴族にスカウトされたのを断ってからしばらくして、その貴族が結婚式を行った場所が爆撃され、貴族は死亡したのです。もしも仕えていたら、この世にいなかったと、彼は振り返っています。
そんな感じで、ひとまず緩く読んでいます。他にもフィクションだと思って買った元メイドの書いた物語が、「実在の人物の名前を変えたノンフィクション」だと知り、読みたい気持ちも募っています。しかも、それは上流階級の息子と結婚したメイドの物語、だと言うのです。